第576話 途中経過のまとめ
とりあえず水砲ザリガニへの水属性の付与とその効果、それと水魔法持ちの味方への攻勢付与による攻撃用の魔法の性質変化は確認が出来た。あとは元々の案件の魔法砲撃による付与済みの魔法の性質の変化の一部の確認も終わったね。
まぁまだ水魔法Lv4の爆発魔法と、Lv5の防壁魔法と、Lv6の衝撃魔法の確認もしていかないといけないけど一旦経過報告だな。ネズミの人と草花3の人の検証情報を確認もしておきたい。……というか、一度行動値と魔力値を回復させないといけないしね。
「アル、さっき書き込めたのって魔法砲撃ありのアクアボールまでだっけ?」
「あぁ、そうなるな。アクアプリズン以降はまだだ」
「あの後は流石に書き込みながらじゃ無理だよなー」
「だな。で、改めて俺は報告してくるけど、ケイは他の組み合わせを試しとくか?」
「あー、もう行動値が無くなりそうだから回復中に俺も報告に行くよ」
「あれだけ連発してたら、そりゃ行動値も尽きるか」
「そういう事」
あと1発、付与魔法だけなら発動も出来るけど、並列制御での検証には行動値は間違いなく足りないしね。回復が必須な状況なんだし、時間は無駄にせずにいこう。
「それでサヤとヨッシさんはどうする?」
「あ、そういえばどうしようかな……? ヨッシ、どうする?」
「うーん、私とサヤはPT会話で聞いてただけで見てはいないしね。内容の確認ついでに報告を眺めていようかな。サヤもそれでいい?」
「確かにそれもそうかな。うん、問題ないよ」
「サヤとヨッシさんは報告を見て実態の確認だな。了解っと」
「ま、それも重要か」
そういや色々なタイミングや水砲ザリガニの捕獲とかを任せていたから、サヤとヨッシさんは俺の検証内容はほぼ見てなかったっけ。……ふむ、つい重要な内容だったし俺自身も興味があったからどんどん先にやってしまっていたけど、その辺は少し配慮すべきだったか。
「ケイ、その辺は別に気にしなくても良いかな?」
「そだよ。私達もケイさんがいない間に何もやってないって訳でもないしね」
「……また声に出てた?」
「声には出てなかったけど、ハサミが動いてたよ? 内容については大体の想像かな」
「まぁ声に出てなくても分かりやすくはあるからね」
「……そんなに分かりやすいのか」
うーん、まぁ気にしなくて良いと言われたら気にする方が失礼だし、出来るだけ気にせずに行こう。……考えてる事が分かりやすい癖については、気を付けるようにはするけど基本的には諦めよ……。すぐにどうにか出来る気が全くしないや。
さてと、いつまでもそんな事を考えていても仕方ないので、検証内容の追加報告をしていかないとね。
「よし、それじゃみんなで情報共有板に行くぞ!」
「「「おー!」」」
何か今日は情報共有板に入り浸りまくってるけど、まぁそういう日もあるか。どっちにしても昨日と同じでハーレさんがいないから、大々的に移動しての活動は出来ないしね。
ライオン : おぉ、これは意外と使えるではないか!
ヒョウ : ……もっとしっかり確認をすべきだったな。ライオンの。
ライオン : ……そのようだな、ヒョウの。
オオカミ : まったく、これに懲りたら妙な騒ぎ方だけ残していくんじゃねぇぞ、風雷コンビ。書き込むなら最低限で良いから概要は書け。それが出来ないなら混乱を招くだけだから自粛しろ。……あまりこの手の強制的な言い方は好きじゃねぇんだから、もう二度と言わせるなよ?
ライオン : 肝に命じておこう、オオカミの旦那。
ヒョウ : 分かったぜ、オオカミの旦那。
クジラ : どことなく不安だけど、とりあえず一件落着?
サル : それで問題はなさそうだな。
どうやら風雷コンビが付与魔法の検証結果を見て、評価を改めているっぽいね。検証で上がってきた情報を見て、自分達で使ってみたってとこなんだろう。
そして自由に動くのを基本方針としている灰の群集ではあるけども、流石にベスタとしても今回の混乱の元凶は見逃せなかったみたいだね。まぁ風雷コンビの割に合わない発言さえなければ、もっと早めに試してたって人もいそうだもんな。
キツネ : お、Lv7の魔法の情報が出てきてるじゃん。ちょうど検証中ってとこ?
草花3 : ……うん、ちょうど真っ最中。追加報告をしにきたよ。
カンガルー : 今はコケの人が水魔法を、ネズミの人が土魔法を、草花3の人が風魔法の検証をしてくれているとこだな。
草花3 : ……とりあえず、推測通りにLv2〜Lv6までの魔法の性質変化は確定出来たよ。オオカミの人、まとめの報告欄に内容を上げているから、編集をお願い。
オオカミ : あぁ、今内容を確認した。……魔法砲撃での変化があるという報告もあったから、それも含めてまとめておきたいとこだな。
コケ : 呼ばれた気がしたので、登場! 俺の方も追加報告があるぞ!
