「ジャックと豆の木」の宝とは
「ジャックと豆の木」の宝とは(1)
タイムマシンの中から降りて来るアリスとラビー。この試練のジャッジが下される、ラビーはそう思っていた。ところがこの試練は終わっていない。
そのことに気づいていたアリスは、家の中から出て来るジャックを待っていると、ジャックが家の中から出て来た。
すると、何を思ったのかアリスは、隣にいるラビーに。
「ラビー、今すぐ豆の木を倒して!」
「えっ!? どうして?」
「いいから倒して!」
ラビーは言われるがまま、気功波を使い、倒れて行く豆の木。
その光景に呆然と立ち尽くすジャック。
「誰だ? 豆の木を倒したのは?」
アリスは、ジャックの目の前に立ち。
「私だけど、何か?」
「何故、豆の木を倒した?」
「こうでもしないとあなたはまた盗みを働くでしょう!? 違う?」
「悪党な巨人から盗んで何が悪い?」
「悪党ですって!? 約束を破っておきながら、巨人のことを何も知らないくせに……だったら、あなたがやったことはなんなの、ただの泥棒じゃないの。盗んだもので本当に幸せになれると思ってるの!? そんなこと思っていないわよね!? 盗んだものを今すぐ返しなさい!」
ジャックは、アリスを見て何も言い返せない。
すると、ジャックは盗んだ物を家から持って来ると、巨人の妻との約束を破ったこと、盗みを働いたことを謝り、盗んだ物をアリスに渡した。
その頃、巨人はまだお昼寝中。その隙に盗まれた物を返しに、ラビーは瞬間移動であの鶏小屋に行くと。穴の開いていた壁の修理を終えた巨人の妻は、突然目の前に現れたラビーに驚き。ラビーは、盗まれた物と借りていた宝箱も返し、そのお礼を言い、ジャックが約束を破り謝っていたことを告げ、瞬間移動でアリスの元へ戻って来た。
アリスは、巨人の妻との約束を守るために、アリスとラビーはタイムマシンに乗り込み、タイムマシンの中は暗転し、この国の新王に会いにタイムマシンはお城へ向かった。
タイムマシンはあっという間に王の間に着き、突然目の前に現れたタイムマシンに驚く新王と上役2名。
タイムマシンから降りて来たアリスは、新王の前に行き、ひざまづき。
「王様に申し上げます。この手紙、雲の上に浮く、巨人の島の王妃より預かって来ました」
「何!? 巨人の島の王妃だと!?」
新王は、アリスの差し出した手紙を受け取り、手紙を読み。もしこの手紙に書かれていることが本当なら、亡き前王に変わり、巨人に対する数々の所業を詫びねばならぬ、そう思った新王は、手紙に書かれていることが事実なのか、上役2人に問いただすと。
前王は、身勝手な言動をとり、巨人を信用せずに一方的に巨人との約束を破り、平和を求める巨人を裏切り、巨人に対する所業の数々が暴露された。
新王は、すぐにでも巨人の島の王に謝罪したいとアリスに言い。ラビーと共にアリスと新王は、雲の上に浮く巨人の島に瞬間移動した。
いろんな意味で当然のように驚く、巨人の妻と新王。ラビーの都合により、またしても鶏小屋に瞬間移動したラビーは、お城の内部はここしか知らない、一度来た場所はここだけだった。
巨人の妻、巨人の島の王妃は、新王と挨拶を交わし、前王の所業の数々を謝罪した新王。
すると、巨人の島の王妃は、思わず涙を流し、直接王様にも謝罪し、新王の今の気持ちを王様伝えて欲しいと申し出た。
新王は、快く引き受け、巨人の島の王妃率いる3人は、王の間に向かった。
昼寝から目が覚めた巨人の王は、王の椅子に座っていると。突然の訪問者が3人現れ、顔も見たくない憎き人間たちの姿。
「お前、わしの許可なく何故、人間をこの城にいれた!?」
巨人の島の王は、怒りをあらわにし、王の椅子から立ち上がり、巨人の島の王妃を睨んだ。
その時、巨人の島の王妃をかばうように新王は、巨人の王の前に駆け寄り、ひざまづき。
「王様に申し上げます。王妃様は何も悪くありません。悪いのは、突然押しかけたこの私、あの王国の王です」
「何!? あの王国の王だと!?」
「今は亡き前王の所業の数々、詫び状を持参し、新しい王として、謝罪に参りました。どうぞこの詫び状をお受け取りください。本当に申し訳ありませんでした」
「今更、何を詫びると言う!? お前たち人間に裏切られ、わしがどんな想いでこの30年間を過ごしてきたと思う!? お前たちはわかるまい」
すると、巨人の島の王妃が王の前に行き、ひざまづき。
「王様に申し上げます。もういいじゃないですか、王様!? あの王はこの世にはいないんですよ……!? こうして、新しい王がたった家来2人を連れて、どんな想いでここに来たのか。ちゃんと話を聞くべきです! 違いますか?」
正論を言われた、そんな思いをした巨人の島の王は、詫び状を受け取り、巨人の島の王妃に渡し、詫び状を読み上げると。そこには、巨人の島の王と国民に宛てた謝罪文と、前王の所業は新王の責任として全て責任を負い、地上に広まったデマを消し、巨人の王国と平和条約を結び、我が国の国土の3分の1を巨人の領土とする、と書かれていた。
巨人の島の王は、ゆっくりと王の椅子に座り、息を1つ吐くと。
「わかった! もう一度だけ、人間を信用しよう。王様、もう裏切はなしだからな」
「はい! 王様。二度と裏切ったりしません。ありがとうございました」
巨人の島の王妃は、また涙を流し、やっと念願だった地上で暮らせる、あの台地で暮らせると、喜び。この光景にアリスとラビーも喜んでいた。
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