第367話 検証結果の報告会
とりあえず情報共有板で色々と確認と報告をしておこうっと。同調種に関してはガストさんから教えてもらった事ではあるけども、色々な借りを返すという事もあり情報公開には問題はない。他のエリアの情報も確認したいし、俺の進化の報告や浄化魔法絡みも確認しないとね。
今はハーレさんはログアウト中なので、こっちを見に来ているのは俺とアルだけである。サヤとヨッシさんは特訓中。
リス : はー、戦ったー!
リス2 : とりあえず色々分かったねー。情報整理してまとめておくからねー。
草花 : 俺、ボス戦で大活躍!
キノコ : それはあれだけ食べられましたらね……。
あー、食べられまくった草花の人って事はザックさんだな。まぁ確かに大活躍ではあったもんな。毒持ちの人達のあの行動がなければ、もうちょい苦戦していただろう。
<ワールドクエスト《この地で共に》のボスが1体撃破されました> 青の群集 3/5
お、今度は青の群集のボスが倒されたか。今度はどこだろう? 今回は青の群集が早くて順調だね。
ドラゴン : よし、ボスの撃破完了! 青の群集、森林深部は片付いたぜ!
コケ : お、今の討伐はドラゴンの人のとこか。
ドラゴン : おう、そうだぞ! あ、さっきチラッと出てた浄化魔法ってのを使ってみたが、すげぇ威力だな。デメリットで今身動き取れんけど……。これ、どのくらいで動けるようになるんだ?
このドラゴンの人は紅焔さんかな? ふむふむ、俺が使った浄化魔法の火版を試してみたんだろうね。
リス2 : それはさっき検証情報が上がったよ。5分ほどで動けるようになるね。
ドラゴン : 5分だな。まぁ動けるようになるまでここで居るか。
コケ : そういや再現検証は具体的にどうなったんだ?
多分俺らがミズキの森林に移動した後に色々やってたはず。ちらっと確認したけど、まとめにはまだ情報は上がっていなかったしね。
キノコ : 色々と分かりましたよ。浄化魔法になる条件は昇華による生成量増加の効果がある魔法Lv1を浄化の光へ向けて放つ事ですね。
リス2 : 基本的に色が変わるだけで演出としては同属性同士での昇華魔法と同じだよー!
コケ : ほうほう。Lv2以上の魔法だとどうなった?
ヘビ : 浄化の効果がついた魔法に変わるだけだな。纏浄での威力増加がかかってかなり威力が増すけど、昇華魔法というか浄化魔法ほどの威力ではない。
リス2 : ちなみに纏浄デメリットは増えます!
ネズミ : へー、そうなるのか。
木 : 纏浄を使っても魔法には影響がなかったのが気になってはいたけど、そういう仕様なんだな。
ワニ : これって並列制御での単独発動での場合だよな。2人で発動するとどうなるんだ?
リス2 : あ、それも報告しておかないとね。残念ながら2人では発動しません!
ネズミ : そうなのか!?
木 : 意外な結果だな。いや、他のプレイヤーの使う浄化の光は使えないって事か……?
リス2 : 多分そうだと思うよー!
ふむふむ、並列制御と纏浄と動けなくなるデメリットを覚悟した上で、生成量増加の昇華があって初めて浄化魔法は使えるって事か。纏浄の元々の使用制限の事もあるし、あちこちで使い道があるから気軽には使えない内容か。
ボスであるヒノノコのHPを1撃で1割消し飛ばせる威力だとしても、その後にHP1で5分の間は身動き取れなくなるのはデメリットとして厳しいもんな。
ドラゴン : そういやさっき手に入ったんだけど、瘴気石って何?
コケ : ボス戦の再戦アイテム……で、良いんだよな?
ヘビ : あ、そういやコケの人が1個使ったんだった!? ゴチになりました!
コケ : それは別に良いって。あれって他に入手方法あったりは……?
