元いた時代へ

元いた時代へ

 洞穴から夕陽を見ていた2人。しばらくして、だんだんと暗くなり。その時、2人のお腹が鳴り、こんな時でもお腹はすくんだと思った2人。

 2人のお腹の音が聞こえたのか、AIアリスおばあちゃん2人に声をかけ、タイムマシンのシートを倒し、その上で昼食の残りを食べたらと言い。そうすることにしたアリスは夕食の準備を。

 すると、ラビーも手伝いに。

「お姉ちゃん、私。野菜じゃなくて、そのお弁当を一緒に食べたいな」

「えっ!? 食べられるの!?」

「私がいた世界でも、パンとか目玉焼きとか食べたし、牛乳も飲んでし、だから大丈夫」

「あっ、そうだってね。分かった」

 ラビーは、アリスが美味しいそうに食べている食べ物が以前から気になり一度食べてみたいと思っていた。


 2人して同じものを食べている。ラビーは器用にお箸を使い、嬉しそう食べ。2人は美味しくいただいていると、AIアリスおばあちゃんは、ちょくちょく話に加わっていた。

 

 食事が終わり。月明りが綺麗な夜に、星も綺麗。そこで、タイムマシンであの川に行き。2人は重箱を洗い、紙皿、紙コップ、お箸を洗い。タイムマシンの中に戻ると、しばらく何も言わず、夜空を見上げていた。まるで、あの芝生の上に寝ているかのように。

「お姉ちゃん。私ね、この世界に来て本当によかったと思ってるの。だって、お姉ちゃんに会えたから、本当は一緒にいたい……」

「私も同じよ。こんな私だけど本当にありがとう。ラビーに会えて、本当によかったと思ってる」

 また、2人は何も言わずに、仰向けになり夜空を見ていた。


 しばらくして、あの洞穴に戻り。トランクから毛布を1枚取り出し。2人1つ、タイムマシンの中で眠りついた。


 翌朝。

 AIアリスおばあちゃんはアリスに、両親へのお土産に、デジカメでこの時代の風景や恐竜の写真を撮って帰ったらと言い。1時間くらいかけて、写真を撮り。いよいよ、元いた時代へ帰る。


 タイムトラベル準備OK。タイムトラベル開始、1億年前を後にした。

 タイムマシンの中は暗転し、室内灯が点き、静かだ。

 タイムトラベル開始から、4分経ち。もうすぐ久しぶりの我が家へ着く。到着まであと10秒、ドキドキの2人。


 タイムトラベル完了。無事到着した。

 すると、タイムマシン横には父親がいる。変わり果てた、タイムマシンに呆然と立ち尽くし、じっと見ている。

「そうか、そういうことか。タイムトラベル成功したんだ。ヤッター!」

 大喜びをしている父親。その様子をタイムマシンの制御用モニターで見ている2人。


 父親は、タイムマシンの素材が何でできているのか気になり、ジロジロ見ている。そしてぶつぶつ独り言。この素材はいったい何だと、ドアをノックするように叩きながら素材を確認している。


 その時、タイムマシンのドアが開き、中からアリスが降りて来た。

「お父さん、ちょっといい!?」

「アリス、このタイムマシン。アリスが造ったのか!?」

「そのことなんだけど、お母さん呼んでくるから、そこで、じっとしててくれる!?」


 父親は言われた通りにし。アリスは母親を呼びに行った。

 その時、突然タイムマシンの球体のガラスが透明になり、父親は驚き、タイムマシンの中にいるラビーの存在に気づき、目が合い。ラビー思わず、手を振った。

 すると、父親も手を振り、あの生き物はいった何、ウサギのような耳をしている。気になり球体のガラス近づくと。

 タイムマシンからラビーが降りて来た。

「お父さん、久しぶり!」

 久しぶりと言われ、首をかしげる父親。

「あなたは……」

 ラビーはすっかり忘れていた、以前の私を。

「私、ラビーです。本当の姿はこうなんですけど、分かります?」


 突然そう言われても困惑する父親。あのウサギがこの姿に。それも喋っている。この世の中、科学では証明できないこともある、そういうことなのか、そう思う父親。

 その時、アリスと母親がこの部屋に入って来た。驚くアリス、想定外の出来事。なんでラビーが父親の目の前にいるのか、段取りが違うと困惑気味のアリス。母親は、あの生き物が気になっている。

 そんな中、この部屋の壁に、プロジェクションマッピングのように、突然現れたAIアリスおばあちゃん。

「お久しぶりです。お父さん、お母さん。私が誰だか分かりますか?」


 突然現れ、誰と聞かれ、困惑気味の両親。その問いに真っ先に答えたのは父親。

「もしかしたて、アリスなのか!?」

「流石お父さん。タイムマシンが未来に行き、戻って来たと推測し、私だと分かったようですね」

「確かにそれもあるが、その声、おかあさんに似ているし、面影もある。そうだよな、おかあさん!?」

「確かにそうね。でも、私の声って、あんなだったかしら」


 いろいろと脅かしてごめんなさいと、謝るAIアリスおばあちゃん。どうしてこのような状況になったのか、説明すると少し話が長くなるのでアリスとラビーに椅子を用意させた。


 椅子に座る4人。AIアリスおばあちゃんの話しが始まり。タイムマシンに誤作動が起き、未来の私に出会い、3週間滞在し、いろんな出来事があった、その内容を話した。

 この世の中、科学では証明できないこともある。現にそれを目の当たりしている両親は、この現状を理解し、納得した。

 あとの2人は、いつのまにと驚き。恥ずかしい思いをしていた。

 実は、未来でアリスとラビーが3週間滞在していた時に、その様子を隠し撮りされ、両親に見られてしまった。

 母親は、あのアリスが料理をする、結婚し子供も孫もいる、驚いていた。父親は、私の後を継いでくれたことを喜んでいた。


 AIアリスおばあちゃんは両親に、タイムマシンの成功を世間に公表しないこと。タイムマシンはある意味脅威的な存在でもある。そこで、タイムマシンの存在はここにいる4人のみにとどめ。そして、いずれ何処かで使用するその時に備え、地下室を作り厳重に保管すること。それと、タイムマシンのトランクにお土産があると言った。


 アリスとラビーは、あのノートが今どんな状態なのか確認したい。そんな中、ラビーは1つ気になっていることがある。それは、お姉ちゃんは確かにあの小説を完結すると誓ってくれた。しかし、それは私を守る為に完結したいのか。それとも、本当は完結していないことを後悔して完結をしたいのか。いったいどっちなのか、そのことをまだ聞いていないラビー。もしかしたら、ラビーも母親と同じ気持ちなのか。


 アリスとラビーはアリスの部屋に行き。

 父親はお土産と聞き、トランクを見て見ると。近くにあったテーブルの上に並べ始め。見た事もない物ばかり。父親はAIアリスおばあちゃんに、これは何、を連発していた。

 母親は洋服や未来の食べ物を見て、カップ麺とレトルト食品が気になり。他にも少量だが食材があった。何か、にぎやかな風景。


 その頃、アリスの部屋ではとんでもないことになっていた。

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