第466話 共闘イベントの報酬の最終決定
さてと、みんなが共生進化に戻して帰ってきた事だし、待ってる間にベスタから聞いたことを伝えておくか。さっきは常闇の洞窟に行ったけど、今はアルもいるし樹洞の中で話すのがいいかもしれない。あそこなら遮音設定に出来るしね。
「アル、樹洞の中に入れてくれ」
「確かにその方がいいか。『樹洞展開』! ついでに『移動操作制御』『上限発動指示:登録1』!」
みんなも今回の検証の内容は他の群集には聞かせられないのを承知しているので、あえて声には出さずに無言でアルの木の樹洞の中に入っていく。
アルが空中浮遊と水のカーペットを同時発動した事もあり、みんなが乗り終えた後は上空へと飛び上がっていく。ふむふむ、アルだけでこれが出来るようになったのはほんとに良いね。
俺もアルの樹洞の中に入って、みんなが揃ったね。これで他の群集から盗み聞きされる心配はないだろう。さてそれじゃ説明していくか。……っと、その前に灯りでも用意しよう。
<行動値上限を3使用して『発光Lv3』を発動します> 行動値 70/70 → 67/67(上限値使用:3)
灯りは抑えめの発光Lv3で充分だろう。それにしても行動値増加Ⅲが手に入った事で行動値が増えたのはありがたい。まぁスキル統合で行動値増加Ⅱは無くなったけど、どこかでこれも入手方法はあるはず。
というか行動値増加Ⅱのポイント取得もあるとは思うけど、それはまだ解放されてなさそうだよな。うーん、どの段階でポイント取得が出来るようになるかな? まぁそれはすぐでなくてもいいか。今はみんなへの説明が先だしね。
「ケイさん! ベスタさんは何て言ってたー!?」
「あの後どうなったか、気になるかな?」
「アルさん、遮音設定は大丈夫?」
「あぁ、問題ないぞ。さて、ケイ、どうなったのかを教えてくれ」
「まぁまぁ、気持ちは分かるけど慌てるなって。ちゃんと説明するからさ」
そのつもりで樹洞の中に集まってもらったんだけどね。さてと、ベスタから聞いた検証結果を伝えていきますか!
そうしてベスタから聞いた検証結果をみんなに伝えていった。まぁそれほど多い情報でもないし、簡潔にまとめて伝えていければ問題なし! という事で、説明終了!
「……なるほど、とりあえずは今日の目標は達成したって事で良いんだな?」
「まぁそういう事になるな」
「はい! ケイさん!」
「……どうした、ハーレさん?」
「他のPTが見つけた個体は何がどう進化したんですか!?」
「……あー、そういやそれは聞いてないな」
あの後の検証の結果は聞いたものの、具体的に何がどう進化したかまでは聞いてなかったな。かなり特殊な組み合わせでも、順当な組み合わせでも進化はするみたいだし、折角なら聞いておけば良かったかもしれない。
「それについては今度聞けば良いんじゃねぇか? もしくはまとめにあるかもしれんぞ?」
「あ、それもそだねー! 聞いといてなんだけど、自分達で試してみるのも面白そうさー!」
「あー、確かにそれも良いかもな」
「だよねー!?」
カメとラクダの融合種とか奇抜過ぎたしね。大体のフィールドボスへの進化の法則も判明した訳だし、余裕がある時に組み合わせてみたい敵をフィールドボスにするのも良いかもしれない。まぁ狙った通りの組み合わせの成長体が見つかるかが一番の問題ではあるけども……。
「それじゃ、今日の検証はこれで終わりで良いのかな?」
「まぁそうなるな」
「それなら時間はもうすぐ11時だし、今日は解散かな?」
「あ、サヤ、それは少し待った。まだ共闘イベントの報酬を確定してない」
普段より少し早いけど時間的には解散でも良いんだけど、今日はそういう訳にもいかないからな。共闘イベントの報酬の確定と、共同体名決めていかないとね。
「あ、そっか。共闘イベントの報酬を確定しないと駄目なんだっけ」
「……素で忘れてたかな。そっか、明日の定期メンテまでには確定させないと取り逃す事になるんだね」
「それじゃそれぞれに報酬の決定だねー!」
「それもそうだな。それならエンの横に乗り付けるか」
「おう! アル、任せた!」
「おうよ」
まだ未決定の共同体名の決定も大事ではあるけど、それよりも明日の定期メンテまでの間にログインは出来ないから優先順位はこっちが先だな。折角の報酬を取り逃すとか、勿体なさ過ぎるしね。
そしてアルがエンの枝葉付近に寄せて、進化ポイントの譲渡が可能なようにしてくれた。ミズキだけでなくエンの方でも譲渡は可能になってるからありがたい。まぁミズキの場所までは転移ですぐなんだけども。
とりあえず、今はどれだけ譲渡してたかを確認しておこう。これから大々的にポイント稼ぎは無理だから、今の段階で譲渡が出来る範囲で報酬を決めていかないといけないしね。
【共闘イベント『瘴気との邂逅』の報酬一覧】
譲渡ポイント数:939P
交換可能数:5個(使用済み:5)
えーと、今は939ポイントか。それで現時点でのコケの方がイベント期間中の増強進化ポイントは398、融合進化ポイントは422、生存進化ポイントは374。ロブスターの方が増強進化ポイントは514、融合進化ポイントは441、生存進化ポイントは468か。
追加で譲渡出来るのは……えーと、2617ポイントかな? それと残ってる譲渡分を合わせて3566ポイントか。端数を出しても仕方ないから、3500以内が上限だね。