PTのみんなが持ってるし別にいいかとも思ったけど、再入手方法の事を今の今まで考えてなかった。まぁ、ボス戦の回数カウントは増えてるから言うほど無駄になった訳じゃないけどね。
クワガタ : 初回のボス戦で参加者全員に1個確定で、それ以降は低確率で落とすみたいだぞ。
リス : さーて、瘴気石の効果が他のボスにも効果があるか試して来ようっと!
リス2 : あ、お願いね!
オオカミ : ならば我らオオカミ組も手伝おう。
リス : お、言ったね? とりあえず、ハイルング高原に行ってみよー! 途中の氷狼と、前編ボスの再出現が可能か試しに行くよー!
オオカミ : 了解した!
コケ : 検証、よろしく!
ドラゴン : なるほど、瘴気石は対象はまだ把握しきれてないけどボスとの再戦が可能なアイテムなんだな。
リス2 : そういう事になるねー。
恐らくはレナさんとオオカミ組の誰か……多分蒼弦さんかな? そのメンバーで他のボスにも瘴気石の対象を探りに行くんだな。まぁ夜の赤の群集のエリアまでは時間もあるし、それまでやっていく感じなんだろう。
オオカミ2 : よし、まとめ作業は終わったぞ。少し前から不確定情報の上がっていた同調種に関する情報が手に入ったから確認しておいてくれ。
キノコ : おぉ! それは興味深いですね。
コケ : 色々あったけど、俺が同調種に進化したぞー!
キノコ : なるほど、コケの人が情報源なのですね。
まぁ厳密にはガストさんに教えてもらったから違うといえば違うんだけど、あの借りとそのお返しについては元々の案件が大々的に公表は出来ないのでそういう事にしておくしかないか。
コケ2 : 気にはなってたけど、躊躇ってる人が多かったからなー。支配進化する前に分かってラッキー!
お、珍しい。ここで俺以外のコケの人を見るのは他のベスタが2ndでコケを作った時以来じゃないか? いや、遭遇すれば2ndでは自由に選べるんだし居ること自体はそれほどおかしくもないはずだけど……。
とはいえ、同じ群集に他のコケの人がいるのは新鮮な気分だね。そういや新規の人にもコケはいたもんな。まだ見ぬコケの人は意外といるのかもしれない。
木 : 珍しいな、本家コケの人以外のコケの人がいるってのも。
コケ2 : あ、そっか。ビックリ情報箱のPTの人達は知らないっけ。
コケ : え、どういう事?
そういう言い方って事はもしかして知ってる誰かの2ndなのか? ふむ、その可能性は充分ありそう。
ヘビ : このコケ2の人は多分あの人だよ。プロメテウス。
草花 : いやいや、そこは聖火の人だろ!
コケ2 : 俺の名前はカインだよ!?
コケ : あ、なるほどね。
うん、思いっきり知ってる人だった。サルの人こと、カインさんの2ndがコケなのか。それから少しの間、ベスタがまとめた情報を見ているのか書き込みが減っているね。俺もまとめを見ておこうかな。
ふむふむ、まとめの新着にベスタの同調種への進化やそのメリットとデメリットのまとめと、ラックさんを筆頭にした灰のサファリ同盟の魔法砲撃の特徴や浄化属性付きの魔法や浄化魔法についてもきちんとまとめられていてわかりやすい。
あ、魔法砲撃については知らない情報も上がってる。えーと、魔法砲撃の効果がかかっている魔法は2人での昇華魔法や複合魔法の発動は不可になるのか。これは指向性を持たせる代わりのデメリット要素かな。
ドラゴン : へぇ、支配進化の先の強化ってこうなってんのか。それにしても魔法砲撃って意外と使い道あるのな。俺が情報をまとめた時にはブレスの再現にしか使ってなかったけど、使い方次第で化けるのか。
タカ : だからもう少し色々試してみようって言ったのに、ブレスの再現が出来ればそれで満足とかいうから……。
ドラゴン : いやー、口から火を吐く事しか考えてなかったからな。でも並列制御で指向性のある昇華魔法になるってのはいいな。
キノコ : どこにどういう応用方法が眠っているか分からないと言うことですね。ところで、コケの人にお聞きしたいのですが『遠隔同調』の使用感はどんなものですか?