木3 : 検証案件ではなかったのもあるけど、重要なのもあったぞ。
キツネ : ほほう、かなり活発ですな。俺も火魔法Lv7を取って参加してもいいか?
リス : およ? 何か面白い事になってるねー!
草花4 : へぇ、コケの人が魔法砲撃で検証してんのか。俺も魔法砲撃はあるし、スキル強化の種はあるから水魔法の方の検証を手伝おうか?
ヘビ : お、ここに来て検証の人員が追加か! そりゃありがたい!
キツネ : あ、魔法砲撃がコケの人だけだったのか。俺、魔法砲撃も持ってるぞ。
おっと、このタイミングでリスと草花4の人が登場って事はもしかしてレナさんとダイクさんか? それにキツネの人が魔法砲撃を持っているというのは朗報である。てか、一気に人員が増えてきたな。
コケ : あー、検証の人が増えるのはありがたいけど、その前に報告をさせてくれ。
ヘビ : 確かにそりゃそうだ。
キツネ : おっと、ちょっと先走ったか。すまんね。
オオカミ : とりあえず内容を聞かせてもらおうか。
草花3 : ……うん、コケの人、お願いね。
コケ : ほいよっと。まず、射出魔法の魔法砲撃についてはうちの木3の人が報告してくれた通りだ。シンプルに連射弾数の追加だな。
草花3 : ……うん。通常発動では同時射出数の追加だったけど、そう変わるんだね。
キツネ : そこは単純に通常発動と魔法砲撃での発動での差異にそのまま影響してるって事なんだな。
草花4 : ふむふむ、単純ではあるけど弾数追加は地味に便利だな。
木3 : それでなんだが、その最中に思いついた事があって試して見た事があるんだよ。
オオカミ : ほう? それはどんな内容だ?
木3 : 付与魔法って、味方への付与の場合は攻勢付与と守勢付与を選べるって話だったろ? それに並列制御で魔法に付与した場合は攻勢付与と守勢付与は自動切り替えってのを聞いてな。俺自身も水魔法は持ってるから、攻勢付与をしてもらった状態でアクアボールを使ってみたんだよ。
クジラ : あー! それでもしかして効果が出たの!?
サル : そうなると、使える幅が広がるのか。
木3 : ……全部書き込む前に正解が出たけど、クジラの人が正解だ。攻勢付与された状態なら、水魔法さえ持っていて攻勢付与での変化する魔法なら同様の効果は発揮出来る。まだ試してないが守勢付与でも同じだろう。
ライオン : なんだと!? 試すぞ、ヒョウの!
ヒョウ : 試すしかねぇな、ライオンの!
オオカミ : ……あぁ、風雷コンビはその再現にはうってつけの人員ではあるのか。
草花 : まぁ同じ属性だしねー。
どうやら風雷コンビが再現に動き出したみたいだし、その辺は結果を待とうかな。さて、次の報告に行きますか。えーと、水属性の敵に水属性を付与した場合の報告と、拘束魔法の魔法砲撃による変化について、どっちから報告しようかな?
ネズミ : うぉ!? なんか人数増えてる!?
コケ : お、ネズミの人も追加報告?
ネズミ : おう、まぁな。先に報告しても良いか?
コケ : あー、内容次第では被る可能性もあるから、先どうぞ。
ネズミ : サンキュー、コケの人。で、ぶっちゃけマジで被りそうなんだよな。
サル : お、そうなのか?
ネズミ : コケの人に頼んでた同属性への付与が成功してな。これは相手の土属性攻撃の威力や土属性に対する防御力が上がるのがデメリットだが、土属性の弱点属性になる風属性攻撃の効きがかなり良くなるぜ。ちなみに付与の効果は、無属性への付与の時と同じで3回だったぜ。
おー、思いっきり俺が水砲ザリガニ相手にやった事と同じ内容か。ふむふむ、これは図らずも再現検証になったという事だね。一見無駄足にも思えるけど、こういうのは何パターンか試しておく必要はあるから決して無駄ではないんだよな。
コケ : うん、思いっきり被ったね。属性は違うけど、ほぼこっちも結果は同じ。付け加えるなら、同属性に付与した場合は回数分だけの数のその属性の色の紋様が浮かび上がるのと、属性に水属性強化(3回)って表記が出てたくらいかな。
ネズミ : 補足説明、ありがとよ! 俺の方もそんな感じで茶色い紋様が3つ浮かび上がってたぜ。
サル : 同属性への付与はその属性の強化にはなるけど、弱点攻撃に通常よりも弱くなるってとこか。
オオカミ : どうやらそのようだな。……とりあえず、現時点での付与魔法の効果をまとめたから確認をしてくれ。
草花3 : ……流石、オオカミの人。仕事が早い。
木3 : んじゃ、ちょっと見てきますかね。
コケ : ま、そうだな。
こうやって報告をしている最中でも、まとめてくれているベスタに感謝だね。さて、どんな感じにまとまっているか、まとめ機能を確認しようっと。えーと、新着編集項目ってとこに『付与魔法の効果について(暫定版)』というのがあるからこれだろうね。
