第1046話 掲示板その41


「兄貴、起きろー!」


 そんな晴香の声で……声っていうか思いっきり揺すられて目が覚めた。相変わらず何か目的がある時は寝坊の心配が全く必要ないよな。まぁそれはいいんだけど……。


「とりあえず揺するのはやめろ……」

「おぉ、起きたのです!」

「……てか、今何時?」

「7時半です!」

「早くやりたい気持ちは分かるけど、休みの日なのに早くね!?」


 その日にもよるけど、父さんも母さんもまだ寝てる事がある時間帯なんだけど!? え、場合によっては普通に朝飯の用意もまだ……。


「って、狙いはそこかー!? 俺に朝飯を用意しろと!?」

「ふっふっふ、察しが良くて助かるのです!」

「……やっぱりか。あー、何か簡単なのあったっけな……?」


 えーと、母さんがもし和食にするつもりだったら予約炊飯で米くらいは炊けてるはずか? しまったな。この展開はよく考えたら昨日の夜の段階で予想出来てたはずなのに、全然考えてなかったよ。


「はぁ、とりあえず下に降りるか」

「はーい!」


 という事で、一階に移動。晴香は庭に出て池を眺めながらAR表示の何かを操作していて、俺は台所を物色中。晴香が俺を起こしに来た時点で、既に父さんも母さんもまだ寝ているというのは確認済みだったっぽい。

 だから俺を起こしに来たんだろうけどさ。まぁそれがなくても今日は起こされてた気がする。


「……米は炊けてないか」


 うーん、炊けてたら買い置きのインスタントの味噌汁やら海苔やらで簡単に済ませる事も出来たけど、それは無理か。食パンでもあれば簡単にトーストでいけたんだけど……ん? 冷蔵庫の中を見てみたら、なんかタッパーに浸かってる何かがある?


「あっ、これってフレンチトーストか!」

「え、今日の朝ご飯ってフレンチトーストなの!?」


 おいおい、反応が早いな、晴香よ。いやまぁ母さんが作るフレンチトーストは確かに美味いからその気持ちは分かるんだけど、逆にこれは変に下手に手が出せないぞ。……多分、これは俺が焼くと失敗しそう。


「……なんだか声が聞こえるかと思ったら、圭ちゃんも晴ちゃんももう起きてたのね」

「あ、母さん、起こしちゃったか」

「わっ!? 起こさないつもりだったのに、お母さん、ごめんなさい!」

「これくらいなら、別にいいわよ。ふぁ……朝ご飯が早く食べたいってところかしら? すぐに用意しましょうか」

「やったー!」

「サンキュー、母さん」

「晴ちゃんが休日に早起きする時は、何か楽しみがある時だものね。そんなにはかからないから、少し待ってて」

「はーい!」

「ほいよっと」


 眠そうに欠伸をしながらだけど、母さんが朝飯の用意をしてくれる事になった。そこまで時間はかからないだろうけど、待ってる間に掲示板でも見ておくかー。競争クエストが始まってどういう風になってるかが気になるとこだしね。


 という事で、リビングのソファーに座りながら一応持ってきておいたメガネ型の携帯端末をかけて、AR表示をオンにして公式サイトにアクセスしていく。

 とりあえず総合スレから見ていこうっと。隣で晴香も何か見てるけど、掲示板か? まぁ、その辺は後で確認すればいいや。


【サプライズ!?】総合情報スレ その31【季節イベント!?】


1:通りすがりのモンスター

 ここは総合情報スレになります。

 各種エリア、新種族、クエスト情報など総合的に扱っています。


 深く掘り下げたい場合は各種情報の専用スレにお願いします。


 前スレ

 http://*************


679:通りすがりのモンスター

 あぁ……七夕の特殊演出は見れずに今日が終わっていく……。

 なんでこういう時に限って出張なんだよ!


680:通りすがりのモンスター

 なんというか……ドンマイ!


681:通りすがりのモンスター

 出張先のホテルとかで、VR機器のレンタルとかあるだろ。

 ゲスト認証で数日くらいならどうにかなる。


682:通りすがりのモンスター

 そんなサービスもない激安ホテルだよっ!

 あー、もう家に帰りたい……。

 競争クエストで暴れたい!

 もう始まってるよな!?


683:通りすがりのモンスター

 それ、ここで聞いても意味があると思う?


684:通りすがりのモンスター

 別に始まってるかどうかくらいはいいんじゃね?

 なんか対戦エリア、全群集で被ったっぽいし。


685:通りすがりのモンスター

 あ、言っちゃった。


686:通りすがりのモンスター

 おぉ!? やっぱりもう始まってるのか!

 でも、被ったってのはどういう事……?


687:通りすがりのモンスター

 全群集で、一番初めに転移を確立したのが森林エリア。

 その転移先が『未開のジャングル』って場所。


688:通りすがりのモンスター

 それぞれの群集拠点種から違うとこに転移するっぽいのになー。

 なんか知らんが、どの群集も最初に森林エリアになったっていうね。


689:通りすがりのモンスター

 あと、灰の群集の森林エリアと青の群集の森林深部エリアでの再戦エリアとして、ミヤ・マサの森林が解放されたなー。

 いやー、まさか前回の総力戦のエリアが再戦エリアになるとは!


690:通りすがりのモンスター

 ちょっと、成熟体になってないとする事ないんですけどー!

 進化出来なきゃ参戦するなって!?


691:通りすがりのモンスター

 そう思うなら、Lv上げして進化してこいよ……。

 ボーナスエリア、普通にまだ継続中だぞ?


692:通りすがりのモンスター

 これは釣りなのか……?

 下手な事は言わない方が正解?


693:通りすがりのモンスター

 わざと言っているのか、あえてそう振舞って情報を引き出そうとしてるのか……。

 うーん、判断に困る。


694:通りすがりのモンスター

 相変わらず、情報交換には向いてない掲示板だなー。

 いやまぁ、対人戦の最中なら仕方ないけども。


695:通りすがりのモンスター

 プレイチケットが……プレイチケットが買えなくてプレイ出来ない……!


696:通りすがりのモンスター

 ん? 決済で不具合でも出てるのか?


697:通りすがりのモンスター

 俺はさっき普通に買えたけどな?

 再現性のない不具合か?


698:通りすがりのモンスター

 いや、単純に金欠かつテストの成績が悪かった……。


699:通りすがりのモンスター

 学生組の単なる自業自得じゃねぇか!

 あー、不具合かと思って心配して損した……。


700:通りすがりのモンスター

 ふっはっはっはっは!

 俺は赤点5教科だが、プレイ自体には支障はなーい!


701:通りすがりのモンスター

 赤の群集の学生組って割とログインしてた奴が多かったっぽいじゃん?

 なんか昨日、見かけなかった奴が多いんだけど……。


702:通りすがりのモンスター

 赤の群集の学生組はテスト勉強をサボって、成績に問題ありが多数?

 あれ? 学生組って灰の群集所属は真面目な割合が多かった?


703:通りすがりのモンスター

 もしかして、赤の群集って変な形で弱体化してる?

 勉強サボってログイン不可は……うん、まぁ自業自得だよね。


704:通りすがりのモンスター

 いや、油断するな!

 そうやって人が減ってるように思わせておいて、実は普通にいるって誤認が目的かもしれん!


705:通りすがりのモンスター

 どっちもありそうで、もう分かんねぇな、これ。


706:通りすがりのモンスター

 ダミー情報による情報戦なのか、ただのサボったツケが出てるだけなのか……。

 そういや青の群集ってその辺はどうなんだ?


707:通りすがりのモンスター

 青の群集は……なんか主力勢が変わった気がする?

 学生組はよく分からん。


708:通りすがりのモンスター

 そもそも群集の内情をここで素直にバラしてくる訳もないしなー。


709:通りすがりのモンスター

 青の群集、何気に外から観測するのが難しい。

 なんというか、社会人組がしっかり整えてる印象。


710:通りすがりのモンスター

 なんか、青の群集の人の自画自賛に見えてくるのは気のせい?


711:通りすがりのモンスター

 匿名だから、その辺はなんとも言えん。

 とことん情報の交換に向いてない掲示板だな!



 うわー。もう一度、うわー。慎也という実例を見ているから、赤の群集の学生組でテストの成績が悪くてゲーム禁止にされてる人が実際にいそうなのが何とも言えない。プレイチケットを買えてないとこも実例になってるのが何とも……。


「兄貴、変な顔になってるけどどうしたのー?」

「あー、いや、ちょっと掲示板で赤の群集の学生組の件を見てたら、なんか微妙な心境に……」

「そういえばそんな書き込みもあったのさー!?」

「ん? その言い方だと、もう見てたのか?」

「さっき兄貴が台所を漁ってる間に見たのです!」

「……なるほど」


 そのタイミングでも何か見てると思ったけど、あの時に総合スレの確認をしてたのか。それにしてもやっぱり掲示板じゃ大した情報はないなー。本当にどれを信じていいのかが分からなくなってくるし……。


 あ、そういや昨日のアイルさん絡みの件は慎也に苦情を入れとくか。あんまり怒る気にはなれない経緯とはいえ、そこはあいつが説明しとくべき内容だしな。『すまん』のメッセージだけで済ませようとか、そこは許さん。

 とりあえず『昨日の件で、言い訳はあるか?』と送っておこう。今の時点で具体的にどうこうする気はないけど、この返答によっては……どうしようか。やっぱり殺しに行く? 少なくとも競争クエストで遭遇する事があれば、容赦なく殺す!


「……兄貴、何か怖い顔になってるよ?」

「あー、気にすんな。不可抗力とはいえフラムに落とし前をつけさせるだけだ」

「あぅ!? 安心出来ない内容な気がするのです!?」

「まぁそれはいいから、何か他に面白い情報とかなかったか?」

「えっと、それなら黒の軍勢スレが興味深かったよー!」

「黒の軍勢スレか? それじゃちょっと見てみるか」


 フレンチトーストが出来上がるまでもう少しかかりそうだし、その間に黒の軍勢スレ見てみよう。さて、どういう内容になっているのやら。



【敵は】黒の軍勢スレ その20【色々と】


1:通りすがりのモンスター

 ここは黒の暴走種、残滓、瘴気強化種の情報に関するスレになります。

 不確定情報でも構いませんが、意図的なデマは禁止します。


 進化階位、固有名、攻撃方法、出現場所などの情報をお待ちしています。


 前スレ

 http://*************


562:通りすがりのモンスター

 未知の敵が出てくるって匂わせがあったけど、その辺って何か情報はない?


563:通りすがりのモンスター

 あー、なんか群集の長がそんな説明してたっけ。


564:通りすがりのモンスター

 あれだけじゃ何がなんだか分からないっての!

 具体的にどんなのだよ!


565:通りすがりのモンスター

 いや、そこは自分達で見つけていけって話だろ。

 さて、どんなのが出てくるか……。


566:通りすがりのモンスター

 異常な進化をした瘴気強化種って話だったよな。

 そこから推測してみるとして、どんなのがあり得る?


567:通りすがりのモンスター

 暴走種じゃなくて、瘴気強化種ってところが気になる。

 そこに違いがありそう?


568:通りすがりのモンスター

 あー、それは確かに……。


569:通りすがりのモンスター

 違いがある部分としては、中に精神生命体がいるかどうか?

 瘴気強化種の中にはいないよな?


570:通りすがりのモンスター

 精神生命体が抜け出た後の残滓が元だしな。

 中身、空っぽなはず。


571:通りすがりのモンスター

 そういえば、空っぽなのになんでプレイヤーと同じように進化出来てるの?

 力の源泉、設定的には精神生命体だよね?


572:通りすがりのモンスター

 ……言われてみれば、それは確かに。


573:通りすがりのモンスター

 今まで気にした事なかった!?

 そういうのオフライン版にはなかったもんね!?


574:通りすがりのモンスター

 示唆されているのは、もしかして進化に失敗した個体か?

 もしかすると、残滓から異常な進化が発生する?


575:通りすがりのモンスター

 え、残滓からなの?


576:通りすがりのモンスター

 瘴気強化種になるのに失敗した個体って事?

 条件的にありそうではあるけど、具体的にどんな敵になるんだろ?


577:通りすがりのモンスター

 色んな要素が混ざってるけど、成立してない変なやつ!


578:通りすがりのモンスター

 それ、現時点で既に存在してるだろ。

 フィールドボスに進化させる時に、変な混ぜ方したらそうなるぞ。


579:通りすがりのモンスター

 あぁ、それは確かに……。

 タコ足のあるサメとか見たっけなー。


580:通りすがりのモンスター

 16本の足のあるタコなら見た!

 地味に足の本数を数えるのが大変だったぜ……。


581:通りすがりのモンスター

 わざわざ数えたんかい!

 でも、見た目が異常なのは既にいるのは確かだもんな。

 全然違う方向性なのか?


582:通りすがりのモンスター

 異常っていうくらいだし、一部が奇形化した敵とか?


583:通りすがりのモンスター

 それだと、その程度……って気分になるな。


584:通りすがりのモンスター

 頭が2つとかもある訳だしね……。

 うーん、こうして言われると異常って言われても分からない?


585:通りすがりのモンスター

 誰か遭遇した奴はいねぇの?

 もう競争クエストのジャングルに行った奴はいるだろ?


586:通りすがりのモンスター

 気にはなるけど、ここに情報が出てくるとは思えない。

 出てくるとしたら、全群集で周知の事実になってからじゃね?


587:通りすがりのモンスター

 知ってるけど、まぁまだ言えんなー。


588:通りすがりのモンスター

 知ってるなら教えろやー!


589:通りすがりのモンスター

 群集で聞け。

 把握してれば、すぐに教えてくれるだろうよ。


590:通りすがりのモンスター

 やっぱりそうなるんかい!

 あー、今日ログインしたら聞こう。

 その前に食料の買い出しだけどな!

 まだ店、開いてない時間だけど!


591:通りすがりのモンスター

 あれは驚くよねー!

 うん、中々に衝撃的。


592:通りすがりのモンスター

 厄介な性質も持ち合わせてるのが面倒そうだ。


593:通りすがりのモンスター

 なるほど、既に把握済みのところもある訳か。


594:通りすがりのモンスター

 競争クエストに参加する気がない身としては、終わるまで見れそうにないのが残念……。


595:通りすがりのモンスター

 あー、それは分かる!

 でも、自分のとこに勝ってもらいたいから、ここでは情報は出せないよねー。



 ふむふむ、これは確かに興味深いね。俺らは強行偵察って事でかなり早い段階から対戦エリア入りして、その異常な進化の正体は知っている。だけど、推測は出来ても実物がどういうものかを知らない人って結構いるんだな。

 どういうものかは灰の群集では広まってるけど、直接見た人はまだそう多くないのかも? 実際、まだ出せる情報ではないしね。既に書き込んでる人もいるけど、掲示板にあのゾンビやスケルトンに関して書き込めるのは、全群集が把握したと確信が得られた時だよなー。

 まぁ既に赤の群集や青の群集も把握してそうな気はするけど、そこはまだ確定とは言えないからね。はっきりと判明してからでないと、変に情報を教えることになるから気を付けないと……。

 

「とりあえずログインしたら、真っ先に現状の情報収集からだな」

「それはそうなのさー! 私達が寝てる間に、どんな動きがあったのかを確認すべきなのです!」

「だなー。流石にもう結果が出てるって事はないとは思うけど……」


 昨日の夜までが様子見で、今朝から人が集まり始めたら攻め込むという事は普通にありそうだけどなー。逆に俺ら灰の群集が攻め込む作戦を立てている可能性もある。いくらなんでも夜の間に終わってましただけは勘弁して欲しいけど、それも絶対に無いとは言えないのがなんとも……。


