第63話 皆の検証の成果
やっぱり新たな群集クエストの情報はかなり重要なものだから食い付く人は多いな。当たり前といえば当たり前か。
コケ : って事で、不動種に進化しても良いって人、いたりしない?
木2 : そりゃ面白そうだけど、動けないってデメリットはキツイぜ?
木5 : ぎゃー!? 黒の暴走種のトラに襲われた!? っていうか爪研ぐな!? ……このタイミング、俺に不動種になれという暗示か!
サル : 不動種なら掲示板の方で情報あったぞ。どうも拠点になるような性能になってるらしい。あとフレンドの分身体とやらの操作も出来るらしい。詳しくは一回ログアウトして掲示板見てきた方が早い。
木5 : え、マジで? 結構色んな人とフレになったし、不動種良いかも!
サル : ちなみに『各種種族スレ その6』な。青の群集の不動種の人が質疑応答してた。
木2 : ちょっと見てくる!
木5 : 俺も見てくる!
何人かの木の人達が掲示板に向かったらしい。色々と気になる木の進化先の情報だ。手探りでやるのも良いけど、こういうクエスト条件になっている特殊な進化先なのであれば情報は欲しいもんな。それにしても不動種は拠点になるのか。アルに対してもそんな印象があったけど、移動種よりも強力になってるのだろうか?
サル : ごっそりと居なくなったな。
木6 : そりゃまぁ気になるだろうしね? 進化済みじゃなかったら俺も見に行ってたかも。
リス : そうだろうねー! 木は選択肢自体が多いみたいだし!
オオカミ : それにしても不動種は拠点になるのか。もしかすると、拠点の作成ってのは群集の初期エリア用の拠点になる不動種の特殊育成クエストか?
リス : あ、それはあるかもね! 黒の暴走種の時のワールドクエストも報告が上がってからクエストが始まるって感じだったし。
トカゲ : 群集クエストもワールドクエストも知らされていないだけで前兆はあったもんな。でもなんでボスの討伐も条件?
ライオン : 黒の暴走種はワールドクエストの説明を聞く限りでは暴走したNPCなのだろう。そして一度討伐されれば解放される。つまり、もう一度別のモンスターになるという事もあり得るのではないか?
オオカミ : その線はありそうだな。ともかく、不動種に進化とボスの討伐が必須か。
海藻1 : そのボスって特殊地形のボスなんだよね? どのエリアの奴でもいいのかな?
コケ : どこのでもクエスト発生には1体だけで良いっぽいぞ。
リス : なんで特殊地形のボスかはクエストが始まれば分かるとも言ってたねー!
草花 : そっか。とりあえずやってみないことにはなんとも言えなさそうだね。
なんかオオカミの人、っていうか多分ベスタが進行役になってるな。まぁベスタはプレイヤースキルも高そうだし、情報共有や分析にも積極的だしな。こうやってまとめてくれる人の存在はありがたいもんだ。
さてと、ボスの討伐の話も出始めたしここらでちょっと頼み事といきますか。
コケ : それとちょーっとお願いがあるんだけど、いい?
サル : 内容によるな。
草花 : どんなお願いなの?
コケ : 森林深部エリアの特殊地形のボスっぽいツチノコの討伐、俺達のPTにやらせてくれない?
リス : 一回負けてるからリベンジ戦やりたいんだよー!
サル : あーあれか。進化が増えてきたから、姿を確認出来たやつもちらほら出てきてるけど、勝てる目処が立ってるPTはまだ出てないしな。確かにリベンジしたくなる気持ちはわかるぜ、リスの人!
草花 : そもそもコケの人が誘発したっていう火を吐く攻撃すら大半の人が誘発出来てないもんね。
イノシシ : なんだ? なんか面白そうな事になってるな。
トカゲ : あれはキッツいわ。水魔法でも持ってないと……って、あー!?
サル : どうしたよ、トカゲの人?
トカゲ : 魔法の取得って、操作系スキルと『魔力制御Ⅰ』だよな?
オオカミ : それは確定情報としてさっきまで話していただろう。コケの人の称号による操作系の取得条件の開示で……。なるほど、そういう事か。
草花 : え、あれ、どしたの?
リス : あ、今日はしばらくここ見てなかったけど、もう魔法の情報出回ってるのかな?
