第3の試練「ジャックと豆の木」(5)

 アリスは、巨人の妻に相談があると言い。順序が逆になったが、無断でお城に入ったことを謝り、いきなりあの宝を貸して欲しいと言い出した。

 巨人の妻は、あの宝と聞きハッとし。やはり30年前に捨てた宝を使ってここに。しかし、あの少年は私との約束を破り逃げた。何故、地上の人間はこうも平気で約束を破る。あの目を信じた私がバカなのか。これでは地上に下りてもあの時と何も変わらない。この少女もきっと約束を。そう思った巨人の妻は、アリスの目を見た。

 この少女は、あの人間たちとは違う目をしている、約束を破る人間ではい。そう思った巨人の妻は。

「あたは、約束を守れますか?」

「はい。約束を守ります。必ず新王へ手紙を届けます」

「どうしてそのことを……あなたはいったい、何者なの?」

「私!? 私はアリス。読書好きで小説を書くのが大好きな女の子です」

「あなたって、面白い娘ね。あの宝、新王へ手紙、私しか知り得ないことを何故知っているの? 教えなさい」


 アリスは一つの仮説を立てていた。その仮説を巨人の妻に話し、必ず新王へ手紙を届けると言い。何も聞かず、私にあのお宝を少しの間貸して欲しいと申し出た。

 巨人の妻は、しばし呆然とし、アリスを信じ、申し出を受けた。しかし、何故、私しか知らないことを知り、私の胸の内まで知り、ましてや30年前のあの悲劇を知っているのか、疑問が残るが。

 アリスは自分に言い聞かすように、必ず手紙を新王に届け、金の卵を産む鶏を取り返し、この宝を持って再びここに戻って来ると巨人の妻に約束をした。


 巨人の妻は、手紙とあの宝を取りに自分の部屋に行き。アリスは改めてこの試練に気合を入れ。その隣では、ラビーはアリスのことをこう思っていた。私は18歳なのに、お姉ちゃんって本当に12歳なのか、たまに思うことがある。


 しばらくして、巨人の妻が戻って来ると、アリスは手紙と宝箱を受け取り、巨人の妻に礼を言い、必ず戻って来ると言い、アリスとラビーは来た道を戻り、巨人の城を出た。


 試練開始からどのくらいの時間が経ったのか。その頃、豆の木のすぐ近くにあるジャックの家では、金の卵を産む鶏から金の卵を産むのを今か今かとジャックは待っている。

 この光景を見せられている、フィールドの外にいるアリスお姉ちゃんたち。その光景は2人にスマホにも届き、足の速い2人は急ぎ、豆の木へ向かった。


 しばらくして、豆の木の着くと、2人は驚いた。あの時は曇り、今は雲が晴れ、地上を見下ろすと壮大な景色が広がっていた。

 思わずアリスはこの景色に見とれ、ラビーは足がすくんで動けず座り込み。

 その頃、ジャックの家では、金の卵を産む鶏が金の卵を産み、大喜びするジャック。これに味をしめたジャックは再び豆の木に登る準備をしている。


 雲の上に浮かぶ島からアリスが地上へ下りることは簡単だが、高所恐怖症のラビーはそうはいかない。

 豆の木を登る時は、上を見上げるからなんとかなる。しかし、下りるとなるとそうはいかない。

 そのことを忘れていたアリスは、正義のリングを使い、透明の球体に中に入り、地上に下りることを思いつき。透明の球体でも目を瞑れば大丈夫だと思い。そのことをアリスお姉ちゃんに伝えようと、スマホを手にした。

 その時、突然アリスたちの後方にタイムマシンが現れ、そこにはアリスお姉ちゃんが乗っている。

「そこの2人! 急いでタイムマシンに乗って、ジャックがもうすぐ家を出るわよ!」

 2人は後ろを振り向き、この光景に困惑するが、ジャックと聞き急ぎタイムマシンに乗り込み。タイムマシンの中は暗転し、あっという間に地上に下りて来たタイムマシン。ジャックはまだ家の中にいる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る