第3の試練「ジャックと豆の木」(3)

 雲の上に浮いている、巨人の島へ着陸した2人。ラビーは、アリスを抱きかかえたまま、お姫様抱っこ状態。

「……あのー。ちょっと恥ずかしいんだけど、そろそろ降ろしてくれる!?」

 ラビーは呆然と立ち尽くし。

「あっ、ごめんなさい」

 お姫様抱っこ状態から解放され、向き合う2人。

「……お姉ちゃん、助けに来てくれてありがとう」

「ごめんね、迷惑ばかりかけて……。助けに行ったのにどじふんじゃて……何やってんだろうね、私」

「そうだよね」

「何よ、そうだよねって!」

 不機嫌な表情のアリス。ラビーはアリスの顔を見て、変顔を思い出し、思わず笑ってしまい。

 その時、お腹が鳴る音が聞こえ。約18時間何も食べていない、この2人。緊張感がないというか危機管理がないのか、これは仕方ないのか。お腹が減っては、なんとやら。しかし、ここには食べ物がない、どうするのか。

 すると、アリスはスマホでアリスお姉ちゃんに、サンドイッチと唐揚げとオレンジジュースを注文し。テーブルと椅子も頼むと、すぐに転送できると言う。アリスの母親は、2人がお腹を空かしていると思い食事を準備していた。


 そんな中、ラビーはあのことを思いだし、アリスに聞くと。アリス無言。ならばと、質問を変えたラビーは、巨人の宝って何と聞き。

 アリスはメールで伝え。ラビーはメールを読み、『ジャックと豆の木』の物語の内容を確認し。なるほど、そう言う見方もあるのかと思い。

 2人の目の前には、丸い小さなテーブルに食事が用意され、椅子に座る2人。

 辺りの景色を見ながら食べていると。辺りは、大きな、大きな、木木たちに囲まれ、1本の大きな道が見える。


 一方、この光景を王の椅子に座り、黙って見ている闇の女王。余裕態度なのか、ルークも椅子に座り、2人を見ている。


 2人は、食事が済むと。後片づけは逆転送できないため、ルークに任せることにして。

 アリスは、スマホのアプリを使い、タイムマシンに装備されているレーダーを使って、巨人の城がある場所を突き止め。その上、サーモグラフィアプリで巨人のいる場所も把握でき。しかし、宝の場所がわからない。この時、アリスにはある作戦があった。

 アリスは、スマホのナビアプリを使い、巨人の城へ向かった。巨人の城までの距離は約1キロある。

 先頭をアリスが歩き、その後ろをついて来るラビー。この2人、やけに堂々と道の真ん中を歩いている。

 すると、突然ラビーが何かを思い出し、立ち止まり。

「ねぇー、お姉ちゃん。あんなことって、なんなの!? いいかげんに教えてよ!」

 すると、アリスも立ち止まり、後ろを振り向き。

「自分の胸に手を当ててよく考えてみたら!?」

 言われた通りするラビーだが。考えても、考えても、さっぱりわからない。

 アリスは黙って、その様子を見ていると。

「じゃ、こうしましょう。自分が蒔いた種に必ず決着から、そしたら教えてあげる。それでいい?」

「……わかった。必ず決着つけてよ……! えっ!? ちょっと待って、それって……」

「でも、本当に覚えてないの? あのこと……!? じゃー、行くわよ!」

 アリスはまた歩き出し、ラビーも歩き出した。

「ねぇ、お姉ちゃん! 覚えてないのって、どういうこと?」

 アリスは後ろを振り返りながら、静かにと注意し、ラビーは黙り。2人は巨人の道を歩き、森を抜けると、大きな、大きな、お城が見え、だんだんと近づいて行く、巨人の城。

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