裏切られて、裏切ろうとして、出逢った

和泉由佳は唐突に恋人から切り出される。好きな人に告白したいから別れてほしい。ただし振られたら元通りつきあってほしい。身勝手過ぎる言葉を残していった恋人は、普通に失恋し、由佳とよりを戻そうとする。由佳は彼に復讐することを決め、行動を開始したのだが……思わぬ出逢いが、彼女の“先”を変えた。

この物語の特徴、ストーリーラインはちゃんと1本に繋がっているのに、次に描かれる情景がまったく別の色合いに塗り替えられていくことです。言ってみれば起伏が大きいんですね。

内容が一本調子じゃないから飽きませんし、各話が短く、リズムよくまとめられてるので、気がつけば現在の更新分3万字超を読み切ってしまうんですよ。読みやすさは小説の重要要素ですが、構成込みでここまでかろやかに魅せてくれるお話はなかなかありません。

たまらなくビターなスタートからほろ甘く色づいていく恋愛譚、ぐいっと推させていただきます。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)