この範囲で考えると……確か特性の付与が出来るのが2000ポイントだったよな。それと空白の称号をもう1個でも交換は可能か。あー、でも進化ポイントはどこで使うかも分からないからそれぞれ300くらいは残しておきたいな。
うーむ、ちょっと暗算でするのが面倒になってきた。電卓が欲しい……。あ、まとめ機能をメモ代わりにして計算していこう。書き込みの決定をしなけりゃメモ代わりには使えるしね。
えーと、ざっとだけど計算終了っと。共闘イベントの前に獲得している進化ポイントもあるし、そっちも含めて考えないとね。開催前で譲渡出来ない進化ポイントはコケが増強進化ポイント155、融合進化ポイント116、生存進化ポイント173、ロブスターが増強進化ポイント14、融合進化ポイント47、生存進化ポイント54ほどある。
全部の進化ポイントを300残すとしたら、今あるポイントで追加譲渡が可能なのは1376ポイントまでか。既に譲渡済みのを合わせたら2315ポイントだね。
あれ、これって2000ポイントの特性付与の水と、300ポイントの転移の実で丁度いいのでは? もう1個の空白の称号は手に入れられないけど、最低1個は交換できるしね。
ふむふむ、ロブスターに斬撃の特性を増やすというのもありだな。……よし、その方向性で行くか。
とりあえず端数になる15ポイントは勿体無いから、コケの方をそれぞれの進化ポイントを305、ロブスターの方をそれぞれ300になるようにポイントを譲渡してっと。よし、これで後は後は報酬アイテムの指定で完了!
<選択された『特性付与の水』『転移の実』を報酬として指定しました。受け渡しはイベント終了後になります>
これで貰う報酬は全て確定。後は明日の受け渡しを待てばいい。さてと、みんなは追加報酬は何にしたんだろう?
「みんなは最終的にどうした? 俺は『スキル強化の種』と『転移の種』と『空白の称号』と『特性付与の水』と、端数のおまけで『転移の実』だな」
「ケイはそうしたのか。まぁ俺も全く同じだがな」
「アルは俺と同じか!? え、アルは何の特性を付与すんの? 俺はロブスターに斬撃を加える気だけど」
「俺はクジラに堅牢を加えるつもりだ」
「あー、なるほど。クジラの防御の強化か」
ふむふむ、元々耐久性の高いクジラの耐久性を更に上げようって目論見か。それはありといえばありだな。そう簡単にアルに攻撃を通すつもりもないけど、大きさ的に一番狙いやすいアルの防御強化は良い選択だろう。
「まぁな。そういうケイは斬撃系の応用スキル狙いか」
「ま、そんなとこ。それと次の強化の狙いは凝縮破壊Ⅰだな」
「おー!? ケイさん、チャージ系狙いなんだー!?」
「一応なー。まぁ使用頻度は魔法の方が高いだろうけど」
基本戦術としては今まで通り魔法と操作でいくつもりだけど、折角の物理特化のロブスターがいるんだ。ここで近接の手札を増やしておくのは決して悪い事ではないはず。
今日の検証で物理に弱い敵とか魔法に弱い敵とかいたんだから、魔法も物理も対応出来る同調化の状況を活かすのもいいだろう。まぁ基本的にはPTでの連携で役割分担にはなるけどね。
「そういうハーレさんはどう選んだ?」
「私は『スキル強化の種』と『転移の種』と『空白の称号』! 後は3種類の『回復アイテムの詰め合わせ』を10個ずつです!」
「あ、食べる気満々か!?」
「えへへ、詰め合わせに何があるのか楽しみです!」
「……これはハーレらしい選択かな?」
「あはは、確かに。……やっぱり予想通りだったね」
「まぁ別に良いんじゃねぇか? まだ知らない食材アイテムがある可能性もあるからな」
確かにアルの意見にも一理あるか。詰め合わせの中にある食材アイテムから何が食材として存在しているかという事も判明はするかもしれないし、単純に回復アイテムとしても重宝するだろうしね。間違いなく食欲優先の選択なんだろうけど、悪い選択肢ではないはずだ。
「ところでヨッシさん、予想通りとか言ってたけどその辺はどういう事……?」
「えっとね、私は調味料に使えるものがないかを期待して『合成アイテムの詰め合わせ』を15個だね。それと雷属性も付与するために『属性付与の水』にしたよ。後はみんなと一緒で『スキル強化の種』と『転移の種』と『転移の実』と『空白の称号』だね」
「あーなるほどね」
「おー!? 流石、ヨッシだー!?」
「ハーレ、詰め合わせはまだ中身が分からないから過度な期待はしないでよ?」
「はーい! あ、アルさん、詰め合わせ系は明日の夕方に先に確認しててもいいですか!?」
「あー、別に問題ないぞ。ハーレさんは何があるのか気になって仕方ないんだよな?」
「うん! それじゃ、夕方に確認しようー!」
「ま、後から何があったか教えてくれな?」
「もちろんさー!」
ハーレさんが詰め合わせの内容をすぐに確認したいみたいだし、アルもいいと言うのであれば問題ないかな。まぁ中身が不明なものだから、ハーレさんの気持ちは分からなくもない。
それはそうとして詰め合わせの内容は不明ではあるから過度な期待は禁物か。塩とかハチミツとか他の食材アイテムと組み合わせて使うものもあるし、多少は期待は出来るかも? まぁ癒水草とか氷結草とかもあるだろうけど、それはそれで使い道はあるか。
そしてヨッシさんには雷属性の追加が確定である。どんどん状態異常に特化していくね、ヨッシさん。かなり有効な手段ではあるから、ありがたい強化だけどね。
さてと、まだ聞いていないのはサヤだけか。サヤはどんなのを選んだんだろう?
「それでサヤは何にしたんだ?」
「私はアルとケイと同じかな」
「お、そうなんだ。って事は、サヤも特性を追加か?」
「うん、そのつもりだよ。豪腕か打撃を追加しようかと思ってるかな」
「まだどっちにするかは決めてないのか」
「ちょっと決めきれなくてね。豪腕で威力の底上げをするか、打撃系の連撃応用スキルを取ろうか、どっちが良いと思うかな?」
あー、なるほど、そういう選択肢で悩んでるんだな。えーと、まとめで特性の確認っと。ふむふむ、豪腕は腕を使う攻撃の威力強化で、打撃はシンプルに打撃系の威力アップと打撃系の応用スキルが取れるようになるのか。……ふむ、確かにどっちも悪くはない選択だね。
サヤの場合なら連撃を外す事も少ないから、使える応用スキルの種類を増やす方が良い気はする。どうしても物理の近接攻撃系の応用スキルには再使用時間が設定されてるもんな。まぁ行動値は有限だから、いつでも便利にといかないけども。
「サヤは打撃を追加で良いんじゃないか? 俺も斬撃を追加するし、打撃と斬撃を使い分けていこうぜ」
「俺もケイの意見に賛成だ。打撃しか効かない敵とか、斬撃しか効かない敵ってのも出てきそうではあるしな」
「あ、確かにそれはそうかな。今日のフィールドボスでも明確に弱点があったりしたもんね。それじゃ私は打撃の特性の追加にしようかな」
「それじゃこれでみんなの交換アイテムは決定さー!」
「あ、ハーレ、ちょっと待って」
「ヨッシ、何ー!?」
ハーレさんが報酬アイテムの話について区切らせて終わりにしようとしていたら、ヨッシさんから待ったがかかった。あれ、何か問題でもあったかな……?
「ハーレだけ『転移の実』を取ってないから、数の調整をして取っておかない? その方がみんなと足並みは揃えられるよ?」
「あ、それもそうだね!? それじゃ詰め合わせは1個ずつ減らして、『転移の実』に変更だー!」
なるほど、確かに全員が『転移の種』と『転移の実』を持っていれば移動は楽にはなるかもね。どっちも一長一短があるし『転移の実』については課金アイテムとして追加されるんだから取っておいても損はないか。
「みんな、『転移の実』の仕様はいったんから聞いた?」
「あぁ、まぁな。課金アイテムとして追加されるんだよな」
「『転移の種』とは登録は別枠とも言ってたかな」
「あー!? そういやそんな事も言ってたね!?」
「忘れてたんだね、ハーレ」
「すっかり忘れてましたー! あの性能なら持っておいて損はないよね!」
「まぁど忘れする事もあるか」
俺もたまにど忘れする事もあるから、ハーレさんのど忘れについてはどうこう言う気はない。まぁ報酬が完全に確定して配布になる前に気付いて良かったってところだね。
さてと、共闘イベントの最終的な報酬についてはこの辺で良いだろう。まだ11時を過ぎたとこだし、少しだけ明日実装の共同体の名称について話し合っておくか。望海砂漠じゃ中途半端な状態にしかなってなかったしね。
「よし、それじゃ話題を変えて共同体の名前を考えていくぞ」
「……そういやそれがあったな」
「うーん、その話題は中々悩むかな……」
「でも決めなきゃいけないもんねー!?」
「……そうだね。とりあえずみんなでじっくり考えてみようね」
俺も含めて、いまいちみんなも共同体の名前を考えるのに苦戦しているからね。出来れば今日中に決めておきたいとこだけど、これは無事に決まるかな……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます