情景163【行き交う歩廊でゆったりと待つ】
博多駅のプラットホームにちょこんとひとり、北の方に向かう電車を待っていた。濃い色のコートを着込み、両手をポケットに突っ込んで、
「そろそろ厚手のヤツに変えるかな——」
とか、思ってしまう。
前髪を横に流して視界をクリアにして、視線は定めず前方に向けたまま、ほっとひと息ついた。まだ息が白むほどではないらしい。
左右に伸びる何本もの線路と、それに沿い幾つかの面が据わる
私はぽつねんとひとり、時が経つのを待っている。
すぐ側の立ち食いラーメン屋を横目に。
——新宮で降りたら、うまかっちゃん買ってかえろ。
まったくもう、隣のラーメンのおかげでお腹が鳴って仕方ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます