第964話 テスト終了と掲示板その39


 電子ペーパーの答案用紙に、専用ペンで解答を書いていく! これで最後の1問だけど、テストの制限時間はあと僅か! くっ、数学の最後の筆記問題を解くのに時間がかかってるけど、間に合うか!?


「はい、そこまで!」


 おっし、ギリギリ解き終えた! この電子ペーパー専用のペン、時間が過ぎたら書けなくなるからなー。

 まぁとりあえずこれで全教科のテストは終了! でも今の数学は見直す時間はなかったか……。専用のペンでそういう余裕を持って解けているかとか、そういうのも判定されてるからなー。


 そして明日には全教科の採点され、苦手な部分の判定とかも含まれた解答分析の用紙が返ってくる。……明日はそれで大体潰れるけど、来週から夏休みまではその辺の分析データを使った復習授業だからなー。


「ともかく、テスト終了!」


 大きく背伸びをして、とりあえず深呼吸。今回はテスト勉強は結構気合を入れてたから、それなりに手応えはあった。結果は明日になれば分かるけど、平均点は多分余裕で超えてるはず!


「……終わった」


 さて、机の上で突っ伏している慎也は放っておいて、家に帰るかー。テスト期間、最終日の今日は午前だけで帰れるからね。明日からは普通の日程に戻るけど。

 

「さて、帰って……おい、手を離せ、慎也」

「……圭吾は余裕そうだよなぁ!? 俺は全然自信ないんだけど!?」

「知るか! 俺はさっさと帰って、ゲームの続きをやるんだよ!」

「俺は明日の結果が出るまで、ログイン出来ねぇのに!?」

「それこそ知るか! 無計画に金を使い過ぎた自業自得だろ!」

「あー、くっそー! テストが終わったのに、乗り切ってたとしてももう1日はお預けとか!?」


 あー、元々分かってたはずなのに、どうしようもなく鬱陶しいから慎也は放置して帰ろ。今日は木曜日だけど、定期メンテはもう終わってるはずだし、多分新しいお知らせもきてるはず。

 そういやスクショのコンテストの発表も今日の夜だったっけ。うん、具体的な発表の時間も告知されてるはず。今ここで確認してもいいけど……確実に慎也がウザイな。家に帰ってから昼飯を食いながらにしようっと。


「って、圭吾、帰るんかい! ちょ、待っ!? 完全に無視!?」


 なんか後ろでうるさいのがいるけど、聞こえない。さて、今日の昼飯はどうするか。母さんが作ろうかって言ってくれてたけど、なんか忙しそうだったから遠慮したんだよな。

 晴香の分の昼飯代も含めて電子マネーは貰ってるから、晴香が帰ってきてから一緒にどこかに食べに行くか、弁当でも買って帰るか、それか出前で何かを頼むか……。とりあえず帰りながら考えようっと。



 ◇ ◇ ◇



 そうしてとりあえず帰宅して、ササッと着替えて、冷房も入れてリビングのソファーで一休みっと。昼飯を何にするにしても晴香の分もどうにかしないといけないから、学校帰りに買うのはなし。

 それにしても暑いなー。まだ梅雨明けはしてないけど、雨が降らない日も増えてきて、蒸し暑い日もかなり増えてきて、冷房を使う頻度も増えてきた。


「とりあえず、晴香に何が良いか聞いてみるか」


 ただし、晴香に帰宅時に何かを買ってきてもらうという選択肢は無し。落として食べれなくなるのは困るしな。

 とりあえずその辺を聞く為に晴香へとメッセージを送信! さて、返事が来るまで久々の掲示板を見ていきますか。あと、公式のお知らせもか。



 という事で、先に公式サイトのお知らせを見ていこう。さて、今日の定時メンテ明けで何かしら新しい情報が出てるかな?


「おっ、スクショのコンテストの発表のお知らせって出てるな。えーと、今日の17時に公式サイトで発表か」


 ふむふむ、受賞してるかどうかは17時の結果発表まで当事者にも分からないようになってるんだな。公式サイトへはゲーム内からでもアクセス出来るから、そこで確認すればいいか。

 どうも公式サイトの特設ページで確認ボタンを押さないと、投票参加の報酬は貰えないっぽい。なんでそんな面倒な仕様になってる?


 あ、普通に説明が書いてた。ふむふむ、受賞にしろ投票にしろ、報酬の受け取りがログイン場面になってて、17時以降にログインしただけで報酬を渡すのは問題があるからか。

 受賞の事前連絡はないみたいだし、受賞してるのを知らずに受賞の報酬を渡すのを防止するのが目的なんだな。ま、受賞したのを知る前に受賞の報酬が渡されるとか、嫌な展開だよね。


 ん? 他にもなんかお知らせがあるけど、これはなんだ? えーと『緊急予告! 今日から数日間の夜、何処かで何かが起こる! 探せ! それらは力の糧が豊富となる!』と書いてある。


「いや、書いてる内容が大雑把過ぎない!?」


 今日の夜から何日間か何かがあるっぽいけど、具体性が皆無! あー、でも潮汐関係で貝の大量発生の推測もしてたっけ。

 『力の糧が豊富となる』って事は、経験値のボーナスエリアが発生する可能性は冗談抜きでありそう? しかも、『それら』だから1ヶ所ではなさそう。……Lv帯によって違うとかか?


「こりゃ、夜からは海沿いをメインに探索になりそうだなー」


 全員集合になったら、アルに俺らがいなかった間の事を聞きつつ、その辺の方針を決めていかないとな。さて、それじゃ掲示板の方も見て……って、晴香から返信が来たか。


「……はい? え、『たまにはカップラーメンが食べたい!』って、それで良いのか!?」


 いやまぁ、確かに母さんが料理好きだからインスタント系のものをそれほど食べる機会はないけども! あぁ、でもたまにはそういうのが食べたくなる時もあるか。

 カップラーメンは緊急時用に結構色んな種類は買い溜めしてたはずだから、その中から選んで食べればいいな。うん、別に新たに買ってくる必要もないだろう。


「とりあえず了解っと」


 ま、そう言われると俺もなんだか食べたくなってきたし、晴香にOKという返事を送っておこうっと。あー、でも母さんから預かった電子マネーが丸々残るけど……夜にでも返せばいいか。


 それじゃ晴香が帰ってくるまで掲示板でも見てよ。俺だけで先に食べてても良いけど、お湯を沸かすのすら晴香に任せるのは危険だから、帰ってきてから一緒に用意した方が確実に良い。


 とりあえず、まずは総合スレから見ていくか。さてと、知らない情報がどのくらい掲示板に出てきてるか、そこが重要だ。



【成熟体へ!】総合情報スレ その30【3rdも解禁!】


1:通りすがりのモンスター

 ここは総合情報スレになります。

 各種エリア、新種族、クエスト情報など総合的に扱っています。


 深く掘り下げたい場合は各種情報の専用スレにお願いします。


 前スレ

 http://*************



78:通りすがりのモンスター

 おっしゃ! 3rd解放!


79:通りすがりのモンスター

 段々と増えてきたな、3rd解放になったやつ。


80:通りすがりのモンスター

 テスト終わりだー!

 とうとう3rdが解放されたのか!?

 解放条件って何!?


81:通りすがりのモンスター

 俺も知りたい!

 1st、2nd、両方が上限Lvか!?


82:通りすがりのモンスター

 お、学生組はテストが終わりだしたか。

 別にこれはもうどこも把握してるから、書き込んでも問題ねぇな。


83:通りすがりのモンスター

 3rdの解放条件は1体で良いから未成体の上限Lvに到達する事。

 1stでも2ndでも、どっちでもいい。

 両方を上限Lvにする必要はない。


84:通りすがりのモンスター

 少し前まで未成体Lv30までが到達出来ないようになってたけど、そこが解放されたらあっという間だった。


85:通りすがりのモンスター

 ま、群集クエストの都合で成熟体にまだ進化させてないやつも多いけどな。


86:通りすがりのモンスター

 制限が外れて、即座に進化させるのは罠だったけどな……。

 あーあ、すぐに進化させたのは失敗だった。


87:通りすがりのモンスター

 え? 何か即座に進化させたらダメな要素があるの!?


88:通りすがりのモンスター

 ちょ、そこは伏せとけよ!

 戻ってきた学生組が、進化させなくなるだろ!?


89:通りすがりのモンスター

 それぞれの群集で聞けば分かる話じゃん。

 いやー、よく考えたら当たり前だけど、罠過ぎた。


90:通りすがりのモンスター

 早く群集クエストを進めんと、あれはどうにもならん。

 今の状況じゃ激戦区になり過ぎだ。


91:通りすがりのモンスター

 もしかしてだけど……敵の成熟体が固定位置や徘徊してる奴しかいない?

 え、成熟体になっても、Lv上げの敵がいなかったりすんの!?


92:通りすがりのモンスター

 おぉ、大正解だ!

 そして、今進行中の新しい群集クエストを終わらせないと、どうにもならん!


93:通りすがりのモンスター

 サラッと言ってるけど、新しい群集クエストって何?

 どういう内容?


94:通りすがりのモンスター

 それは自分の目で見て確かめろ!



 あー、なるほどなー。俺と同じようにテスト明けの学生の人が聞いていたから、必要な情報は分かった。

 既に成熟体への進化は可能になってるけど、迂闊に進化させると成熟体でのLv上げ場所に困るのか。格下の未成体相手だと経験値はあんまり期待出来なくなるだろうし、固定位置にいる成熟体が貴重になってくるんだな。


「……確かにこれは罠だなー」


 んー、この辺は貴重な情報だけど、アルはどうしてるんだろう? 進化させてるのか、まだ踏み止まってるのか……。アルなら俺らに合わせて止めて、3rdを作って遊んでる可能性はあるよな。

 というか、3rdの解放タイミングがその辺を狙ってる気もする。……これ、ログインして確認してみないと分からないけど、成熟体からのスキルの検証はあんまり進んでないかもしれない。


「あの黒いのとか白いのは、掲示板に情報が上がってる筈がないか……」


 その手の情報は各群集でまとめてるだろうし、誰がどの群集に所属している人かも分からない掲示板で出てくる情報じゃない。まぁここはログインしたら要確認な情報だね。


「それと、新しい群集クエストが始まってるんだな」


 具体的な内容は書かれてないけど、推測にもあった群集拠点種の進化のクエストな気がする。……もしかすると、未成体で止めて過剰経験値を譲渡した方が効率が良かったりする可能性もありそうだな。これも要確認っと。


「それにしても、これは地味にありがたい状況かー」


 明確に次の段階には進んでいるけど、ログイン出来てない期間を考えたら思ったよりは進んでないっぽいしね。テスト期間でログイン出来なかった身としてはこの方が都合は良い。

 そしてこの状況だと全体的なLvの底上げにはなっていそう。運営的には少し後から始めた人がLv的に追いつけるように調整してる感じな気がする。


「あ、涼しいのです!」

「晴香、おかえり。すぐ飯にするか?」

「ただいまー! お腹空いたから、着替えたらすぐ食べる!」

「ほいよっと。んじゃさっさと着替えてこい」

「はーい!」


 さて、晴香も帰ってきたから、今のうちにお湯を沸かして、色んな種類のカップラーメンを出してくるか。

 そしてその間に掲示板の続きを見ていこう。読んでる途中で考え込んでたけど、まだ全部を見てないしな。



95:通りすがりのモンスター

 群集クエストは、まぁログインしたら分かるからいいか。


96:通りすがりのモンスター

 思ったより進行してないんだなー。


97:通りすがりのモンスター

 いや、そうでもないぞ?

 後から始めてLvが低かった層が、かなり強くなってきてる。


98:通りすがりのモンスター

 ふははははは!

 最早、灰の群集は恐るるに足らず!


99:通りすがりのモンスター

 おい、やめろ!

 変な負けフラグを立てるな!


100:通りすがりのモンスター

 灰の群集が一番学生組の影響が大きかったっぽいからなー。

 ……まぁそれでもヤバいのは普通にいるけど。


101:通りすがりのモンスター

 成熟体へと進化した俺は、学生組には負けはしない!


