情景44【記憶のうるおい。公園のこと】

 実家のすぐそばに、小さな頃よく遊んだ公園がある。学校帰りや、土曜日の昼。友達と遊ぶ約束をして、集合場所はいつもその公園だった。

 帰郷の道すがらそこを通りがかると、開けた場でキャッチボールをしていた近所の親子を見かける。軽く頭をさげて、ささやかに雑談をした。

 外出日和ですねと言えば、父親の方が手をとめて、

「こいつも、いつまでも砂場で砂遊びってわけにはいきませんから」

 と言って笑う。

 そうしてしばらく親と子で遊び倒し、その様子をベンチに座ってしばらく眺めていた。

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