目を覚ます物語
目を覚ます物語
アリスたち3人の目の前には、両親が待っていた。
アリスは、この光景に少しホッとし。結局、ラビーは何もできずにただ見ているだけ。なんか悔しいけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんなんだよね、とラビーは思い、複雑な気持ちだった。
アリスは、自分が蒔いた種で迷惑をかけ、巻き込んでしまったことに、ラビーとアリスお姉ちゃんと両親にも謝った。しかし、両親はそのことについては怒っていない。
確かに、この出来事はアリスが蒔いた種。でも、あのノートが異世界のノートだと誰も思わない。そのことについて母親は、何故、そのことを話してくれなかったのか、あの本屋の店主に聞きたてみたいと思った。
アリスは、ラビーをジッと見て、複雑な思いにかられ、これでさよならをするのか、そう思うと思わずラビーを抱きしめ、2人は涙し。
その光景を黙って見ていたアリスお姉ちゃんは、アリスの両親とAIアリスおばあちゃんに、さよならの挨拶をし。そろそろノートに戻る時間だと思い、アリスお姉ちゃんはラビーの背中をポンポンと叩くと。
ラビーは、アリスの両親とAIアリスおばあちゃんに、さよならの挨拶をし、アリスの前立ち。アリスは、2人に必ず面白い小説を書き、必ず完結すると誓い。ラビーの手にはスマホが。
「お姉ちゃん、スマホ返すね」
「それ、記念にとっておいて」
「えっ!? 私たちの世界では使わないよ?」
「知ってる。ちょっとね、思いついたことがあって、それに、私原作者よ」
「思いついたこと!? あっ、そうだ、忘れてた。お姉ちゃん、あんなことって何!?」
「あんなこと!? そうだったね。聞きたい!?」
「聞きたいに、決まっているでしょ」
「実は、この間、ラビーが寝言で、「お姉ちゃん、大好き!」って言ったの」
「なーんだ、そんなこと。私、てっきり」
「てっきり!? てっきり何? なんなの?」
「教えない」
「教えないって何よ!?」
「何よって言われてもねー、教えないの! だって秘密だもん」
「はぁ!? 何それ?」
この2人、何やらもめ始めた。
すると、アリスお姉ちゃんが。
「ラビー、そろそろ戻るわよ!」
アリスとラビーは、一気に現実戻され。アリスの手にはあのノートが。
「これで、本当にお別れね!」
「そうね。でも、私には、このノートがあるから」
「それって、なかずるくない?」
「そうかな。私の分身が隣にいるでしょ」
「隣!?」
「私!?」
アリスお姉ちゃんは、私に振らないでよねと言いながら、ノートの上に手を載せ。ラビーもノートの上に手を載せ。2人は、アリスにさよならを言い。アリスもさよならを言った。
その時、突然透明の球体が現れ、透明の球体に包まれた2人は、アリスと両親に手を振り、ノートの中に吸い込まれるように戻って行った。
アリスは、ノートをぎゅっと抱きしめ、2階の自分の部屋に行き、机に向かいノートを置き、深呼吸をし、ラビーとの出会いが走馬灯のように思い出し、ノートを開いた。
ページをめくると、物語は以前のまま変わっていない、元に戻っている。胸をなで下ろし、アリスはペンを執り、また深呼吸をし、完結に向けて小説を書き始めた。
その姿は、以前のように目を輝かし、楽しそうに書いている。たまに,ぶつぶつ独りを言い、席を立ち、ベッドに寝転び考えたり、そうかと思ったら、窓の外をジッと見ていたりした。
小説を書き始め、23時間が経ち、アリスはノートに向かって。
ラビーたちみんな、ごめんね。基本は変わっていませんが、かなり内容を変更しました。スマホのこともあり、でも面白い小説ができたはず。あのノートの主さんがどんな評価を下さすかわかりませんが、どんな結果であれ、私はこれで納得しています。ただ気になるのは、ラビーはこの小説をどう思っているかです。気になります。と言い、完結の文字が書かれ、ノートを閉じた。
すると、ノートの中からノートの主が幻想的に現れ、アリスは驚いた。目の前に父親くらいの男性の人が。
「アリス。ありがとう、礼をいう。この世界に来て本当によかった。まさか、こんな体験をするとは……。アリスに出会え、いろんなアリスを見せて貰った、感謝している。しかし、評価は評価だ。この小説の評価は、実に面白かった。よって、アリスを一流の小説家として認める」
すると、ノートの主の姿は消え。ノートはあっという間に校正・校閲を終え。製本された本になり、机の上に現れた。
アリスは本を手に取り、ページをめくると、目頭を熱くさせ。その本を持って、1階のリビングに行き。両親に本を見せ、「面白い」と言われたと、大喜びしていた。
その時、天から声が聞こえた。
「アリス、この夢から覚めても現実がまっている。どうするかはアリス次第、私は期待している」
アリスおばあちゃんは目が覚め、ベッドから起き、あの夢はいったいなんだったのか、そう思い。奇妙な夢の物語を思いだしながら、机に向かい、ノートに書き留めた。
そして、机の1番下の引き出しを開け、1冊のノートを取り出し、ノートを机の上に置いた。
何故か不思議と色あせずにいる、73年間閉ざしたノート。小説を書き未完成のまま放置され、あの当時のまま。
この日、アリスおばあちゃんは奇妙な夢の物語を娘じゃなく、20歳になる孫娘に聞かせた。
すると、思ってもいない答えが返ってきた。
「面白かったよ、お祖母ちゃん。それ、小説にしたら?」
アリスおばあちゃんは、あの小説を完結させるためにノートを開くと、何か迷いが吹っ切れたかのようにペンが走り、基本は変わっていないが、かなり内容を変更し、完結をした。
アリスおばあちゃんは80歳になり、あんな夢を見て気づいた。今更だが、やはり私は小説を書くのが好き。この小説とこのノートに申し訳ない気持ちだった。
このあと、アリスおばあちゃんは、自分のブログにあの奇妙な夢を小説にし、『アリスドリームストーリー』を投稿した。そして、アリスおばあちゃんは自宅の研究所に行き、ある決意を胸にタイムマシンの前に立っていた。
アリスドリームストーリー K・Sメッセ @ksmscst
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