第233話 木の共生進化時の仕様検証
Lv上げに行こうと思ったけど、そういえばサヤがタツノオトシゴでリスポーンという事で気になった事があった。まぁ今更感が強いんだけど……。
「そういやさ、今のアルってログアウトしたらどうなってんの?」
「あ、そういえばどうなのかな?」
「そういえばそうだね!? 共生進化中って木の扱いはどうなるんだろ!?」
そもそも、昨夜はアルが俺らがログアウトした後もやっていたからどこでログアウトしたかも不明である。……あれ、マジでどうなってんの? 考えだしたら凄い気になってきた。アルがログインしてから試してみれば良いだけの話ではあるんだけど、なんだかモヤモヤしそうなのでここはやっぱりはっきりさせておくか。
「よし、ちょっとだけ情報共有板で聞いてみるか」
「そだねー! そうしよう!」
「たまには私も覗いてみようかな?」
「お、サヤがそういうのも珍しいな」
「たまにはね」
反対意見もなかったから、サヤもハーレさんも俺と同じように気になってしまったらしいね。サヤとか普段はあまり情報共有板は見ないのに、一緒に見るって言ってるくらいである。という事でみんなで情報共有板に行ってみよう!
イノシシ : やっぱり共闘イベントは瘴気関連で来たか。
草花 : ちょっと残滓を確認してきたよ! 大雑把にだけど残滓のうち半分くらいは異常個体になってそう。
ヘビ : こっちもそんな感じ。こりゃいい経験値になりそうだ。
オオカミ : 思った以上の増加量だな。これは雑魚敵の復活は黒の暴走種じゃなくて、残滓の強化って形になりそうか。
イノシシ : みたいだな。でも、名前は『黒の暴走種の残滓(?)』のままか。
クジラ : もしかして共闘イベントがワールドクエストで、残滓の異常個体の名称がつくとか?
オオカミ : その可能性はあるな。……もしかしたらそっちでの発見、討伐報酬もあるかもしれん。
草花 : もしそうだったら称号取得がしやすくなっていいねー! まぁ実際始まってみないとわからないけどね。
オオカミ : まぁこのクエストは終了条件が共闘イベントの開始だから、これ自体には大きな意味もなさそうだが。
クジラ : でも世界観設定は重要だったよね。オフライン版ってその辺は適当だったもん。
草花 : 確かにねー!
お、ちょうどさっきのクエストの話題の真っ最中か。そうか、残滓が瘴気で強化されるのならそっちが復活対象っていう可能性もあるんだね。少し話題も途切れたみたいだし、聞いても大丈夫かな?
コケ : ちょっと確認したい事あるんだけど、良い?
オオカミ : コケの人か。どうした?
サル : 何でも聞いてくれ! 分かる範囲なら答えるぜ!
コケ : んじゃ遠慮なく。
リス : 木が共生進化した場合のログアウト時の扱いはどうなるの!?
コケ : こらー、割り込むな!?
オオカミ : あー、俺はその辺は知らねぇな。知ってるやついるか?
ハーレさんめ、思いっきり人の台詞を奪ってきたな。あ、サヤに怒られてる。うん、自業自得だし、ちょっと怒られてなさい。このオオカミの人は多分ベスタだよな。ベスタが知らないというのは珍しい気もするけど、内容的にソロで動くベスタにはあんまり縁のない話だし仕方ないのか。
クジラ : コケの人、PTの木の人に聞くのが早いんじゃ?
コケ : ここで分からなければそうするつもり。
草花 : えーと、ログアウト時には木のリスポーン位置に自動設置されてるって聞いたような気もする……? ごめん、ちょっと自信ない。
イノシシ : 普通に知ってる奴は結構いそうなのに、意外と盲点?
ドラゴン : 何か気になる話してるな? 誰か木と何かを共生進化してるやついないか?
サル : 分からないなら試してみれば良いだけだ!
木 : お、何? 木の出番?
イノシシ : お、木の人が来た! 検証可能だったりしない?
木 : あー、一応可能といえば可能かな。共生進化を使う予定はなかったけど、2枠目も別でライオンを育ててたし。
ドラゴン : 試してみて貰うことは可能か?
木 : 別に問題ないぜ。今、ミヤ・マサの森林にいるから誰か検証に付き合ってくれよ。
草花 : お、新獲得のエリアだねー! 占拠エリアは広がって便利だよね!