トカゲ : ちょっと前にだけどな。まだ『魔力制御Ⅰ』が取れてない人が多いけど。
リス : 必要なポイント多いしねー。私も魔法早く使いたいなー!
イノシシ : 植物系の人が土の操作を取ったってのが多かったよな。火の操作とか風の操作とかどうやって称号で取るのやら……。
草花 : まぁ根の操作で土を固めて、黒の暴走種を撲殺すれば良いだけだからねぇ。討伐称号さえ持ってなければ、未討伐の黒の暴走種を見つけられるかだけの問題だし。
木6 : あの情報にはお世話になった。誘引系スキル持ってたら、もっと楽勝。意外と昆虫系は未討伐が多い。その分、失敗したらとんでもない量が集まって悲惨な事になるけどな!
イノシシ : あー虫に集られて死んだ木ってのはあんたか。あれ、後始末に討伐隊組む必要まであって色々と大変だったらしいな。
木6 : あの際は申し訳なかったです、はい。虫は集めすぎ注意!
リス : その方法、私のとこの木の人が却下した方法だ! 実行した人いたんだ!
どうやらツチノコの相手は相当苦戦しているらしい。もしかして、追いかけて来る事や火を使うって事は下手すれば他のエリア妨害ボスよりも強いのかもしれないな。いや、それでもあいつは絶対に倒すけど。それにしてもトカゲの人、どうしたんだろうか?
そして土の操作が割と簡単に取得出来る方法が判明していたようだ。これは後でアルに教えておいてやろう。でも俺が土の操作を取得するのはキツそうだな。……これは投擲持ちのサヤとハーレさんもいけるか? あ、でもみんな幼生体の討伐称号は既に持ってるのか。うーむ、そう簡単にはいかないか。
トカゲ : なぁ、コケの人。なんかランダムリスポーンしまくってたみたいだけど進化済みなんだよな?
コケ : おう、そうだぞ。あ、そうだ、そっちにも新情報があるんだよ。新情報って言うよりはオフライン版であった要素のオンライン版での条件の確定情報かな?
オオカミ : どういう事だ? ランダムリスポーンで進化……まさか、適応進化か! オンライン版にもあの特殊進化はあったのか。そうか、それでランダムリスポーン……。
コケ : お、オオカミの人、大正解! 成長体で適応進化の条件は環境不適合が原因の死亡が50回だな。
オオカミ : ちょっと待て、成長体でと言ったな? コケの人、もしかして既に2回目の進化か?
コケ : お、当たり。適応進化はオフライン版と同じで進化階位は上がらないね。あとちょいとステータスは上がるっぽい。
トカゲ : どっかの魚の人辺りがやるかと思ってたけど、まさかのコケが初情報……。
川魚 : オンライン版が初めてでさっき始めたばっかりなんだけど、適応進化って何?
草花 : お、完全な新規さんか! オフライン版であった特殊進化だよ。多分、川魚ならやりやすいだろうから試してみる? やり方教えるよ?
リス : おー完全新規さんだ! 分からないことあったらどんどん聞いてね!
川魚 : 本当か? その進化のメリットってどんなのがあるんだ?
コケ : 赤の群集の森林エリアで川魚の適応進化したっぽい人には会ったぞ。河原をヒレで歩いてたよ。ちなみに群集クエストの情報はその人からのものな。
川魚 : ヒレで歩くとかあるの!? 何それ、やってみたい!
草花 : 適応進化は環境に合わせて進化するからね。レベルは関係ないし、そういや消費ポイントは?
コケ : あ、言うの忘れてた。成長体では消費ポイントなしだったぞ。他の進化階位はわからんけど。
草花 : それならすぐにでも実行出来るかな。それではまずは陸地に身投げします。
川魚 : えっ? 身投げ……?
草花 : そして環境不適合って理由で死にます。
川魚 : えぇ!? 死ぬの?
サル : あーこのゲーム、進化絡みは死ぬのが前提みたいなとこがあるから気にすんな。
草花 : 確かに始めたばかりはびっくりするよね。死んだらランダム位置で復活するから、適応進化が発生するまで死亡&復活の繰り返しだー!
川魚 : えー色々と衝撃的!? よし、歩く魚ってちょっとやってみたいから、慣れの為だと思ってやってみよう!