草花2 : あ、それは俺も聞きたい。同調種への進化は出てるけど、実際どんなもん? あと、まだ未成体Lv5なんだけど、進化しても大丈夫?
コケ : えーと、まずは『遠隔同調』についてな。正直なところ、扱いは相当難しいぞ。メイン操作のキャラはそれまでの支配進化通りの視点になるけど、分離した時点で左下にサブ操作の方の視点が表示される。
草花2 : つまり、2つの視点が表示範囲が違うけど同時に表示されるの……? え、管理情報が無茶苦茶増えるんじゃ……?
コケ : うん、思いっきり増える。だから両方同時に動かすのは得策じゃない。使うなら片方は隠れて相手の動きを制限したり不意打ち狙いが良さそう。
慣れればもしかしたら同時に万全で操作出来るかもしれないけど、いきなりは無理だろうしね。俺もちょっと練習して出来ないか試してみるつもりではあるけど、流石にすぐに扱いきれる気はしないんだよな。
ただ、多方向からの同時攻撃は魔法砲撃と組み合わせて照準の補正を使えばかなり有効だとは思うから、全く無意味って事はないはず。
コケ2 : なるほど、操作は難しいが使い方次第で恐ろしいものになりそうだな。……しかし、成長体の強制進化のLvによって同調種への進化タイミングが変わるとは。
コケ : うん、そこは予想外だった。まぁ進化後のLvでスキルの登録数も変化するから、あんまり低いと大変かも。
キノコ : そういう心配もあるのですね。
強制進化を成長体Lv20で行っていれば未成体Lv5で同調種には出来るっぽいけど、これだとスキルの登録数15個だもんな。俺だと絶対に足りないから、そういう面ではLv10で解禁で良かったのかもね。
そして何よりも複合解除薬を買わなくて良かったー! あれはあくまでも思ったのと違った進化になった場合の救済策なんだろうね。
<ワールドクエスト《この地で共に》のボスが1体撃破されました> 赤の群集 2/5
お、今度は赤の群集のボス戦が1ヶ所終わったみたいだね。これで15ヶ所ある内の7ヶ所が討伐済みか。うん、順調なんじゃないだろうか。今が17時前くらいなので、うまく行けば今日中に終わらせる事も可能かもしれない。
オオカミ2 : ボス討伐は順調のようだな。
リス2 : そうだろねー。攻略方法は浄化魔法絡みの検証をしてた時に赤の群集や青の群集にも伝えたからさー。再戦出来るなら、初回はさっさと終わらせた方がよさそうだもん。
木 : 確かにそうなるか。イベントの期限は決まっているし、ボスを全て倒してもまだ何かありそうだしな。
ドラゴン : 多分、ストーリー的には【惑星浄化機構】の進化はするけど、ポイントの譲渡は可能とかじゃね? 報酬アイテムを貰うためのボス戦の回数と進化ポイント稼ぎのロスタイム的な?
コケ2 : あ、確かにそれはありえそうだな。
ヘビ : ボス戦が終わった時点で報酬公開で、そこから足らずのポイント稼ぎ?
木 : 確かに可能性としてはありそうだな。
確かに現時点では報酬不明だもんな。複数の報酬から選べそうな感じだし、ボス戦の終わった時点で報酬が開示されて残ったイベント期間で目的の物を狙うというのもありそうだ。……そうなると、早めにボスを片付けた方が良いのか。
クジラ : 赤の群集の海のボス討伐完了ー!
マグロ : お、みんな結構集まってんじゃん。あー、ボス戦の後の事についてか。
カツオ : どんな報酬があるんだろうな?
オオカミ2 : 海エリアもボス戦はお疲れだな。海は後は灰の群集のだけか?
カツオ : おう、そうだぜ。灰の群集のは纏浄や纏瘴の使用制限が解除になってから夜に討伐予定だ。
オオカミ2 : まぁそうなるか。……この様子なら今日中に片付くか?
コケ : いけるんじゃね?
リス2 : そだね! 目指せ、今日中に全ボス討伐ー!
ドラゴン : おうよ、やってやろうじゃねぇか!
