情景59【日の色】

 空は透いて晴れていた。

 家の勝手口から外に出て、何となしに空を見上げ、一通り堪能してから、そのまま視線を室内の方へと向ける。中は対面型の台所で、そのまま居間に繋がっている。陽光が差しかかりはじめる時分だった。

 光が差し込み、床に長方形の眩しい幕を敷いていた。窓から斜めに照らすスポットライトのようだった。

 ——この光の色は、白と呼んでいいのだろうか。

 薄い黄色に見えなくもない。少し時間が下れば、今度は赤みが加わってくる。

 居間に散る埃が、光に晒されていた。

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