ちょっと死体を剥いでみる。

ポイズンウルフの体が冷たくなったのを感じた俺は、もしかしたらお金になったり、素材合成出来るんじゃ...!? と思い、ひと狩りいこうぜ!で有名の某ゲームの剥ぎ方のようにポイズンウルフの体を剥ごうとした。

これがまぁ怖い。普段日本では予め血抜きされてあり、かつ大まかに切られている肉を自分好みに切るだけで済んだのに、この世界といったら血抜きされてないし、毛皮もあるし、悪い事だらけだ......


5分間ポイズンウルフの死体の周りをぐるぐる...ぐるぐる...と、動き回り、遂に覚悟を決めた。


まず、ポイズンウルフの牙を剥ぐために、近くに落ちてた木の棒で、ポイズンウルフの口が塞がないようにし、犬歯の周りに剣を刺し、切りながら引っ張っていく。犬歯を取る時に、よだれと血がダラダラと出てきて、まじで気分が悪い。


なんとか取れた。次は毛皮。これに関してはもう言いたくない。もう軽いトラウマ。


そんなこんなで、軽いトラウマを植え付けられた俺は、袋の中に、素材を詰め込み、ギルドに向かった。




ギルドに着いた俺は受付嬢に、

「こ、ここは素材の買取りとかって、で、出来ないだろうか?」

と、怯えながら聞いた。


すると受付嬢は、


「出来ますよ。もし良ければ、買取りさせて頂きますが、どうなさいますか? 」


と、優しい笑顔を見せながら答えた。


もうここのギルド最高。受付嬢は優しいし可愛いしボインだし、ゲフンゲフン、これは失礼。


そんな冗談はさて置いて、俺は受付嬢に素材を渡した。


「ありがとうございます! これは...ポイズンウルフの毛皮と、ポイズンウルフの犬歯ですか...? 」


目の前で俺が苦労して剥いだポイズンウルフの素材を、躊躇も無く触り、顔色一つ変えないで素材の状態を見ながら、俺にそう質問して来た。


俺はもうあんまり見たくないので、頷いた後、天井を見たり、床を見たり、とにかく気を逸らしまくった。



「ありがとうございます。この素材、3000チペで買い取り金額とさせて頂きますが、宜しいでしょうか? 」


と、若干上目遣いでそう言われた。

少し考えたが、自分は鍛冶師でも無いし、使う機会なんて来なそうだから、買い取って貰った。


「ありがとうございます!では、こちら、3000チペになります。」


千円札程の大きさの、紙幣を3枚貰った。


「こりゃ良い報酬だ。3000チペで何をしようか......」


3000チペに夢を膨らませた俺は、とりあえず、眠いので日本に帰ってベッドで眠る事にした。



「いやぁ......3000チペで何しようかな...」


そんな事ばっか考えながら、僕は眠りについた。

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【祝200PV突破!】ちょっと異世界行ってくる。 遠藤柊 @endouhiiragi0409

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