コケ : おー頑張れ、川魚の人! 多分、幼生体なら50回よりは回数少ないと思うぞ!
川魚 : コケの人、ありがとう! とにかくやってみる!
オンライン版が初めてって人もいるのか。まぁ当たり前といえば当たり前か。多分川魚が一番自力で適応進化の発生をさせやすいんじゃないかな。陸地に身投げするだけでいいし。陸を歩ける魚なら移動範囲も広がるし、進化しといて損でもないだろう。
トカゲ : よし、話は一段落ついたな。聞きたい本題に移れる。
コケ : あ、そういやトカゲの人、なんか聞こうとしてたな。何が聞きたいんだ?
トカゲ : コケの人、水の操作を持ってたよな。『魔力制御Ⅰ』は取ったか? 魔法取得に必要なんだが。まぁさっきのリスの人の発言的に持ってそうな気はするが……。
コケ : ご明察。もう持ってるぞ。てか、魔法情報はもう広まってるんだな。
オオカミ : 操作系スキルの称号からの取得方法のお陰でな。操作系スキル持ちが増えてんだよ。というか当たり前のように自力取得してるんだな。まぁ称号分だけポイントの余裕もあるってのはあるだろうが。
コケ : まぁそれでもポイントも結構ギリギリだったけどな。
トカゲ : そっちの方が話は早い。つまり水魔法は持ってる訳だ。
コケ : おう。その通りだぞ。
オオカミ : 現時点で森林深部で数少ない水魔法持ち、そしてツチノコとの戦闘経験者、なにより倒す意欲がある……か。
リス : あれ? 水魔法持ちの人って少ないの?
コケ : あーなんとなく理由わかった。
木6 : 木の水分吸収とはコケの人の水分吸収って性質が違うんだろ? 植物系にはどうにも水をアイテム化して持てるやつがいなくてな。
コケ : やっぱりそこの仕様の違いか。アイテム化する手段はないのか?
木6 : 一応木の方でも成長体になってから、それが出来るようになりそうな『水分貯蔵』ってスキルが取得一覧にあるんだが、地味にポイント数が高くてな……。
サル : 動物系も無理なんだよ。大量の水を運べる器がない。他のエリアだと川に黒の暴走種を沈めて溺れさせるって手段があるらしいんだがな。
コケ : 確かにそれは森林深部エリアじゃ無理な方法だな。
根本的に水深が足りない以上、溺れさせるのは不可能だ。っていうか他のエリアならそういう手段も有りなのか。岩を転がすのがありなんだからありか。うん、俺のほうが無茶苦茶してるわ。
赤の群集の森林エリアが隣接してるのはこの為か。あそこならサルの人が言った手段で水の操作が取得出来るだろう。でも気になる点が一つ。
コケ : でもそれって一回限りなんじゃ?
サル : そうだよ。幼生体を一度も倒したことが無い奴に限定される。
リス : あ、そっか。一回目だけだもんね。討伐称号が貰えるのって。
オオカミ : まぁ幼生体でも発見はしてたけど、倒せてないプレイヤーもそれなりにいたから有効ではあったぞ。
コケ : あ、そっか。誰でも倒せてる訳じゃないのか。
普通に自分達が倒せてたから気にしてなかったけど、一般生物と比べれば充分に強敵だ。残滓でない方は倒せていない人がいてもおかしな事でもない。
この感じだと地形ギミックを使って未討伐の黒の暴走種を仕留めるのが、操作系スキルが取得出来る称号を得るのにかなり有効な手段か。黒の暴走種の討伐称号が確実に得られる事の分かってる称号だしな。ただし、同じ進化の階位の初回討伐称号を得るチャンスは一度限りだが。
それにしても俺がログインしてない時や見てない時にも、みんな色々と試行錯誤してたわけだ。当たり前だよな。これはオンラインゲームでみんなそれぞれにプレイしてるんだし。
オオカミ : これはまだ情報の収集中なんだが、どうやら特定行動の累計回数に応じて取得出来る称号もあるらしい。そのタイミングに合わせるという手もあるかもしれん。
リス : へぇ! そんな称号もあるんだ? 土の塊とか投げつけまくってたら称号取得とかあったりしないかな?
オオカミ : その可能性は十分あるな。リスの人、余裕があれば試してみてくれ。
リス : 分かったよ! 試してみる!
トカゲ : ともかく森林深部エリアで希少な水魔法持ちのコケの人にはむしろあのツチノコを倒してもらいたいくらいだな。
オオカミ : まぁそうなるな。少なくともここに顔を出す奴の中で倒せそうな奴の心当たりがない。赤の群集の森林エリアの水魔法持ちに援軍を頼むという手もあるが、どうせなら自分たちの群集で倒したいだろ?
コケ : もちろんだ! 是非ともやらせてくれ。
オオカミ : 一応聞いておくが、コケの人のPTメンバーってどんな構成だ?
コケ : 移動種の木、アタッカーのクマ、毒持ちのハチ、物理遠距離のリス、あと俺だな。
サル : 地味にバランス良くないか? これは期待できそうか?
リス : そうともさー! 単なる偶然だけどね!
オオカミ : ここに全員が集まってる訳ではないから、場合によっては先を越される可能性もあるが、ツチノコの討伐は期待してるぞ。
コケ : おう、任せとけ!
リス : リベンジ戦、頑張るぞー!
よし、これで一応は話は通った。話を聞いている限り、間違いなくあのツチノコは強敵だ。水魔法が必須な可能性すらある。後はあの素早い動きを封じる手段も必要だ。こりゃ、ちょっとリベンジ戦の前にスキルの熟練度稼ぎして、戦力強化をしてから挑んだ方が良いかもしれない。
オオカミの人が言ったように他のPTに先を越される可能性もない訳ではないが、焦ってリベンジを挑んで再び力不足で負けるのもゴメンだ。焦らずじっくり行こうじゃないか。
クジラ : おーなんか凄いことになってるな!
海藻1 : クジラの人には、海エリアの特殊地形のボスの撃破に期待してるからね!
クジラ : コケの人もこれだけやる気になってるんだ。俺だってやってやるさ!
マグロ : こういう戦力の時は頼もしいよな、ほんと。
海エリアは海エリアでクジラの人を主戦力としてボス討伐に乗り出すのだろう。まぁクジラの人が先に倒しても群集クエストは発生するだろうし、問題はない。だけど、人任せという気分でもないし、負けてられないな!
オオカミ : そういえばコケの人。デスペナについての情報は知ってるか?
コケ : ん? 一定時間の行動値の回復量減少だよな?
サル : あ、コケの人はまだ知らなかったのか。
コケ : なに、どういう事? あ、そういや……
アーサーが、俺に仕留められた時に経験値が減っていたとか言っていた気がする。もしかしてデスペナの種類も増えたのか?
オオカミ : 心当たりがありそうだな。簡潔に言うと成長体からデスペナに経験値減少が追加されている。まぁLvまでは下がらないし、1日に1度目の死には経験値減少はないらしいがな。
コケ : なるほどね。幼生体まではそこら辺は免除されてた訳か。そして1日1回までは死んでもいいと。この辺はポイント取得の関係かな。
オオカミ : おそらくな。1日に1度、死亡でポイント取得があるんだ。その処置があっても当然だ。
川魚 : デスペナって何?
サル : あ、完全に初心者ならそうなるか。デスペナルティの略称だな。死んだ時のデメリット。幼生体なら行動値の回復がしばらくの間遅くなる。進化してからは2回目以降、死んだ時に経験値も減るようになるって事。
川魚 : え!? 経験値減るの!?
オオカミ : まぁオンラインゲームならよくある仕様だ。Lvは下がらないから進化にはそれほど影響はない。進化狙い以外では無駄に死にまくるなって思っておけばいい。
川魚 : あ、なるほど、そういう事か! 教えてくれてありがとう!
幼生体までは免除という事は、幼生体が初心者期間って所か。まぁ何はともあれ、進化以外では無駄に死ぬなって事だな。そもそもプレイヤーを倒せば経験値が貰えるんだし、そりゃ倒されれば経験値は減るよなー。そうでなけりゃ黒の暴走種よりもプレイヤーを狙う奴が増えかねないし。一応これは聞いとくか。
コケ : デスペナは分かったけど、PK絡みってどうなってる?
オオカミ : PKか。一部には出てきてるみたいだが、まだ情報不足だな。
マグロ : お、それなら情報持ってるぜ!
サル : マグロの人、ナイス!
マグロ : 短期間に同意なしにプレイヤーを倒しまくるとカーソルに黒い枠がつくんだと。その状態で倒されるとLvダウンまで含めた経験値減少ありだってさ。
コケ : そんな風になってるんだな。でも同意有りの場合はどうなるんだ?
マグロ : そっちは変化なしらしいぞ。こっちは進化依頼との兼ね合いだろうな。
オオカミ : なるほどな。マグロの人、情報助かった。
マグロ : いやいや、色々といつも情報もらってばかりだからね。たまにはこっちも出さないと。
コケ : あ、進化依頼で思い出した。赤の群集の不動種の木の人のPTが進化依頼を引き受けるってさ。場所次第だけど多少の出張も有り。
サル : お、そりゃありがたい話じゃねぇか。コケの人のPTが今日行ってた相手のとこか?
リス : そだよー! 宣伝してくるって言ってきたからね。
コケ : 希望者は進化希望って群集外交流板で発言してくれってさ。ログインしてる時なら出来るだけ早く対応すると言ってたぞ。まぁ赤の群集の森林エリアだから、こっちの森林深部エリアの人限定になるけども。
草花 : それでも良いんじゃない? 個別交渉で相手を探すより早そうだしね。それにしても不動種ってそういう手もあるのか。
木2 : 掲示板から戻ってきてみたらこっちでも興味深い手段が出てるし!
木5 : 不動種、ありかもしれねぇな。
木 : それでも俺は移動種が良いなぁ。
オオカミ : そこら辺は強制はしねぇから、自分でしっかりと決めてくれや。別にすぐに次の群集クエストを発生させなきゃならん訳でもないしな。
最後にフラムのいる座標を書き込んでっと。さてフラムとの約束の宣伝も終わったし、掲示板から戻ってきた木の人達がなんか盛り上がってるし、色々と情報も仕入れたし、この辺りで終わりかな。思った以上に情報量が多くて長くなったけど、まぁ進化後だし新要素が一気に増えたから仕方ないか。
それにしてもみんな結構色々と検証しているようだ。魔法の情報が既に大々的に広まっているとは思わなかった。これも操作系スキルの情報を公開した成果かな。とりあえずみんなに報告するかな。
「アル、情報交換終わったぞ。ついでにフラムの宣伝もしてきた」
「おう、おかえり。で、どうだった?」
「不動種に関しては興味を持ってた人もいたし、掲示板の方で不動種に進化した人が質疑応答してるんだとさ」
「ほう、それは後で確認しておこうじゃねぇか」
「あとね、ツチノコのリベンジ戦は任せてくれる事になったよ! っていうか他にあの火に対処出来そうなPTが居ないみたい」
「そりゃなんでまた? 勝てないように作られてるとも思えないんだが」
「水魔法持ちが少ないらしいよ。赤の群集の森林エリアに援軍を頼めばなんとかなりそうみたいだけど、まずは自分達の群集だけで倒したいって!」
「なるほど、そういう事か」
「それで、ケイ。具体的にはどうするのかな?」
「とりあえず、焦って突っ込んでも厳しいかもしれないからスキルのLv上げをして行こうかと思ってるんだけど」
「確かにまだ進化したてで扱いきれているとも言えないか。私はケイさんの方針には賛成」
「確かにそうだね。あと、連携の為にも情報共有もしておきたいね」
「そだね! それを次の課題にしよー!」
みんなは俺の方針に賛同してくれた。中途半端で挑むよりも念入りに準備をして、確実な勝利を得たいのはみんな一緒という事だ。
「それじゃ灰の群集エリアに戻り次第、戦力の充実を目標って事で!」
「おう、それで良いぜ」
「次こそは負けない!」
「次は何も出来ずに負けなんて無様は晒さないから!」
「首を洗って待っててね、ツチノコ」
みんなの気合が入り直し、ツチノコへのリベンジを誓う。何はともあれ、他にも得た情報をみんなに伝えていこう。まだ夜11時前。慣れてきたからか、行きよりも帰りのほうが移動に必要な時間も減っている。少しくらいならまだ時間もあるな。
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