アリスの『白雪姫』
アリスの『白雪姫』(1)
とある国に、白雪のような肌を待つ王女が生まれた、その名は白雪姫。
病弱だった王妃は、どうしても子供が欲しいと言い。王は、王妃の病弱な体を気遣い反対した。
それから、2年後。王妃に女の子が生まれ、体調を崩しがちな王妃は、白雪姫が2歳の誕生日に体調を崩し、帰らぬ人となり。この2年後、継母として新しい王妃を迎えることになり、国民は王妃を歓迎し。まるで、前王妃の再来とも言われた。
この王妃、見た目も美しく、王妃の素質も兼ねそなえ。王を慕い、王を助け、なにより白雪姫を可愛がり、心優しい女性。国民にも気を配り優しい。まさに非の打ちどころがない女性とは、王妃のこと。
白雪姫は王妃のことを本当の母親のように慕い。はたから見ても親子としか思えない、実の親子以上。
時が流れ、白雪姫は10歳になり。いつものように白雪姫は、お城の窓から外の景色を見て、遠くに見える森を見て、あの森を散歩してみたい、いろんな森の動物を見て見たいと、窓の外の景色を見る度に王妃に話していた。
王女は12歳の誕生日を迎えるまでは、お城の敷地から出ることはできない決まりになっている。
王妃は最近、窓の外を見ている白雪姫を見る度に、どことなく寂しい姿に切なさを感じ。王に、あの森に白雪姫を連れて行きたいと申し出た。この時、白雪姫は11歳。あと1年の辛抱だが、王は条件付きで白雪姫の外出を許可した。
その条件とは。家来5人で白雪姫と王妃を警護し、森への滞在時間は1時間とする。但し、外出は週1回だけ。
王妃は自分のことのように喜び。それ以上に白雪姫も喜んだ。そして、心も踊る森へのお出かけ初日がやって来た。
白雪姫はお忍び風の衣装に着替え。白雪姫と王妃は馬車に乗り込み、家来たちは馬に乗り、森へ出発した。
白雪姫は馬車の車窓から、始めて見る町の中、行きかう人々、町のにぎわいにワクワクしている。
そんな中、30分くらいで森の入り口に着き。少し辺りを警戒する家来たち。馬車から降りる白雪姫と王妃。
季節は春、優しい風が吹いている。家来たちを引き連れ、2人は森の中に入り。
すると、白雪姫は、突然立ち止まり。深呼吸をして、辺りを見渡すと。木の枝から、小さな動物たちが顔を出し、白雪姫を見ている。白雪姫は、動物たちに、こんにちはと声をかけ、森の中は穏やかに時が流れる。
お城ではおしとやかな白雪姫だが、無邪気にはしゃいでいる白雪姫の姿を見て王妃は、目頭が熱くしていた。そして、本当に来てよかったと思った。
森での楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰る時間になったその時、木の陰から誰かが白雪姫をじっと見ている。白雪姫がその視線に気がつき、後ろを振り返ると。誰もいない、 気のせいだったのか。白雪姫たちはお城へ帰った。
それから、週1回、欠かさずに森に行くようになり。白雪姫は、いつも思っていた。森に行く度に、誰かに見守られている、そんな感じを受けていた。
時が流れ、白雪姫は15歳になり。この頃、白雪姫は王の仕事を手伝い、王妃の背中を見て、王女としての自覚が芽生え。容姿端麗、気立てがよく、頭もいい、心優しく、王妃以上の非の打ちどころがない女性になっていた。
しかし、森へは相変わらず遊びに行く白雪姫だが、王妃は同行していない。森への滞在時間は2時になり、自由に好きな時に行ける。但し、森へは家来たちと一緒だが、ある程度距離を置いて警護に当たっている。
白雪姫は、この森の動物たちの人気者。
そんな中、白雪姫は、この森で1つだけわからないことが。それは、この森の奥に花畑があること。いったい誰があんな綺麗な花を育てているのか、もの凄く気になっている。この森で人と会ったことがない。ただ、白雪姫を見守る視線はいつも感じていた。
ある日、白雪姫はいつものように花畑を見たあと、森の中を歩いていると。小さな声だが、悲鳴のような声が聞こえ。気になり急いでその場所に向かうと。木の間から川が見え、白雪姫は大きな声で、誰かいるのと聞くと。川の方から助けを呼ぶ声が聞こえ。その声のする方に急いで向かい、川のほとりに行く道を探し、獣道を見つけ、川のほとりに走って行き、驚いた。目線の先には、小人。足を怪我し、動けずに倒れている。
白雪姫は小人に駆け寄り、大丈夫と声をかけ、自分の着ているスカートの裾をいきなり破り出し。それを包帯代わりにして、応急処置をした。
すると、その小人は、白雪姫を知っており、命の恩人だと礼を言い。いつも見守っていたはずの私が助けられるとは、申し訳なかったと謝った。
小人は、いつものように白雪姫を見守っていた。しかし、水筒に水を入れ忘れたことに気づき、急いで川の水を汲みに行く途中で足を滑らせ、3メートルの斜面から転げ落ちた。忘れんぼさんのおっちょこちょいの小人。ズボンが破け、足から出血し、気が動転し。結果、すり傷と捻挫だけだった。
小人は家来におんぶされ、小人の家まで運び。
すると、大きな木の家の中から、6人の小人たちが出て来た。
白雪姫は、小人の人数に驚き。あの日から、白雪姫をずっとこの森で見守ってきた7人の小人たち。この国の王女だと一目見てわかり、どんな人物なの見ればわかる。改めて、白雪姫の優しさに触れた7人の小人たちは、改めて礼を言い。この恩は必ずお返ししますと言った。
白雪姫は、そんなことは気にしないで、いつも遠くから見守ってくれてありがとう、と言い。もしよかったら、お友達になって欲しいと申し出た。
突然の申し出に、嬉しさと戸惑う7人の小人たちだが、白雪姫の友達になった。そのことに、喜ぶ白雪姫。友達のいない白雪姫だが、強いて言えば、ここにいる動物たちが友達。
7人の小人たちは、皆個性があり面白い。一度に7人の友達ができ、毎日が楽しい白雪姫。しかし、この3年後に、白雪姫は悲痛のどん底に突き落とされる。
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