ヘビ : 頑張るぜ!
草花 : ふっふっふ、頑張るぜ!
みんなやる気満々だね。まぁ気持ちはよく分かるし、俺も時間さえ大丈夫なら全力で戦うつもりではある。まぁ途中参戦になる可能性もあるけど、ボス戦そのものには参加したいんだよね。
あ、それはそうと浄化魔法については分かったけど瘴気魔法……で名前は良いのかな? そっちの方はどうなってるんだろうか?
コケ : ふと思ったんだけど、ちょっと質問。
リス2 : コケの人、何ー!? 分かる範囲なら教えるよー!
草花 : おうともさ! どんな内容だ?
コケ : それじゃ遠慮なく。瘴気収束を使った瘴気魔法とかって実験情報は上がってる?
リス2 : あー、それね。うん、ごめん。それはまだ中途半端で未検証なんだ。
キノコ : 纏瘴を発動中の方に昇華持ちの方がいなかったんですよね。
ハチ : ……そう、だから瘴気属性を付与した魔法の発動しか検証は出来てない。
コケ : あ、急だったから検証の条件が微妙だったのか。
増えてきているとはいえ、昇華持ちの人はまだ多いとは言えないもんな。ヒノノコ戦に集まっていた赤の群集のメンバーでは昇華持ちのプレイヤーは少なかったのか。もしくは昇華持ちの人は纏瘴を使えない状態だったとかそんな感じなんだろう。
下準備は全然出来ていない状態だったから、これに関しては仕方ないね。夜の赤の群集の森林に行く時には、俺らは纏瘴は使えるから余裕があれば試してみれば良いかな。
リス2 : あ、ちなみに、瘴気属性が付与された魔法を使うと瘴気汚染の状態異常になるから要注意! 瘴気魔法が使えるとしたら、浄化魔法と同等のデメリットがあると思うよ。
オオカミ2 : ある意味当然の内容だな。そういや荒野と草原の方はどうなっている?
サボテン : 現在ボス戦中! 終わり次第、報告は上げる!
ヘビ2 : 余裕がないのでまた後で!
ライオン : こちらもだ。さっさと片付けるぞ、ヒョウの!
ヒョウ : おうよ、ライオンの!
どうやら草原も荒野も現在進行形でボス戦のようである。……聞いて即答って事は戦いながらでもチャットは開いてるんだな。
さて、戦っているのは灰の群集のエリアなのか、隣接している群集のエリアなのかは分からないけども順調にボス戦が進んでいるのは間違いないね。
「ただいまー!」
「あ、ハーレ、お帰りかな」
「ハーレ、おかえり」
そしてどうやらハーレさんも戻ってきたみたいだし、大体知りたい事は把握出来た。そろそろ切り上げて、晩飯がどうなったのかをハーレさんに聞いてこないとな。
という事で今回の情報収集は終了! その旨を伝えてから、情報共有板を離脱である!
「ハーレさん、どうだった?」
「6時半には食べれる様にしてくれるって! ただし、下準備を手伝うのが条件です!」
「……つまり、俺だけ手伝う訳か」
「……私も手伝いたいけど、手伝わない事が一番の手伝いだと言われました……」
「ドンマイ、ハーレさん」
まぁハーレさんが作るのを手伝うと間違いなく時間が余分にかかるので、これは仕方ない措置だな。よし、そういう事なら6時にログアウトすれば何とかなるか。
「それじゃ今日はみんな6時でログアウトだな」
「そうだな、俺もそれに合わせるわ」
「悪いな、アル」
「良いってことよ。どうせ1人暮らしだし、融通は効くからな」
「うーん、それなら今から赤の群集の森林まで移動しとくのはどうかな?」
「それが良いかもね。それならすぐに動けるし」
「そうだな、そうするか」
「お、それなら俺も戻るから一緒に行っても良いか?」
「フラムか、まぁ別にいいぞ」
「よし、んじゃ出発するか!」
ベスタやルアー達はもう少しまとめ作業を続けていくという事で一旦別行動となった。さて夜のボス戦に向けて、赤の群集の森林へ向けて出発だ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます