兄と妹

第58話 老人と若者達

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〈サリーヌ、学び舎にて〉


 神殿を後にした私は、サラ導師に正式に弟子入りし、学び舎の一室に住むことになった。隣の部屋に住んでいるダレトはまだ寝台から動けず、身の周りの世話はレビがしていた。はっきりとした記憶はないとはいえ、妹である私がしようとも思ったのだが、ダレトにそう伝えることができなかった。

 ……それはレビの気持ちを知ってしまったためだ。


「サリーヌ、ダレトの世話をしてくれない?」

「……どうして?」

「何となくよ、あなたがした方がいいのかなって」


 彼女は私が妹だと気づいている。

 そして私は彼女の境遇を知っている。

 なら、私はどうすればいいのだろうか。

 妹と名乗ればいいのか、

 それともこのまま距離を取った方がいいのか。


「レビ、あなたが世話をするべきだわ。私はやらなきゃいけないことがあるの」

「……行方不明の誰かを探すってやつね。それって一人では危険じゃないの?」

「バルアダン殿と動く手筈になっているから大丈夫」


 結局、私は使命を口実に現状維持を望んだ。名乗らずとも兄の幸せを守ればいいのだ。ましてそれがレビの幸せにも繋がるのならそれでいい。それに兄の記憶は精神の回廊に飾ってある絵画を眺めるようなもの。それだけで妹として過ごすのは難しいのだ……そう思い込むことにした。

 レビにダレトを託し、私はサラ導師の私室へ向かう。そこにはバルアダン殿も待っていた。


「揃ったな。ではこれより行方不明となったシャヘル神殿長の探索をお主らにしてもらう。またこのことはダレトには内密にせよ。仲は良くないが、これまで何かと関係のあった二人だ。怪我を押して首を突っ込みかねないからの」


 神殿長のシャヘル様が行方不明となった事をまだ市民は知らない。一部の高官が書類の決裁が滞って困ると愚痴をこぼすくらいで、それも机にある印章を勝手に使って済ませてしまう。日常業務に影響はなく、説教がなくなったと喜んでいる者も多いのだった。


「サラ導師、急がねば神殿長の命に関ります。どこから探索をすればよろしいでしょうか」

「処刑したという発表がない以上、生かして何かに利用しようとしているのだろう。まずは神殿を牽制できる強力な同盟者を手に入れ、神殿長の不在を訴えて公的に関心があることを示さねばならぬ」


 神殿を牽制できる存在とは飛竜騎士団のことだろうか。バルアダン殿も同じ考えらしく、サラ導師に少し困った顔で騎士団の現状を伝える。


「サラ導師、実はベリア団長が郊外の視察に行かれ、神殿長の身柄を公式に問い合わせることができないのです」

「やれやれ、飛竜騎士団は自分達だけが軍だと思っておる。バルアダンよ、思い出せ。誰が軍の最上位かね」

「元老のシャムガル将軍です。しかし高齢でほとんど公的な場に出ておいでではないはず」

「だが、評議会での重要な議決は参加する。ちょうど奴は上層の評議会の執務室におるとの報告があった。魔獣の巣である黒き大地への進軍に向けて、調整をしておるとのことだ」


 クルケアンには飛竜騎士団の他に、竜ではなく騎馬を主体とした将軍直属のシャムガル騎士団五個連隊、北壁に備え付けられた砲を扱う砲兵三個大隊に弓兵と歩兵がそれぞれ配置されている。数の少ない飛竜騎士団では点の突破はできても面で責められると弱い。それを補うのが他の部隊となるのだが、彼らは飛竜騎士団に対抗意識を持っていて、軍も一枚岩ではないのだ。だからだろうか、バルアダン殿は再度、サラ導師に難しげな顔を向けた。


「しかし、飛竜騎士団所属の私が同盟の要請に向かえば軍を刺激しかねません」

「情けない話だがその通りだ。だから今回は評議員の護衛として上層へ向かってもらう」


 その時、頃合いを見計らったかのようにたくましい老兵が現れた。もし彼がシャムガル将軍だと言われれば納得するくらいに威厳がある方だ。バルアダン殿が嬉しそうに声を弾ませて一礼をする。


「ラメド校長、あなたの護衛ができるとは光栄です」

「私こそ光栄だ。教え子がクルケアンの英雄となり、護衛までしてくれるのだからね」

「校長、紹介いたします。この方はサラ導師が保護しているサリーヌ――」


 ラメド様は指を口に当てて、分かっておる、とおっしゃった。私の身の上を知った上で、深くは聞かないという配慮だろうか。しかしこの方はいったい誰から私のことを聞いたのだろう。神殿を飛び出てきたと、サラ導師に報告をしたのはついさっきのことなのに。


「バルアダンよ、いちいち説明せんでもいい。お主に恋人ができたことは兵学校の訓練生でさえ知っておる。サリーヌといったね、この男をよろしく頼むよ」

「ち、違っ――」


 なんてことはない。ただの噂からの邪推だったのだ。バルアダン殿に弁護を頼むと、こちらはこちらで固まっている。どうやらこの手の話に馴れていないらしい。そういうところは新米の騎士みたいで、英雄と評される彼との落差に驚かされる。本当に、根はいい人なんだろうけど。

 笑い声をあげるラメド様をサラ導師が蹴り倒し、私達はタニンに乗って上層まで一気に移動する。こうしてバルアダン殿と(ラメド様も一緒だが)空を飛ぶのは二回目だ。昨日までの私は陽の当らぬ大神殿にいたはずなのに、今はもう上層の評議会の議場を見下ろしているのだ。そこには貴族の大邸宅もあり、もはや別の世界だった。次はどんな世界が見られるのだろうか。


 議場前の広場にタニンが降下し、忽ちのうちに横柄な貴族の騎士に取り囲まれる。大貴族のおこぼれをもらうことで生活している下級貴族達は、目下の者が来ると威張り散らすと聞いていたが、それは本当だった。


「飛竜騎士団が来るとは聞いていないぞ。おい、そこの若僧、用件を言え」

「バルアダンと申します。ラメド評議員の要請により護衛として参りました」


 バルアダン殿の名を聞いて、騎士達が騒めきだす。それは勇名に怖気ついているのと、同じくらい嫉妬しているのだろう。バルアダン殿が歩を進める度、騎士達は同じ距離を後退する。だが一人の騎士が私の存在に気付き、反撃の口実を見つけたとばかりに詰り始める。


「クルケアンの英雄が女連れで空を飛びまわっているのは本当らしいな。おい、そこの女、我らの相手をしていかないか? 魔獣臭い飛竜騎士団よりずっと満足させてやるぞ」


 さて、自分のことを言われるのは特に気にしない。だが、他人を貶めることしか自分を高める方法を知らない男をみると腹が立つ。何よりも闇で一生懸命に生きてきたアヌーシャ隊のみんなを想うと、道楽で軍隊ごっこをしている彼らが許せないのだ。


「下種め。大神官もそうだったが、特権に胡坐をかくと人間は獣に堕ちるらしい。痛い目を見なければさっさと道を開けなさい!」


 騎士はぽかんとした顔で私を見ている。下賤の者からは追従しか聞いたことのない彼だから、いったい何を言われたのか分からないのだろう。これでは腹が立つよりも同情をしてしまう。待つことしばらく、ようやく騎士は剣を抜いた。私も合わせて剣を抜こうとした時、柄を握った手をバルアダン殿が抑えたのだ。


「ここは私に任せて」

「しかし、それではあなたが悪者になります」

「今回はそうさせてくれ。君の素性が知られても面倒だろう?」

「そ、それはそうですが」

「それに友人の妹を守る役目くらい、私にさせてくれないか」

「バルアダン殿、あなたは知って――」


 この人には珍しく、からかうように笑うと、徒手で貴族に近づいて行く。


「く、くるな、斬るぞ、斬るぞ!」

「あなたが剣を収めればいいでしょう。こちらは剣を抜いておりません」

「平民堕ちしたザイン家の分際で我らを下に見るか! いいか、忘れるなよ、貴様の祖父ヒルキヤは罪人だという事を!」


 その言葉を聞いたラメド様が、馬鹿な奴だと呟いた。

 そしてその言葉の後に宙を舞う騎士の姿があった。大理石の床に叩きつけられ、呻く騎士の姿を見て、他の騎士達も次々と剣を手にかける。だが、バルアダン殿は凄みのある声で剣を抜かせない。


「ザイン家が平民となったのはむしろ私の人生で幸いだった。だが、友人の妹に下品な口を叩くこと、何より祖父ヒルキヤを馬鹿にすることは許さん。不満があるならその剣を抜いてかかってこい。ただし、手加減はしない」


 苦笑いをしてしまったのは、自分の扱いがバルアダン殿の祖父の次点だったためか、もしくは貴族がへたりこんでしまった醜態を見たためか。やがて騒動を割るようにして、豪奢な甲冑を着た青年が警固の兵に守られてやって来た。それは下級貴族に取って救いの存在だったらしい。


「ザハグリム様、あのバルアダンが私達を打ちのめしたのです。どうか、奴らに罰を!」


 叩きのめしたのは一人で、あとは勝手に倒れただけなのだけど。私と違い、都合の悪い記憶はなくなっても平気なのだろう。だが、ザハグリムと呼ばれた青年は、騎士達を蹴り倒し、頭を下げたのだ。バルアダン殿にではなく、ラメド様に。


「これは叔父上、お久しぶりでございます。下層に降りられてから連絡も寄越していただけず、寂しい思いをしておりました」

「久しいな、ザハグリムよ。だが、私は傲慢な人間が多いこの上層が好かんのだ。それに分かっていると思うが、礼を欠いたのは奴らの方だぞ?」

「お察しします。この場は私に任せて、叔父上は用をお済ませください。ですが、今しばらくの辛抱です。私も含め、大貴族の跡取りたちでクルケアンの改革を考えております。今後は真の指導者が規律を守らせますので、ご安心下さい」

「……大貴族の跡取り共か。そつらを下層に寄越せ、私が鍛え直してやる」

「ご冗談を、指揮ならばともかく戦争や魔獣と戦うのは平民の役目。我らは誇りを持って為政者としての責任を果たすのみです」

「まぁよいわ。私はシャムガル将軍の執務室へいく。これ以上構うでないぞ」

「もちろんです、叔父上。ささ、どうぞこちらへ」


 苦虫を噛んだようなラメド様が無言で議場へ入っていく。私とバルアダン殿は慌ててそれに付き従った。背後で悲鳴が聞こえるのは、腹いせにタニンへちょっかいをだした騎士が尻尾の一撃で跳ね飛ばされたのだろう。振り返ると倒れている騎士達が目に入り、悪戯な目をした竜が私に向けて尻尾を振っていた。ため息をつくバルアダン殿の横でこっそりとタニンに手を振りかえしたのは内緒にしておこう。


 さて、上層の議場、その執務室ではシャムガル将軍が私達を値踏みするように見つめている。やや痩せているが、鋭い目つきは実戦の将であったことを示していた。


「シャヘル神殿長が行方不明、その裏でトゥグラトが糸を引いておるということか。だが、軍が神殿にシャヘルの身の保証と公的な場への復帰を求めたとして、何の益がある。ラメド、お主は軍と神殿の関係を一番よく知っておろう」

「だからこそ、我らと手を結んでくだされ。シャヘルは欲深い男ながら、その欲で多くの市民を救ってきたのは御存じでしょう。八方美人ですが、調整役としては最適だ。魔獣を生み出す実験をしているトゥグラトよりもよほどいい」

「だが、神殿は魔獣工房はあくまで北伐――黒き大地への魔獣討伐のためと言ってきおったぞ。被害が拡大したのは一部の神官の暴走として教皇の名で謝罪もしておる」

「ですがそれは市民に知らされておりませぬ」

「当然だ。無用の混乱を避けるために高官だけの共有に留めておる。それに調教した魔獣を軍に寄越すとも言っているのだ。今は神殿と協調すべきで、対立をすべきでない」


 神殿の縛りがなくなった私は少し怒りっぽくなったらしい。魔獣工房の被害を神官の暴走で済ませ、あまつさえその成果を得ようとしている将軍に一言申してやろうと足を踏み出した。


「無礼な護衛だ。二人して何か言いたいことがあるらしい」

「えっ、二人?」


 私は驚いて横を見ると、バルアダン殿が私と同じく一歩を踏み出していた。続く声も同じなのだから、思いは共通していたのだろう。


「卑怯者」


 同時にその言葉を言った時、怒りはどこかへ消えてしまう。その代わり頭は冷静さを取り戻した。バルアダン殿と視線を交わし、私から説明をする。


「サラ導師の内弟子、サリーヌと申します。意見の具申、失礼します」

「そうか、サラはついに後継者を定めたか。それで、年寄りに何の文句を言うつもりだ?」

「閣下は神殿と軍の協調を唱えられていますが、それは手段です」

「手段と言ったか、小娘」

「はい、閣下。手段よりも市民を守るという目的をお考え下さい。魔獣工房の件で被害を受けた市民の犠牲を利用して神殿と手を結ぶなど、もはや軍への利益誘導ではございませぬか。明らかに目的から逸れています」

「知ったような口を利く。現に魔獣に対抗する手段は飛竜騎士団しかなく、このままでは北伐をしたとしても被害が大きいのだ。戦力の確保をして何が悪い。国を滅ぼすのはいつだって理想なのだ」

「滅べばよろしい」

「何?」

「弱い者を犠牲にして、いや、彼らに被害を一方的に押し付けて涼し気に明日を生きる国など意味はない」


 アヌーシャ隊のような迫害されて生きてきた人の顔が頭をよぎる。でも弱いとされた彼らも武器を取り、運命に立ち向かったのだ。


「驚いた、サラ導師は過激な後継者を見つけたものだ」

「違います、閣下に弱い者達を信頼して欲しいのです。魔獣工房に頼ることなく、理想のために彼らは剣を取ることができる」

「その言をどう信じよと?」

「私は昨日まで体が欠損、もしくは病に侵された者で構成されたアヌーシャ隊に所属していました。だからこそ弱い者の気持ちが分かるのです」

「……アサグ機関に所属していたか」


 シャムガル将軍の顔色が変わる。ここまでアサグ神官の悪名が轟いているかと思うと、養われた身としてはいささか不安になる。内では苛烈で過酷極まりない神官だったが、気にはかけてもらったのだ。しかし外ではいったいどのような非道をしていたのだろう。驚く将軍に向けてバルアダン殿が続きを話し始める。


「私は飛竜騎士団のバルアダンと申します」

「噂は知っておる。そなたを見ると自分の成りたかった理想を見るようで正直妬ましいぞ。だが、武の祝福を持ち、クルケアンを背負う英雄には、それこそ弱い者である儂のことなど分からぬだろうな」

「私は弱いのです、閣下」

「冗談を言うな。魔獣の討伐数は正規の報告の数倍はあると聞くぞ」

「……貴族から平民となり、弟と妹ができたのです。悪戯に困らされ、勉強を教えようとも逃げ出され、連戦連敗です」


 バルアダン殿は困ったように笑っていた。いや、笑っていることで誤魔化しているのだろう。彼はきっと自分の弱さを隠してきたのだ。


「迷子になった弟を探すこともできず、泣きわめく妹をあやすこともできない……祖父も守ることができなかった。それに魔獣工房の時も、友人である神官に頼らないと何もできなかったでしょう」


 クルケアンの英雄が自分の無力さを並び立てて悔しがっている。この人は自分の責任でもないのに背負い、いつも誰かを救えないことを嘆き続けるのだろう。英雄とは程遠い、泣きじゃくる子供の姿と重なり合う。


「だからこそ閣下に願うのです。神殿の行き過ぎを押し留め、弱い我らに時間をください。軍や神殿に関係なく仲間を集め、みんなが理想に向かって立ち上がるための時間をです」

「……相分かった、だが儂にも考える時間をくれ。先に言った通り、儂もその弱い者の一人なのだから」


 老将軍は視線を窓に向け、ラメド様だけ残るよう指示をした。護衛の任が果たせないと困惑する私達に、ラメド様は甥っ子に下層まで護衛させるといって退室を促したのだった。待ちくたびれていたらしいタニンの背に乗り、私とバルアダン殿は下層を目指す。すぐに着くはずがわざとゆっくり旋回しているのはタニンの気遣いだろうか。


「バルアダン殿、一つお願いがあるのですが」

「私にできることなら」

「レビから聞きました。私もバルアダン隊に所属しようと思います」

「それは私の一存では……選抜試験があるからね」

「いえ、それは実力で受かればいいのです。お願いと言うのは、おっしゃっていた弱い者の仲間に私を入れて欲しいんです」


 そうだ、私もまだ弱い。そしてこの人も、兄であるダレトも弱いんだ。思いつめて苦労をする三人なら、できるだけ一緒にいて支え合えばいい。

 まだ自分の心に素直でないような気がする。そう、簡単に言えば……。


「ほっとけないの。貴方も兄も――」


 タニンがその言葉を聞いて大笑いをするように腹をよじる。旋回が急降下に変わり、私は叫び声をあげてバルアダン殿にしがみついてしまった。

 さて、仲間に入れてという願いに対し、予想通りバルアダン殿は困ったような笑顔を浮かべたのみだった。嘘がつけないこの人のことだ、危険にさらしていいのか迷っているのだろう。

 それでもいい。あれは私の願いでもあり、決意の表明でもあるのだから。

 そう、私が勝手に仲間の輪に飛び込んでいけばいいのだから。




〈上層の執務室にて〉


 若い二人が退室した後、シャムガルは久しぶりに笑っていた。若者の無知ではあるが純粋な思いはこうも老人の気を軽くさせるのかと愉快に思ったのである。


「ラメド、あの二人は護衛と言ったが、本当はお主が護衛だったのだろう? 馬鹿貴族から無事に儂まで送り届けるための」

「ばれましたか。まだまだぼけてはおらぬようですな。私やヒルキヤをしごいてくれた、あの時に戻っていただけたようで何よりです」

「ふん、だからこそ気づくわ。私にあの二人の後見をしてほしいのだろう」

「あと一人います。バルアダンの友人で神官でもあるダレト。私やサラは彼らこそクルケアンの宝と思っております」

「分かった。彼らの人生を切り開くために儂の余生を使おう」

「あぁ、叶うのならばまだいましてな。アスタルトの家というギルドの下請けがありまして、そこのセト、エルシャ、レビ、ガド、エラム、トゥイ……」

「なんと欲張りな。それでは余生では足りんではないか」

「であれば、もう五十年ほど長生きをしてください」

「……お主には世辞の使い時というものを教えるべきであったな」


 そう言って、シャムガルはもう一度笑ったのである。そして軍はシャムガルの名の下で、内々ではあるが神殿に対しシャヘルの安全を要求することになる。神殿からは身の安全は完璧に保障している、近く教皇になるための儀式をしているのだという返書が来て、トゥグラトの退位が近い事の方が関係者の関心を集めることになった。だが、その返書には魂の安全には触れておらず、そのことに気付いたものは誰もいなかったのである。

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