第864話 これからの予定
さて、みんながソロの間にやってた事の話になって、俺の報告はし終わった。サヤ、ヨッシさん、ハーレさんはそれぞれどんな感じだったんだろ?
まぁヨッシさんは普通にモンスターズ・サバイバルと一緒にアイテムの生産をしてたみたいだから特に何もないかもしれないけど、サヤとハーレさんのスクショの撮影会は地味に気になる。
アルマース : とりあえずケイが実験してたのは分かったが、他のみんなはどうしてたんだ? ヨッシさんはパッと見た感じでは湖の畔で何かやってたみたいだが……。
ケイ : それは俺も気になるところー。
ヨッシ : 私の方でも一応ちょっとした成果が出てたけど……みんながもう集まってるなら、合流してからにしない?
ハーレ : あ、私はもう少しだけ時間が欲しいのです! まだ成功したスクショが撮れてないのさー!
ケイ : あー、そういや失敗する可能性があるって言ってたもんな。てか、それなら今ここで話してていいのか?
ハーレ : 今は行動値の回復中で、さっきまで打ち合わせをしてたのを少しだけ抜け出してきてるのです! あ、再開するって言ってるから、行ってくるねー! 10時までに無理だったら諦めるのさー!
アルマース : あー、俺が邪魔してる感じになってるのか。なんかすまんな。
ハーレ : このくらいなら問題ないのさー! それじゃ成功しても失敗しても、後で改めて連絡します!
アルマース : おうよ。
サヤ : うん、分かったかな。
ヨッシ : そういう事なら了解。
ケイ : ハーレさん、頑張れよー。
ハーレ : はーい!
ハーレさんの行っていたスクショの撮影会の方は、どうも上手くいってないみたいだね。まぁ投擲メインの人が集まって投げたもので文字を書こうというのだから、そう簡単なスクショの撮影ではないか。
アルマース : ところでハーレさんはどういうスクショを撮りに行ってるんだ?
サヤ : えっと、投擲したもので文字を書くっていうスクショを撮りに、望海砂漠に行ってるかな。
ヨッシ : さっきのを聞いた感じだと、難航してるみたいだけどね。
ケイ : ついでに砂も補充してくるとも言ってたぞ。
アルマース : 投擲で文字を書くって、また難易度が高そうな事をやってんな……。あー、だからケイが失敗の可能性がどうとか言ってたのか。
ケイ : まぁ俺がと言うよりは、元々失敗する可能性も含めて計画されてたっぽいぞ。ついでにハーレさんがアルがログインするまではバラバラでやろうって言い出した理由もそこだとさ。
アルマース : ……失敗する可能性がある上に、投擲メインだと俺らにする事が無いから気を遣ったってとこか。ヨッシさん、これは大丈夫なやつか?
ヨッシ : あ、うん。今回のは変に気負ってなかったし、大丈夫だよ。むしろ普通の時はそういう気遣いは出来るから、強引に誘って来てたなら心配だったかも?
ほほう、普通な時のハーレさんはそういう感じなんだね。今が通常時だと考えれば、ゲームを始めた頃のハーレさんの動き方は妙なとこではあるって事か。
てか、自分の妹の事だけどそういう面はヨッシさんの方がよく知ってるんだな。……いや、待て。俺に対する気遣いってどこかにあったっけ? よく無断で俺の部屋にいるような気もするし、食べ物に関しては一切そういう気配はないけど……。
ケイ : ヨッシさん、ちょい質問。
ヨッシ : あ、食べ物絡みはそういう気遣いは割と無くなるよ。あとケイさんに対しては強がりもあるにはあるけど、少し甘えがあるみたいだね。ほら、ケイさんもハーレに甘いとこがあるじゃない?
アルマース : なるほど、なるほど。そりゃ納得だ。
ケイ : おいこら、アル! 今、どういう風に納得した!?
アルマース : 言っていいのなら言うが、いいのか?
うぐっ!? 何となくアルの納得の仕方の内容の予想がついているけど、あえてそれを明言されたくはない!?
てか、絶対にシスコンとかブラコンとか思ってるよな、アル! 確かにハーレさんに対して父さんほどではないにしても甘い部分はあるような気はするけど、シスコンと言われるような事は決してない!
サヤ : ……この会話、ハーレが後から見れると思うけど、それは良いのかな?
ヨッシ : あっ……。
アルマース : 確かにあまり良くはないな……。すまん、ここで聞くべき内容じゃなかったな。
確かにサヤの言う通り、ハーレさんが気遣いをしているかどうかとか、不安定になってないかとか、そんな内容はハーレさん本人が見る可能性がある場所でする会話じゃなかった。
このチャットの会話、消す事って出来たっけな……? こういう時はヘルプ、ヘルプ。あぁ、あった。えーと、個別の発言を消す事は出来ないけど、共同体のチャットの書き込み内容をリセットは出来るのか。消せるのは共同体のチャットのみで、情報共有板とかでは無理なんだね。
実行可能なのはリーダーのみみたいだけど、この機能ってどういう時に使うんだ? うーん、共同体内で言い争いでも起きた時とかに強制的に消し去ってしまうとかそんなとこか。
ケイ : リーダーの俺の方で今のチャット欄の書き込みをリセット出来るけど、やっとく?
