第3の試練「ジャックと豆の木」(4)

 2人は、あと200メートルで巨人の城へ着く。ここでアリスは一旦立ち止まり、辺りに巨人が潜んでいないか確認し。巨人の反応はなく、反応があるのは巨人の城にいる巨人の夫婦だけ。

 アリスは一安心し、2人はまた歩き出し。しばらく歩くと、目の前にバカでかい巨人の城に着き、辺りには誰もいない。

 アリスは城の中の状況が気になり、もの凄く耳のいいラビーに城の中の状況を耳で探るように指示した。

 すると、巨人が声を荒立てている。

「誰だ!? わしの鶏を盗みやがったのは……!? なんだこの匂いは……人間の匂いがする……。小僧の匂いだな。何処に隠れている!? 出てこい!」

 巨人はジャックの匂い嗅ぎつけ、そこらじゅうを探していると。巨人の怒鳴る声に昼食の準備をしていた巨人の妻が気づき、巨人のいる場所へ行くと。

「……あなた! なにやってるの!? こんなにちらかして!」

 巨人はそれどころではない。

「おい、小僧を見なかったか!?」

「小僧!?」

「だから、人間を見なかったかって、聞いてるだろうが!?」

「人間!? 何言ってるの!? 少し落ち着いて、冷静になりなさい!」

 すると、巨人はおとなしくなり。巨人の妻はこの騒ぎの訳を聞き。

「あなた、ここは雲の上。どうやって、人間がここに来るっていうの!?」

 そう言われ、ハッとする巨人。冷静に考えてみたら、妻の言う通り。しかし、あの匂い。それと、鶏は何処に行った。首をかしげる巨人。

 巨人の妻は、お昼を食べたら、鶏は私が探しておくからと言い。2人は、食事の間に行った。

 ラビーはこの状況を聞き、アリスに報告すると。巨人は、お腹がいっぱいになるとすぐ眠くなる。そこで、巨人が眠りについた頃を見計らって、作戦を実行することにしたアリスは、巨人の城に侵入するために、以前恐竜の写真を撮るのに使用した小型の折りたたみ式ドローンを使い侵入口を探すことにした。


 アリスは、アリスお姉ちゃんにドローンを転送してもらい。スマホを使いドローン飛ばし。ラビーは耳で巨人を見張ることになった。

 ドローン操縦は慣れているアリスは、お城の上空を飛ばしていると、このお城の大きさに改めて驚き、お城の周りを調べていると。お城に隣接する小屋を見つけ、旋回していると、小屋の壁に人がしゃがんで通れるくらいの穴が開いているのを見つけ、アリスはハッとした。ジャックが鶏を盗むために開けた穴、そう推測し、あの穴からお城に侵入することにして、ドローンの片づけはルークに任せた。


 しばらくして、巨人がお昼寝中になり、侵入チャンス。アリスとラビーは、見つからないように辺りを警戒しながらお城の門をくぐり、東側の小屋に向かった。

 一方、巨人の妻は、巨人が人間を探した際に、そこらじゃうをちらかし、その後片付けをしている。しばらくして、巨人の妻は鶏小屋に行くと、金の卵があちらこちらに転がり、壁には穴まで開いている。とりあえず、金の卵を入れる籠を取りに台所に行った。

 アリスとラビーは、小屋へ着き、辺りを確認し。ドローン飛ばした時に見つけた穴の前に立ち、アリスは穴を覗き、誰もいないことを確認し、音をたてずにそっと小屋の中に忍び込み、辺りを見渡す2人。

 すると、城の中へ侵入するドアを見つけた。その時、アリスの身長の2倍はある巨人の妻が籠を持って鶏小屋に戻って来た。巨人の妻は、2人を見て面食らい。

「えっ!? なんで!? あの少年といい、あなたたちといい、いったいどうやってここへ!?」

 隠れる場所がない、ラビーは終わったと思い。しかし、アリスは平然とし、アリスは作戦を実行した。まるでこの機会を待っていたような感だが、どういう訳かラビーはこの作戦を知らない。


 アリスは巨人の妻を見上げ。

「あのー、すみません。奥様にご相談したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「はぁ!? 相談!? いきなりなんなの!?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る