第7話 もちろん、困ることも
特定難病の場合、もちろん困ることも多いのは、否定できません。
ベッドで、横になっている時間が増えれば増えるほど、いわゆる床擦れが問題になります。
溽創。
皮膚が擦り切れるわけですから、かなり痛いことは、保証します。
しかも、治り難いです。
ほとんどの特定難病で、寝返りが不能になります。
寝苦しくなりますので、もぞもぞしますが、それこそ治り難い元凶で、擦り切れる範囲を広げているのです。
背中が痛いので、介護ベッドなら、ギャッチアップと呼ばれる、頭を上げて背もたれのようにして、座ってうとうとしておられます。
寝不足になりますよね。
男性で、中高年齢になってくると、かなりの割合で、糖尿病や生活習慣病を指摘されますが。
食生活で、制限しながら、寝不足では、健常者でも動けなくなりますよね。
こうして、どんどん寝たきりになって、レスパイト入院が必要になってしまうのです。
お正月等、帰省や旅行が当たり前の昨今、寝たきりの患者がいては、楽しく行けません。
したがって、年越しでの入院が有り難くなってしまうのです。
特に、特定難病患者等は、半数以上の患者が床擦れに悩んでいますので、その治療管理ということにしてしまえば、罪悪感も軽減されます。
もちろん患者は、誰もいない自宅で、緊急的に助けを求められるのは、救急車だけなどという不安がなくなるだけでも、メリットです。
本来の健康的生活や家族生活を考えると、疑問点もなくはないのですが。
必要悪になっていることは、間違いないでしょう。
年越し入院のすすめ 近衛源二郎 @Tanukioyaji
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