情景139【目覚まし風時計】
昨日までの疲れがどこかに吹っ飛んでいる。
昨夜、少々の酔いと疲労を抱え、くたびれた体をマンションの自宅まで引きずり歩いた。辿り着いたら無意識のまま服を取っ払ったらしく、上下ショーツだけになった体をベッドに放りだして、寝付く。
窓を開けたままにしていたんだっけ。
朝のひやりとした風に額を撫でられた気がして、それで目が覚めた。
目が覚めた先に、網戸越しの空が広がっている。
少し浅薄な物言いになるけど、休日の朝って、いいよな。
口に出しては言うことでもない。一人暮らしで、特に口に出す機会がないということもあるけれど。
そのままのそのそとベッドから這い出て、網戸を力なく引いてベランダに出る。引いたときのカラカラと鳴る音が耳に残った。
手すりに体を預け、陽と風をその身に受ける。
さて。
——今日は、何をして過ごそう。
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