どうせ誰も読まないであろうポエムを殴り書きする
喘息患者
自白
ちょっと先の時間に生きる僕に起こりうる無駄話をしようか。
でも誰も聞いてくれないから空に溶ける吐息を感じるだけにしとこうか。
たった1秒先の出来事を自分で決められもしない徒党が、
何百年先の未来に希望を持って生きていろなんて言う世界で。
僕はその昔私でした。
私は大した人ではないですが、
大切な人を愛するぐらいの日常ぐらいはある人でした。
どれだけ大きな夢をみようとも、
小さな米粒を残そうとも、
昨日道端に転がっていた老婆のように死ぬ人でした。
私は私を愛してくれたあなたの事を死ぬまで愛すると、
死んだら赤の他人になるだけの薄情な愛の持ち主でした。
ちなみに僕は私では無いですが、かつての私のような、
死ぬまでは愛せる薄情な愛すら持ち合わせることができませんでした。
僕には愛すらできませんでした。
僕には愛する事は無理でした。
僕には愛などいりませんでした。
僕にとって愛とはなんだったのでしょう。
真っ新な紙に思い付くだけの言葉をかければわかりますか?
運命の人に出会って両腕で抱きしめてみたらわかりますか?
気づいたら傍にいるような誰かに何かをしてみたらわかりますか?
それらを纏めて0と1に変えてグラフにして、
これは愛ですか?
ちょっと先の時間に生きる僕に起こりうる無駄話をしようか。
でも誰も聞いてくれないから空に溶ける吐息を感じるだけにしとこうか。
1日と22時間と35分と04秒かけて、
叩けば乾いた音の鳴る頭で考えた一文が、
よく動く棒に青く塗りつぶされて小指と親指に当てたボードに、
無機質に切り取られcがvに変わるだけで盗まれる世界で。
特に理由の無い罪悪感が纏わりついた体が痒いなら、
いっそのこと燃やしてしまえば楽かもしれない。
そしてただれた肌が生まれ変わる僕をいつしか赦したように、
少しの痛みと大きな後悔を吸って吐いては静かに涙する。
夢から覚めたら眩暈に揺れる視界の中、立ち上がりながら、
耳鳴るのする頭を揺らして台所に吐き出した藻掻きを、
生きている証だと例えるならそれは何とも惨いものでしょう。
そんな時間の積み重ねを人生と呼ぶには狂っているだろう。
僕にはどれだけの時間が指折りで後幾つ数えられるか。
僕に数えられたそれは本当に僕の生きる時間だろうか。
そして生きただけの時間のどれだけを人生と呼べるだろうか。
僕の生きているのは人生か。それとも何かか。
あとどれぐらい笑えばいい?
あとどれぐらい泣けばいい?
あとどれぐらい怒ればいい?
あとどれぐらい泣けばいい?
あとどれぐらい待てばいい?
あとどれぐらい泣けばいい?
あと、後はもう哭くだけ。
僕には当たり前のように僕を生んでくれた父と母が居て、
それなりの数と質のある人々に囲まれながら生きてきたはずですが、
何かを与え、何かを与えられてきた時間と物と言葉と心と、
例えられない何から何までが僕をここまで生かしてくれたのに、
何一つ僕としてここに残った物はありませんでした。
僕に残っていたのは僕という言葉の集まりでした。
それすら僕が何かを伝えられないという始末でした。
本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
僕は誰に謝ってるのでしょう。
殺してくれ。
僕に残されたただ一つの為に。
どうせ誰も読まないであろうポエムを殴り書きする 喘息患者 @zensoku01
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