キャラクター資料 ガド
キャラクター資料 ガド
キャライラスト:https://www.pixiv.net/artworks/102371204
家族を眼前で魔獣に殺された少年。父母は技術で祝福に頼らない都市を建設しようとしており、多くの賛同者を集めていた。神殿は自分達の権威を損なうものとみなし、西門の水道橋の修理に赴いた一家と職人に魔獣をけしかけ殺害した。
ガドは叔母であるタファトと西門付近で現場を目撃しており、心に大きな傷を負った。本来、エラムのような技術者になろうと考えていたが、家族の死からは近しい人を守り切ることに将来の全てを捧げる決意をする。
努力家ではあるが、周囲の才能を持った人物に及ばないことを自覚しており、兵学校時にはレビの、小隊長となってからはサリーヌとの実力差を内心悔しく思っていた。しかし、バルアダン中隊で多くの戦乱に巻き込まれていく中で、小隊長として隊員を良くまとめ、それぞれの個性を引き出しながら全員を生存させるなど、有能な指導者として成長する。仲間を守ることに強迫観念に近いものを持っており、その守り抜こうとする精神的な強さはバァル、ラシャプらの神々をも驚愕させた。
〈後日譚〉
作中の最後には、部下であるウェルやザハグリムがぼろもうけ団を引き連れて小隊に合流、ハドルメ騎士団から竜を借り受けるなどして、軍事的に一大勢力を統率することになる。しかし本人はあくまでも市民の防衛を第一とし、戦乱が終わると小隊長を辞し、西門の衛兵として日々を送っている。時折、ベリア記念学校にて子供達に稽古をつけているが、子供達は目の前の人物が歴戦の戦士だとは知らず、ただ親切な衛兵さんとして懐かれている。評議会議長となったザハグリムからは度々将軍への就任要請がくるものの、笑って謝絶したという。西門周辺の巡回の際に必ず水道橋に立ち寄るのは、そこから復興しつつあるクルケアンを見て父母の夢が実現されていく様を見守るためであった。
部下であり、小隊の世話焼きでもあったゼノビアからは、放っておけない人と思われており、彼女も同じ西門の衛兵となって長くガドの側に居続けた。クルケアンの英雄に、他人の幸せを見守るだけの人生を送らせるわけにはいかない、それに誰よりも幸せになる権利はあるはずだ、と悩んだゼノビアはタファトに相談する。タファトは甥を気にかけてくれるゼノビアの手を取って喜び、彼女の支援をしていくことになる。
ゼノビアは、タファトとの相談を重ねる中でガドを想う自分の気持ちに気付き、一緒に幸せになりたいと望むようになる。しかしゼノビアの密かな思慕は、参謀としていつの間にかタファトの横にいたエルシャにより大騒動へとなっていく。タファトとエルシャ、掛かり気味の女性達を恐れたセトとエラムがこっそりガドに忠告をするものの、当の本人はこんな物好きと一緒にいてくれるのはあいつだけだといって、用意していた指輪を友人に見せたのである。セトとエラムは喜び、それならば先手を打つべきだとして今宵のうちに求婚をすることを勧めた。
翌日、二人が結ばれたと知ったエルシャは嬉しく思いつつも地団太を踏む。彼女の手配した作戦(セトは計画ではなく作戦と聞いて呆れることになるが)ではその日の夜にガドとゼノビアを呼び出し、クルケアン中で花火を打ち上げて雰囲気を作ろうとしていたのであった。作戦は中止となり、大量の花火の請求書がアスタルトの家の事務所に積み重なる中、エルシャはその紙束をガドの義理の叔父であるイグアルに押し付けたのである。
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