キャラクター資料 サリーヌ

キャラクター資料 サリーヌ

キャライラスト:https://www.pixiv.net/artworks/101999558


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 作中におけるサリーヌの台詞「私達は生れ落ちて愛を知った獣」に示されるように、獣と人の違いを示すための役割を持つ。クルケアンの繰り返される歴史の最後の転換点でもあり、過去の世界で王妃となり、子供達や民のために命を投げ出した行為をラシャプが美しいと感じたことによって、獣王(神)が人に近づく契機となる。オリエントの神々が一神教に取って代わられ、宗教ではなく伝承としての存在になったように、四百年前のサリーヌの行動によって神が愛を知り神性を捨て人に近づく、つまりは神代が終わりを迎え人の歴史の始まったものとした。

 家族について、現世で記憶を失いながらも兄のダレトと再会し、そして名乗らずに距離を置くのはレビの存在を兄の側に見出したからであり、その後のバルアダンとの関係の強まりも含めて本来の家族との別れと、新たな家族を求める人の営みを示すものとなっている。また、自分の子や民など、家(国)を守る母の役割も担っている。このあたり、王として相手と殺し合うバルアダンや、戦いの中に強さを求めるフェルネス、そして力で服従させようとする獣王らに見られる男性的な粗暴さの背中合わせになるようにした。クルケアンの物語は古代・中世的な価値観を基にしているため、人の獣欲を父性的な戦争に、人であるために必要な愛情を母性的な家族に求めている。そして戦争をしている男達が最後に剣を落し、首を垂れるのがサリーヌに象徴される家族的な愛情であるようにした。ラシャプは過去の世界において情欲としての愛ではなく、崇拝に近い愛をサリーヌに見出しており、現世で彼女を見つけて育てたのもそれ故である。

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