【付与魔法の効果について(暫定版)】
付与魔法は前提として、大きく性質の異なる樹木魔法と草花魔法は該当しないものとして扱う。その他の属性については要検証。
共生進化で共生相手への付与は可能だが、ログインしている操作キャラへの付与は通常の手順では不可。
・味方への付与について
攻勢付与と守勢付与の2種類の選択性となっている。
《攻勢付与》
攻勢付与では各攻撃スキルの特性に合わせた追撃効果が発生し、その効果回数は付与魔法を使用したプレイヤーの同属性の操作系スキルの同時操作数に依存すると思われる。
《守勢付与》
守勢付与では付与されたプレイヤーへの攻撃に対する自動迎撃が発生し、その効果回数は付与魔法を使用したプレイヤーの同属性の操作系スキルの同時操作数に依存すると思われる。
《同属性の魔法の使用時の変化》
後に記載する並列制御での魔法の変化と同様の変化が発生する。攻勢付与や守勢付与の選択に注意が必要。
・同属性への付与魔法による強化と変化について。
単独で発動する場合には並列制御の使用が必須。
他のPTメンバーに付与する場合は使いたい魔法に合わせて攻勢付与と守勢付与を使い分ける必要あり。
Lv1の生成魔法には効果がないので、除外とする。
《Lv2の射出魔法の強化》
通常発動 同属性の操作系スキルの同時操作数の分だけ、同時射出数の追加。
魔法砲撃 同属性の操作系スキルの同時操作数の分だけ、連続射出数の追加。
《Lv3の拘束魔法の強化》
通常発動 拘束魔法の周囲に補修用の球を生成。拘束魔法の破壊と同時に1回限り、修復する。
魔法砲撃 ー 効果未確認 ー
《Lv4の爆発魔法の強化》
通常発動 爆発魔法の弾数を1発追加。
魔法砲撃 ー 効果未確認 ー
《Lv5の防壁魔法の強化》
通常発動 防壁魔法の耐久値の大幅増加。
魔法砲撃 ー 効果未確認 ー
《Lv6の衝撃魔法の強化》
通常発動 衝撃魔法の展開時間の延長。
魔法砲撃 ー 効果未確認 ー
・敵へ付与する場合
共通して、付与の効果回数は付与魔法を使用したプレイヤーの同属性の操作系スキルの同時操作数に依存すると思われる。
発動し当てたスキルの回数分まで効果が持続。
敵の攻撃に追撃効果は発生はしないようだが、付与した属性の威力は上がっている可能性あり。
《無属性への付与》
シンプルに使用した付与魔法の属性を付与する。
見た目としては纏属進化に非常に近い感じとなっている。
《異なる所持属性への付与》
シンプルに使用した付与魔法の属性を付与するが、付与する属性次第で無属性とは違い元々持っている属性との相関関係による弱体化が発生する。
見た目としては纏属進化に非常に近い感じとなっている。
《同属性への付与》
元々所持している属性と同じ属性を付与すると、その属性の強化状態になる。
付与した属性の攻撃や耐性は上昇するが、弱点属性ダメージ量は増加する。
※ただし、これらの情報は水、土、風の3属性での検証結果を元にしているので、全属性での確認はまだ出来ていない。属性による違いがある可能性はあるため、追加の情報提供を求む。
ふむふむ、結構長いまとめになってますがな! ベスタは俺らの報告を見ながらこれをまとめてくれてたんだな。うん、ありがたい話だね。
キツネ : ふむふむ、これを見た感じだと魔法砲撃での検証が遅れてる感じか。よし、足りてないとこはやってくるぜ!
リス : そだねー! 草花4の人、わたし達も検証していくよー!
草花4 : やるのは主に俺だけどなー!?
お、どうやらキツネの人とダイクさんも魔法砲撃での検証をしてくれるようである。……この人数になってくると、もうそんなには検証終了までかからないかな? まぁ既に検証が済んでいる拘束魔法の報告はしておくか。
コケ : 魔法砲撃での拘束魔法については検証済みだから報告しとくぞ。
オオカミ : お、その部分は終わっていたか。
コケ : まぁね。内容としては射出速度が早くなって、拘束範囲も広くなって、拘束から逃れようとしても少しの追尾性能があるって感じだな。
草花3 : ……つまり、拘束性能の全体的な強化?
コケ : あ、うん。まぁそんな感じではあったな。
オオカミ : なるほどな。他の情報が出揃い次第、更新をしておく。
コケ : ほいよっと。
ベスタが大体まとめてくれたので、かなり分かりやすくはなったね。もうちょっとやれば、変化パターンの洗い出しは大体終わりかな?
さてと、他の検証メンバーも増えてはいるけど、最後の仕上げまでやっていきますか。通常発動については内容は多分大体同じだろうから、みんなと相談してからにはなるけど魔法砲撃の検証をやっていこうっと。
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