オオカミ : まぁ占拠エリアは特訓に向いているからな。
ドラゴン : ……オオカミ組は占拠エリアでも結構見かけるけど、オオカミの人は見た事ない気もするんだが?
オオカミ : 俺は必要な時は常闇の洞窟の中でやっている。
イノシシ : 見ないと思ったら、そんなとこでやってたのか。
オオカミ : ……あそこだと奴らがな? 最近になって多少勧誘は減ったが、無言で熱心に見られるのがな……。
ドラゴン : あー、なるほど。なんとなく分かった。
このオオカミの人は間違いなくベスタで確定だな。奴らってのはオオカミ組だろうね。悪意はないし慕われてるだけなんだろうけど、それで注目されるとやりにくいか。勧誘は減っても、心の内までは隠しきれていないって事なんだろうね。
木 : えーと、話が逸れてない?
草花 : あ、そうだった! 誰かいない?
サル : よし、俺が行く!
イノシシ : あ、それならついでにミヤ・マサの森林にも火起こし頼んでいい?
サル : 別に良いけど、当たり前のようにサルの人=火になってない?
イノシシ : そういやそうだった。サルの人も1人じゃないもんな。
サル2 : 時々間違われるんだよな、俺。……普通に火の着け方、見に行ってもいい?
サル : やっぱりそういう事があったか!? うん、別にやり方教えるのはいいぞ。
サル2 : サンキュー! これで間違えられても大丈夫だ!
オオカミ : ……良いのか、それで?
サル2 : 俺は問題なし!
リス : 火種を作れる人が増えていくねー!
草花 : 焼いてアイテム加工するには魔法産の火じゃなくて、天然産の火じゃないとダメみたいだから助かってるよ。
木 : 早速検証するから、興味ある人は集まってもらっていい?
サル : おう、すぐ行く。
サル2 : 俺もー!
イノシシ : 少し肉を調達してから行くか。
とりあえず検証してくれる事になったようである。多分知ってる人もいるんだろうけど、生憎今は居合わせてないようだし、その辺は仕方ないか。
コケ : なんかすまんね、検証してもらって。
木 : いや別にいいって。いつも情報にはお世話になってるしな。検証して来るから、ちょっとだけ待っててくれよ。
コケ : おう、分かった。
内容的には検証できる人さえいればそれ程時間はかからないだろう。検証が終わるまでちょっと雑談でもしていこうかな。
オオカミ : 検証を待ってる間の時間つぶしに昨日の戦闘の情報整理でもやるか。当事者もいる訳だしな。
コケ : 昨日の戦闘の情報整理ってどれの事?
ドラゴン : 色々やったもんな……。
リス : 色々と凄かったもんね!
イノシシ : あー、その戦闘見てみたかった。
クジラ : 俺もー!
マグロ : いや、お前、それは無理だろ。別の作戦チームの要の1人だったんだからな。
クジラ : まぁそれはそうなんだけどさー。
草花 : 防衛班は中継で見たけど、あれはあれで凄かったよ!
ドラゴン : おーい、また話が逸れてるぞ。
草花 : はっ!? それじゃ光の操作と炎の操作は聞いたから、最後の爆発ってのが聞きたい!
オオカミ : そう、それだ。発動したのは水魔法Lv1と火魔法Lv1だったよな? あれは具体的に何が起きた?
ドラゴン : あーあれは、昇華魔法『スチームエクスプロージョン』だとよ。
イノシシ : 昇華……魔法……? 複合魔法とは別物か?
コケ : 他のパターンは試せてないけど、『〜に昇華させたモノ』の称号で『生成量増加Ⅰ・◯』の効果のかかったLv1の魔法同士で発動だと思う。
ドラゴン : ちなみに使用者2人の全魔力値の消費が使用コストだ。多分消費量で威力変わるんじゃねぇかな?
オオカミ : なるほどな。条件的に簡単に再現ともいかないか。
ヘビ : コケの人以外にも水の昇華の持ってた人いたよな? 水魔法同士を重ねたらどうなんの?
草花 : あ、それは気になるね! だけど残念、まだログインしてない!
クジラ : ありゃ、そりゃ残念。
確かに気になるといえば気になるけども、まだログインしていないのなら仕方ないのかな。……どこかで『生成量増加Ⅰ・水』を持つ草花の人と時間を合わせて検証をしといたほうが良いかもしれないね。昇華魔法は凶悪な威力だったし、可能な限り情報を集めておくべきだろう。
木 : 検証終わったぞー!
