情景32【記憶のうるおい。放課後のこと】
あのころ、小学校での一日を終えると一目散に学校を飛び出していた。
まっすぐ家に帰り、鞄を投げ捨てて、そのまま携帯ゲーム機やカードを別の鞄に詰め込んで自転車に乗る。
そしてもう一度、学校へと駆け込んでいたのだ。
懲りずに教室に集まる私たちに、先生が呆れながら言う。
「なんでまた来てるのよ、あんたたち」
教室の外から西日が差していた。
——だって、他に遊ぶ場所がないしさ。
教室やアスレチックで、日が沈む様をみんなで眺めたのは、一度や二度なんかじゃない。
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