警察官のS

ある時、Sという警察官が居た。

 

彼は悪さをする犯罪者たちをよく思っておらず、この世から悪を破滅しようと考えるくらい正義感を持った男だった。

 

とにかく悪を裁きたかった為、犯罪が蔓延る場所には必ずSが居た。

 

ある時、Sの功績のお陰か、街には犯罪を起こす者はぱったりと居なくなった。おかげでSは皆からヒーローのように扱われた。

 

だが、Sは自分が裁ける者が居なくなった為、不満で仕方なかった。


「私は正義の味方だ。どうして犯罪者は出てこないのだ。きっと黒幕が居て今はひっそりと身を隠しているだけなのかもしれない。」


すると、Sは街中の人たちを尋問するようになった。

 

「最近見た怪しい人物は居ませんか」「あなたさっき何してたんですか」「ちょっと怪しいですね、あなた犯罪者でしょう」


仕舞いには、住人を犯罪者だと決めつけ、成敗するようにもなった。

 

「最近、Sっておかしいよね。どうしたのかしら」


街中ではSのよくない噂が広まるようになり、Sはすっかり不審者扱いで評判を落としてしまった。

 

 

ある日、街中で暴行事件が発生した。

 

警察が駆けつけると、住人を殴っていたのは、

 

  

Sだった。

 

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【ショートショート】積み木のおじさん @kurumipunch

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