クジラ : ライオンと木の共生進化ってどうだった!?
木 : そっちかい!? いや、気持ちは分かるけども!?
サル : 結構予想外な姿になったね。
サル2 : いやー、あれはびっくりした。
オオカミ : ほう? どんな感じだ?
木 : 木が大きく形が変わって、木製の鎧みたいになった。背中部分が葉っぱで覆われて、脚が根で補強された感じ。
リス : 予想以上の大変化だー!?
木 : この結果は予想外だったよ。だけど、大型動物系と木の組み合わせは有りかもしれん。あ、ちなみに木側から離れるように位置変更させたら、例の移動種を引っ張る移動方法に似たような感じになった。
ふむふむ、共生進化といっても組み合わせ的にはそういう事にもなるのか。シンプルに背中にあるだけのクジラのほうがもしかしたら珍しいパターン……? そして位置を変えればコケ式滑水移動に似た感じにもなると。これは結構良い情報だね。
リス : 肝心のログアウトの仕様はー!?
木 : 草花の人の言ってた通りだな。まず検証用にすぐ近くにリスポーン位置を設定してから、共生進化状態でログアウトした。そしたらログアウトした直後に俺の設置したリスポーン位置に破壊不能オブジェクトとして、木が成長したとさ。
サル : 俺がこの目でしかと確認してきたぜ! 共生進化状態でその場に残るってことは無い。
コケ : なるほど、共生進化してもその辺の仕様は変わらないって認識で良いんだな。
木 : 多分それで良いと思うぞ。
なるほどね。それなら俺らがアルにリスポーン位置設定しているキャラは、アルがログイン中ならクジラの背の木からリスポーンして、ログアウト中ならアルのリスポーン位置でリスポーンになるって訳か。……今のアルのリスポーン位置が分からなくなってるから、今日アルがログインしたら聞いておこう。
オオカミ : そうだ、丁度いい。明日の情報まとめの機能についてだが、そろそろ未成体への進化情報を解禁するぞ。
リス : おー!? 遂に来たね!
イノシシ : やっとか。
草花 : そうだねー! 未成体への進化の注意書きを忘れないようにしないとね!
オオカミ : 俺の方で分かってる内容を編集していく。その手の編集が可能な奴は手伝ってくれ。
リス : あちゃー!? 私、そういうの苦手!?
コケ : 俺もあんま得意じゃないな……。
やれと言われれば覚えられない事もないだろうけど、決して得意な分野じゃないんだよな。出来れば他の扱いの上手い人にやってもらいたいところである。
オオカミ : 無理にやれとは言わねぇよ。情報さえ提供してもらえれば、得意な連中で編集するから気にすんな。
コケ : そう言ってもらえると助かる。
ヘビ : でも、コケの人って提供する情報量も多いし、大雑把で良いからコケの人用の報告専用スペース用意しといた方が良いんじゃ?
草花 : あ、確かにそれいいね!
ドラゴン : 確かにあった方がいいかもな。
クジラ : それは良いかもね!
マグロ : クジラ用にもいるんじゃね?
クジラ : え、俺もなの!?
オオカミ : よし、仕様を確認した後で出来そうなら作っとくか。コケの人のは用意出来るなら必須だな。
コケ : ……俺のは必須なんだ。
リス : 必須だろうね!
何か新しい情報を見つけたら、俺用スペースに書き込んでいけと……? あ、でもメモ代わりにもなるし、結局ここで報告もするし、報告忘れも少なくなる可能性もあるからありといえばありか。情報の提供自体には何も問題ないしね。
草花 : あ、そうだ! コケの人、1つ検証を頼んでもいい?
コケ : 内容によるけど、可能な範囲なら別にいいぞ。
草花 : ありがと! それじゃ夜の日に光の操作がどの程度使えるかの検証をお願い!
コケ : あ、確かにそれは重要だな。後で試しておくよ。
それは確かに試しておかないといけないな。まぁ光の操作そのもののLvも上げないといけないし、熟練度を稼ぐなら夜の日が日の光を収束し過ぎなくて安全かな? ……どの程度の光源が必要かによるな。
とりあえず色々試すのはサヤの進化をしてからだな。一旦これで情報収集は終了!
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