「圭ちゃん、晴ちゃん、フレンチトーストが焼けたわよー!」

「はーい! 兄貴、その辺は後にしよ!」

「それもそうだな」


 さてと、母さんが作ってくれたフレンチトーストを食べていきますか! それが済んだら、ログインして情報収集からやっていこう。



 ◇ ◇ ◇



 そうして朝飯のフレンチトーストを食べ終えた。うん、美味かった。母さんは父さんが起きてきてから一緒に食べるという事で、今食べたのは晴香と俺だけである。


「ご馳走でしたー!」

「ご馳走様。それじゃ片付けは俺が――」

「それならお母さんがやっておくから、いいわよ?」

「え、でも食器の片付けは俺の当番――」

「楽しそうに話してたのが聞こえてたし、テストも頑張ってたし、今日はサービスね?」

「サンキュー、母さん」


 ははっ、こんな風に言われたら敵わないもんだなー。まぁそう言ってくれるのなら、その言葉に甘えさせてもらおう!


「おし、やるぞ、晴香!」

「おー!」

「おっ、なんだ、なんだ? 圭吾も晴香も朝から元気だな!」

「お父さん、おはよー!」

「父さん、おはよう!」

「おう、おはよう! って、そのまま素通りか!?」


 父さんには悪いけど、折角母さんが気を遣ってくれたんだしね。もう少し掲示板を見ておきたかったとこではあるけど競争クエストの真っ最中なのもあって、有用な情報はあまり得られそうにない。

 それならさっさとログインして、灰の群集の情報共有板で情報収集をした方が遥かに良い。って、こんなタイミングでメッセージって誰だよ! あ、慎也からか。


「兄貴、階段の途中で止まらないでー!?」

「あ、悪い」


 流石に階段の途中で止まるのはマズかったな。とにかく階段を登り切ってからにしようっと。


「今のタイミングで止まったのってフラムさんから返事?」

「まぁそうなるけど……さて、どんな言い訳をしてくるのやら……」


 既に事情は把握済みだけど、慎也にはその事は伝えてないからな。まぁ『すまん』と送ってきてただけでも、悪い事をしたという自覚はあるはず。さて、とりあえずメッセージを見てみるとして……ん? 妙に長いな? って、昨日アイルさんから聞いた話を丸々書いてきてるだけじゃん!?

 あ、いや、最後の方だけはちょっと違うな。『悪いのは俺だけだから、アイルさんに対して怒るような事だけはやめてあげてくれ。部活に必死なだけだったみたいだから!』か……。まぁアイルさんにも少なからず下心はあったみたいだけど、強引な手段までは取る気もなかったみたいだしなー。


 それにしてもあいつが全面的に非を認めてそういう言い方をするのは珍しい。少しでも責任転嫁をしようとしたら何かやり返そうかと思ったけど、これを見たらその気も失せたな。今回に限り、この件は完全に水に流すとしますか。

 とりあえずただ水に流しただけだと調子に乗りそうな予感もするから、釘だけは刺しておこう。えーと、『次にやったら、個人情報漏えいで運営に通報するからな。あと水月さんとアーサーにも言うのを覚悟しとけ』とでも送っておこう。まぁリアルでの状況を把握するのが難しい運営がどこまで対処してくれるかは分からないけど、慎也に対しての脅しにはなるだろ。……今回の件、既に水月さんにはどう考えても確実に伝わってるけどねー。


「なんかスッキリした顔になってるのさー!?」

「あー、まぁ面倒な事が解決したからなー」

「そういえば兄貴はeスポーツの部活には興味はないのー!?」

「興味はないなー」

「そうなんだ」


 今までそんな事を意識した事が無いってのもあるけど、まぁゲームは楽しんでやりたいから遊びの範疇を超えて勝敗に拘るのもなー。ゲームは気楽にやりたいから、やっぱり部活としてはパス。


「まぁそれはもう良いから、さっさと始めるぞ! まずは現状の情報収集からな」

「了解なのさー!」


 という事で、俺も晴香もそれぞれの自室へと戻っていった。さて、現在時刻は8時を少し過ぎたくらいだけど、他のみんなはログインしてるかな?

 特にアルは午前中に家事とかしてるみたいだから、流石にこの時間にいるかどうか怪しいとこではある。まぁその辺はログインすれば分かる事か。

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