第2の試練「白雪姫」(4)
アリスはLINEで、AIアリスおばあちゃんに『白雪姫』の物語を知っているか聞いた。
すると、スマホのアプリに『白雪姫』が追加され。アリスはラビーに1分時間をもらい、物語を読んだ。
「……そうか、そういうことか。わかったわ、ラビー。何故、ルークさんがあんなことを言ったのか」
「えっ!? わかったの!? 完結の意味が!?」
アリスはうなずき、得意げな表情で喜んでいる。しかし、まだ1つ問題が残っている。7人の小人たちの誤解を解かなければならない。いったいどうやって誤解を解くのか。
誤解を解く方法が見つからないまま、とりあえず再び歩き出した、この2人。目的地は、ここから900メートル先にある大きな木。
2人は森を真っ直ぐ歩いていると。声は聞こえないが7人の小人たちの気配を感じているラビー、突然立ち止まり。ラビーの後方歩いていたアリスもつられて立ち止まり。
「ラビー、どうかしたの?」
「お姉ちゃん。どうやら小人たちに待ち伏せされているみたい。前方200メートルくらい先に小人たちが横一列に並んでいる」
「大丈夫、こっちは足が速いから捕まりっこないって」
「それはそうなんだけど、念の為に2手に分かれよう。いやな予感がする」
「わかった。でも、その後はどうするの?」
その時、ラビーが7人の小人たちの動きを感じ。
「お姉ちゃん、逃げた方がいいみたい!? お姉ちゃんは左、私は右、3秒カウントダウンで、全力で走ってよ!?」
「わかった!」
「いいわね!? 3、2、1、ゴー!」
なかなかいいスタートダッシュを決めた2人。だが、7人の小人たちがそれに気づき2人を追った。まるで鬼ごっこ。
7人の小人たちは、アリスに4人付き、ラビーに3人付き。全力で走るアリスとラビー。 ところが、驚いたことに7人の小人たちの足がやたら速い。それにいち早く気づいたAIアリスおばあちゃん。
「アリス、あの小人たち、100メートル5秒で走るよ!」
アリスの耳にはワイヤレスイヤホン。
「えっ!? うそー! そんなー、それじゃ捕まっちゃう!?」
「アリス、この先100メートル行ったら、木によじ登って」
「わかった」
この時、その光景を面白がり、喜んでいる闇の女王。王の椅子に座り、高みの見物。いいぞ、いいぞ、もっと走れ、と言っていた。
森の中を走るアリス。100メートルくらい走り、目の前には高さ15メートルくらいの大きな木。アリスは幼い時、庭の木に登り遊んでいた、木登りは得意。しかし、6年ぶりに木に登るアリス。背後を気にし、急いで木によじ登る。なんとか登れそう。
アリスは、7メートルくらい木に登り、枝の上に立ち下を見ると。小人が4人、アリスを探している。
「おかしいなー、何処に行った!? 気配を感じる」
小人の1人が辺りをキョロキョロし、アリスを探している。他の小人3人もこの木の周辺を探している。
アリスはこの木の上で、4人の小人たちがいなくなるのを待つことに。ラビーの足では捕まりっこないと思いつつ、アリスはLINEで状況確認をしようと、ズボンのポケットからスマホを取り出そうとした時、誤ってスマホを地面に落としてしまった。
その物音に気づいた小人の1人が、スマホを見つけ拾い。アリスは、何を思ったのか。
「それ、私の大事なスマホなの、返してくれる!?」
その声に、頭上を見上げる、小人。
「わかった! 返してあげるから、そこから降りて来てくれる!?」
その声は、なんか優しい。アリスは素直に降りてきた。
スマホを拾った小人はにやりと微笑、アリスにタッチした。
すると、アリスの背丈が縮み、服も背丈に合わせ縮み、小人と同じ背丈になり、驚くアリス。
既に、四方を4人の小人たちに囲まれていた。逃げようにも逃げられない、スマホも返してもらっていない。アリスはいったい何を考えているのか。大事なスマホなのはわかる。しかし、捕まったらアウト。でも、アリスは石にはなっていない。ということは、ラビーはまだ捕まっていない。
スマホを拾った小人はアリスに、スマホは返してあげると言い。但し、1つ条件がある。私たちの家に来てほしい、と言うと。その条件を素直にのんだアリス。
4人の小人たちとアリスは、7人の小人たちの家へと向かい。先頭を歩くのは、小人2人。その後ろついて行くアリス。そして、その後ろを残りの小人2がついて行く。
10分くらいで7人の小人たちの家に着いた、4人の小人たちとアリス。そこには、大きな大きな木が立ち、いくつもの小窓がある。
スマホを拾ってくれた小人は、玄関を開け。家の中に通されるアリス。小さくなったせいなのか、この部屋は割と広く、ドアがたくさんあり。この部屋の真ん中には大きなテーブルがある。
すると、スマホを拾ってくれた小人は、近くに置いてある犬用ケージのようなものに入りなさいとアリスに言い。アリスは素直に従いケージ中に入り、鍵までかけられた。まるで檻の中に閉じ込められた感じ。
スマホを拾ってくれた小人は、約束は約束だと言い、スマホをアリスに返し。ケージに入れられているのに、アリスは礼を言い。スマホを拾ってくれた小人は、アリスをジッと見て。本当にこの子が白雪姫に毒リンゴを食べさせたのか、疑問を抱き始め。
アリスは、物語の小人たちは優しいはずだと信じ。話せばわかる、誤解がとける、と思い。アリスはスマホを拾ってくれた小人に、白雪姫は死んではいない、毒リンゴを食べて眠っているだけだと言い。それを聞いた小人たちは、いきなりドアを開け出て行き。その隙にアリスは急いでラビーにメールを送った。
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