102:通りすがりのモンスター

 ある意味、それで負けたら恥じゃね?


103:通りすがりのモンスター

 というか、成熟体で未成体にどうやって負ける気だよ?


104:通りすがりのモンスター

 少しの間くらい、勝ち気でいさせて!?

 でも、群集間での戦力差はかなり埋まっただろ!


105:通りすがりのモンスター

 それはまぁ、間違いないな。

 いつまでも灰の群集の一強にはさせん!


106:通りすがりのモンスター

 打倒、灰の群集!

 その為にも、早く群集クエストを終わらせねば!


107:通りすがりのモンスター

 推測だった競争クエストが発生する可能性は、ほぼ確定みたいなもんだしな。

 さて、どうなる事か。


108:通りすがりのモンスター

 そういやLvが上がるように緩和されたのっていつ頃?


109:通りすがりのモンスター

 えっと、先週の定期メンテ明けだっけ?


110:通りすがりのモンスター

 そのタイミングだなー。

 そして、土日辺りで進化に到達した奴が出始めて……。


111:通りすがりのモンスター

 掲示板で成熟体への初進化の情報が愚痴になるとはなぁ……。


112:通りすがりのモンスター

 特に共生進化や支配進化のやつは……。


113:通りすがりのモンスター

 だー!? うっせぇよ!

 今は3rdで遊んでるから良いんだよ!


114:通りすがりのモンスター

 2ndや3rdの人を育ててる人も増えたっけ。

 まぁ俺もだけど。


115:通りすがりのモンスター

 今お知らせを見てきたんだけど、緊急予告って何?

 あれ、何かのボーナスイベント?


116:通りすがりのモンスター

 さぁ?

 あれだけじゃ、正直何も分からんし……。


117:通りすがりのモンスター

 あんなのじゃ何も分かんねーよ!

 予告する気があるなら、もうちょいヒントを寄越せ!


118:通りすがりのモンスター

 なるほど、既に勝負は始まってる訳か。


119:通りすがりのモンスター

 >>118

 それ、どういう意味だ!?


120:通りすがりのモンスター

 既にどこかにヒントがあった……?


121:通りすがりのモンスター

 ちょ!?

 なんでヒントがあるのを教えるんだよ!?


 海で……って、これは無し!?

 

122:通りすがりのモンスター

 ほほう?

 海が関係している?


123:通りすがりのモンスター

 いや待て、今のは不自然過ぎる。

 ダミー情報かもしれん。


124:通りすがりのモンスター

 あー、その可能性はあるなー。

 海に行かせて、本命の場所から遠ざけるのが目的か。


125:通りすがりのモンスター

 ヤバい、どれが騙そうとしてる情報かが分からん!?


 海か、海じゃないのか、どっちだ!?


126:通りすがりのモンスター

 惑わされてる時点で、狙い通りじゃね?


127:通りすがりのモンスター

 この手の情報は、ここの掲示板じゃ当てにならんな。


128:通りすがりのモンスター

 確かにそうだ!?



 あー、思いっきり情報戦が行われてるよ。灰の群集の誰かが……いや、灰の群集とも限らないのか。そもそも潮汐で貝の大量発生ってのも、あくまで推測の範囲だしな。

 あれが事実とも限らないし、全く別のものという可能性も否定は出来ない。……確定出来るのは、実際に大量発生が起こってからか。


「兄貴、着替えてきたよー! お湯沸いてるけど、どうかしたの?」

「あー、いや掲示板を見ててちょっとな。晴香、お知らせの緊急予告は見たか?」

「あの妙に情報が少ないやつなら見たよー! 多分、貝の大発生で合ってるのさー!」

「……それ以外の可能性は?」

「ないとは言えないけど、潮が引いてるのは夜だから可能性は高いと思うのです!」

「あー、そういやそうか!」


 予告されているのも夜だし、潮が引くのも夜だった。確か18時までが引き潮という話だったし、潮が引いて貝が砂浜に取り残されてる状態だもんな。徐々に満ちていく中で、貝の敵と戦うというのは充分ありそう。


