情景151【雨風と軋む窓】

 窓が揺り動かされる音で目が覚めた。

 うずくまって低く唸るように、窓が鳴る。外で風がぶつかっているのだろう。

 カーテンをシャッと開けて外を見たら、案の定の曇り空。

 雨が降っている様子はない。いや、雨が降った後なのかな。窓一枚挟んだ向こう側で、風がこちらの様子を伺っているのがよくわかる。

 また、低く軋む音がした。

 この時々唸るように鳴る音。なんか、生まれる前のタマゴみたい。……ってそんなコト言っている場合でもないか。


 ベランダの物干し竿は前の夜に下げておいた。植木鉢は玄関の中。いくつか心配事を頭で巡らせるうちに、眠気が飛んでいく。

 ——季節の変わり目って、こういうことが多いから。


 我ながら何を思ったか。そっと窓を開ける。

「うぉっ」

 喉仏もないクセに野太い声が出てしまった。

「いやぁー、風強いわ」

 いきなりの隙間風に、髪の付け根まで触れられた気分。

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