ヨッシ : そういう事が出来るなら、ケイさん、お願い。
ケイ : ほいよっと。
ヨッシさんが消した方が良いという判断なのであれば、ハーレさんが見てないうちにササっと消してしまうのが良いだろう。
という事で、サクッと実行! お、ここまでのみんなの発言ログが一気に消えていくね。うん、これで既にハーレさんが見ていたという状況でさえなければ問題なし。
でもリセットされた事は表示されてるし、さっきのハーレさんも含めた会話まで消えてるから、それらしい言い訳をしておくか。
ケイ : まったく、アルが迂闊にリアル情報の発言するから……。
サヤ : アル、さっきのは無しかな……?
ヨッシ : 流石にさっきのはね?
アルマース : ……すまん、流石にリアル上司の名前は不味かったな。
お、みんなも話を合わせてきてくれた。てか、アルが書き込んで消すべき内容がリアル上司の名前という設定になったな。……うん、確かにそれは直接は知らなくてもあまり書き込むべき内容ではない。
ケイ : まぁそれはいいとして、ヨッシさんの方は何かあったんだよな?
ヨッシ : あ、うん。昨日のオオサンショウウオとの戦闘で出た畔の土砂を使って粘土を作って陶芸をしてたみたいでね。それをカインさんが素焼きをしてて……殆どは途中で割れちゃって失敗だったんだけど、1個だけ成功してたんだ。
ケイ : 焼き物を試してるのはまとめで軽く見たけど、使った材料は昨日の戦闘の時のあれかい!
サヤ : あはは、確かにあれはちょうど良かったのかな?
うーむ、まさかオオサンショウウオが湖から取り除いた土を利用して焼き物を作ろうしていたとは思わなかった。確かに土砂が山盛りにはなってはいたけども!
湖のすぐ近くだったし、誰も邪魔だとも片付けようともしてなかったけど、その後にそういう用途を考えてたとは思わなかった。……まぁ、有効に活用してくれたならそれで良いか。
アルマース : へぇ、焼き物が一応出来たのか。確か、前々からやろうとはしてなかったか?
ヨッシ : うん、やるにはやってたね。ただ、土の操作と水の操作の並列制御で成型するのが難しかったみたいだよ。
ケイ : あー、確かにあれはなー。さっき泥の状態で操作をしてみたけど、器の形は面倒そう……。
焼き物の知識なんて欠片も持ち合わせてないけど、パッと見でそれっぽい形をでっち上げるだけじゃ駄目な気はする。てか、形を作るまでは一応出来そうだけど、形を維持出来る粘土を作るのが難しそう。
サヤ : え、ケイでも形を作るのは難しいのかな?
ケイ : いや、多分操作中なら形は維持出来るとは思うけど、その後がな? ヨッシさん、素焼きにするのって操作したままって訳じゃないよな?
ヨッシ : うん、粘土を成型した後にしっかりと乾燥させる必要はあるみたい。昨日の夜と今日でリアルで陶芸の経験があった新規の人が来ててね。成功した1個を見て、リアルよりは簡単だって言ってたよ。
アルマース : なるほど、その辺はリアルの経験者が頼りになるんだな。
ケイ : てか、新規の人なんだ。なんというか、生産系で頼りになりそうだな、その人。
ヨッシ : その人、今は肉食獣さん達のアドバイスを受けながら、水の操作と土の操作と風魔法と火魔法を取る計画をしてるよ。
アルマース : それってゲーム内で陶芸をやる気満々だな。ま、それも楽しみ方の1つではあるか。
ケイ : だなー。
陶芸とかって趣味系のシミュレーションのVRソフトであるような気もするけど、あえてこういう別のゲームの中の制限の中でやるってのも良いかもな。
あれか、普通の人型でやるRPG系のゲームで黙々と釣りをやりたくなったりする事がある感じに近いのかも? ヨッシさんがゲーム内で料理をしてるのもそういうのに近そうな気がする。
ハーレ : ただいまー! 文字は無理だったけど、ちょっと演出を変えたスクショが撮れました! あ、アルさん、過剰にリアルの情報を書き込むのはマナー違反なのさー!
アルマース : ……だな。次からは気をつけるわ。
ふー、とりあえずハーレさんはアルがでっち上げた偽の書き込み情報に騙されてくれた。……まぁ消す前のを見ていたけど、あえてそれに乗っかってくれているという可能性も否定は出来ないけど、ここは変に突っ込まない方が良いだろう。
どっちにしても、不用意にハーレさんが見える状態の場所に書き込むべき事ではなかった内容を書き込んだのは事実ではあるしね。……そこは大真面目に反省しておかないと。
サヤ : ハーレ、演出を変えたってどんな感じにかな?
ハーレ : 文字から虹に変えたのです! 砂漠のど真ん中に大量の投擲で作った虹がかかったのさー!
ヨッシ : 虹に? え、赤色とか橙色とか黄色とか緑色は分かるけど、紫色とか青色とか水色にはどうしたの? あ、紫はブドウでいける……?
ハーレ : 紫はまさしくブドウだったのです! 青はブルーベリー! 水色は癒水草茶を凍らせた氷を使ったのです!
ヨッシ : あ、ブルーベリーって見つかったんだ? それに水色はそんな手段があったんだね。
ハーレ : そうなのさー! ちなみにブルーベリーは魔力値の回復だったのです!
ふむふむ、要するに虹の各色に対応する色のものは揃っていて、それを空中にタイミングを合わせて投げる事で虹を作る事に成功した訳か。
流石に文字は……何を書く気だったかは知らないけど、複雑になって難しかったんだろうね。まぁ虹にしてもタイミングを合わせて7色の弾を投げていくのも大変ではあっただろうけど。
アルマース : そういや文字って何を書く予定だったんだ?
ハーレ : 『Monsters Evolve Online』だよー! 流石に無茶が過ぎました!
ケイ : うん、そりゃ無理だ。
ヨッシ : ……あはは、確かにそれはね。
サヤ : それ、よく実行に移そうと思ったかな?
アルマース : ……だな。
ハーレ : だから、失敗する可能性を考えてたのさー! そしてさっきの打ち合わせは諦めるかどうかのものだったのです! ちなみに、元々虹のグラデーションにする感じの計画でした!
ケイ : 成功したらインパクトは凄いだろうけど、随分と無茶な計画だな!?
ヨッシ : もしかして望海砂漠でやってた理由って、落ちても砂がクッションになって弾を出来るだけ潰さない為?
ハーレ : ヨッシ、大正解なのです!
アルマース : なるほど、何度も地面に落とすのは想定してたって事か。
サヤ : あはは、でも虹で上手くいったなら良かったかな。
ケイ : まぁ確かにそりゃそうだ。
実際にどんなスクショになっているかは分からないけども、砂漠の上空に色々な色の弾の投擲で形作られた虹はインパクトはありそうだしね。
それも撮っているのがラックさんだから余計に期待が出来そうだ。この後に合流した時にハーレさんにスクショを見せてもらう事は出来そうだけど、あえて投票まで見ないというのもありかも。
ケイ : あ、そういやハーレさんは撮影は終わったって事で良いのか?
ハーレ : そだよー! もういつでも合流出来るのさー!
ケイ : ほいよっと。で、サヤが何をしてたかをまだ聞けてないけど、合流してからにする? それとも今のうちに聞いとく?
サヤ : 私は出来れば合流してからが良いかな? 少しみんなに見せたいものもあるし。
アルマース : ほう、サヤが俺らに見せたいものか。
ヨッシ : サヤは確かクマのスクショの撮影の集まりに行ってたよね? そこで何か良いのが撮れたの?
サヤ : それは見てのお楽しみかな!
ケイ : ほいよっと。
なんだかサヤのテンションが少し高めな気もするし、クマの集まりで何か良い事があったのかもしれないね。良いスクショが撮れた……のではない気がする、なんとなくだけど。
もしかすると、同じクマ同士の交流で新たな戦法でも生み出してきたか? 合流してから見せるのなら、その可能性はありそうだね。ま、これは合流してからの楽しみにしとこ。
アルマース : だな。さて、それで合流場所はどうする?
ケイ : 候補としては、カイヨウ渓谷か、封熱の霊峰にある溶岩の洞窟か。どっちにする?
ハーレ : はい! フェニックスを見たいので、封熱の霊峰の方を希望します!
サヤ : 私もちょっと陸地で戦いたい気分かな?
ヨッシ : 準備はしてるから、私もそれで構わないよ。
ケイ : だそうだけど、アルはどうだ? 苦手な地形だけど、その辺の対処にも慣れときたいから俺も賛成。
アルマース : なら、俺が反対する理由もねぇな。
ケイ : よし、それじゃ満場一致で『封熱の霊峰』に行くので決定だな。あ、それでなんだけど、今日のLv上げは位置を変えながらやる?
アルマース : それは休憩する時に考えるので良いんじゃねぇか? 今日は場合によってはどっかでスクショの撮影に加わるってのもありだろ?
ハーレ : アルさん、その意見には大賛成さー! 私はちょいちょい参加出来そうなスクショの撮影会の情報を仕入れつつ、参加出来るとこなら参加したいです!
サヤ : 他の群集の団体部門にエントリーする最後の機会の日だし、私もそれで良いと思うかな。
ヨッシ : うん、私も賛成だね。
ケイ : おし、それじゃそういう方向性でいきますか。
ハーレ : やったー!
さて、これでこれからの予定は決まりだな。1ヶ所のエリアでは討伐上限数があるからずっと狩り続けるのは効率が悪いけど、合間でスクショの撮影会に混ざって時間が空くならその辺は問題はなくなるしね。
ただ、その辺は撮影会の場所とタイミングに影響されるから運任せにはなる。でもまぁ、それはそれでいいか。
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