「それか、アルさんが言ってたタイドプールが何処かにあれば、それは可能性があると思うのです!」

「あー、あれか! 確かに可能性はあるけど……」

「……兄貴?」


 テスト期間に入る前には、金魚の件もあって魚は避けていた。あれから晴香は毎日、庭に作ったお墓に手を合わせてはいる。……ここはもう本人に直接聞くのが早いか。


「晴香、もう魚と戦っても大丈夫か?」

「もう大丈夫なのさー! ……心配、ありがと」

「よし、だったらその辺はアルに場所を聞いてみてだな! 海辺は調べておくって言ってたし」

「了解です!」


 晴香が小声で言ったお礼には、無理に返事をしない方が良いだろう。小声だったけど俺に聞こえるようには言ったんだし、反応を求めての言葉じゃないはず。


「さてと、とりあえず昼飯にするか。どれを食べる?」

「んー、これと、これと、これ!」

「おいこら! いくらなんでも3つは食べ過ぎだ!」

「なら2つにしておくのです! 醤油とシーフードで!」


 相変わらずの食い気だな、おい! まぁ、大体予想はしてたけど。俺は大盛りの豚骨ラーメンにしとくか。


 という事で、沸いたお湯をカップラーメンの容器に入れて、非常に簡単な昼飯である。なんでテスト前が豪華で、テスト明けが質素なのかはよく分からないけど、まぁたまにはこんな時もありか。

 どれも3分待つやつだから、出来上がるまで少し待機だな。こういうの、待つと長く感じるんだよなー。


「そういえば帰りの電車の中で掲示板を見てたけど、意外と進んでないんだねー!?」

「みたいだなー。未成体でのLv上げの制限は無くなったっぽいけど、成熟体でまともにLv上げする場所がないときたか」

「これ、推測にあった通り、本当に新しいマップがある気がするのです!」

「大体推測通りってとこか。さて、奪い合うのが新エリアでの拠点だけか、それとも今の占有エリアも含めるのか、その辺りが重要になってくるな」

「もしかすると、群集クエストを早く終わらせた方が有利なのかも!?」

「あー、それはあり得るな」


 そもそも1回目の競争クエスト自体が、同時にスタートではなかったもんな。今回も先に群集クエストを終わらせた方から進出して競争クエストが開始という可能性も十分ある。


「こりゃ、テスト明け早々に忙しいかもな」

「テストが終わった今、望むところなのさー!」

「ところで、晴香。テストの手応えは?」

「今までで一番手応えがあった気がするのです!」

「それなら大丈夫そうだな」

「そういう兄貴はー!?」

「俺も手応えは十分だぞ」

「おぉ!」


 なんだかんだで今までのテスト勉強の中で一番頑張ってた気がする。さてと、そろそろ3分経ったし、カップラーメンを食べていこう。


「晴香、これを食ったらログインするぞ」

「もちろんそのつもりなのさー! だから片付けが簡単なこれにしたのです!」

「あ、そういう理由だったのか」

「単純に食べたかったのもあるけど、メインの理由は時間短縮の為なのさー!」

「……なるほどね」


 確かに家に常備しているカップラーメンが一番早い。どこかに食べに行くにしても、弁当とかを買ってくるにしても、俺が金を預かってたし晴香が帰ってからのつもりだった。その時間すら惜しんだって訳か。


「おっし、そんじゃさっさと食べちまうか」

「おー!」


 もう少し掲示板を見てみたいとこではあるけど、情報戦が発生してるし、ログインして群集の人に聞いた方が早いな。正直、この時間だと誰がいるか分からないけどね。

 誰か知り合いで、俺らがテスト期間でいなかった間もログインしてて、状況に詳しい人がログインしてればいいんだけどな。アルがいたらそれが一番良いんだけど、この時間にはいないから仕方ない。

 



ーーー


第28章、これにて終了。

予告してあった通り、少し更新はお休みになります。

再開は4月12日(月)からの予定です。

詳しくは近況ノートまで。

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