8.神のぜんいを使うひと

これまでのあらすじと解説 ※ネタバレご注意!

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※※     ご注意!      ※※

※※  7章のネタバレ含みます。 ※※

※※ 未読の方は、読了後の閲覧を ※※

※※  強くお勧めいたします。  ※※

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これまでのあらすじ:


7.東へとさすらう旅


 マルコたち旅の仲間は、王女レジーナと王都を追放された。付き人ユージーンも仲間に加わる。

 北門の魔軍を討伐した一行は、王都の北の森、砦跡とりであとへ向かう。そこにいたのは、たった一人で山岩鬼トロールを討伐し続ける、手練れの剣士「副長ふくちょう」だった。

 助太刀するマルコ。しかし彼は拒絶する。

 アルは、「神の善意と悪意から離れ、自らの意志で生きる」彼を手助けはできないと慰める。マルコは彼のことが、他人事とは思えなかった。


 北の森に沿って、仲間はアルの恩師ナサニエルのもとへ。

 そこは、かつての探究者が『子供返こどもがえり』をかけた、様々な魔物の子であふれていた。

 現状と悩みを報告するユージーンとアル。しかしナサニエルと、婦人ルアーナの助言も限られた。逆に『巨人の腰かけ』チヴィタの近郊に住む、単眼巨人キュクロプスの解決を依頼される。仲間は、南東の街チヴィタへ向かうことに。

 エレノアになついた、赤トカゲの魔物の子も一緒だった。


 チヴィタでは、単眼巨人キュクロプスの調査と、バールの取引による旅支度。しかし、マリスを持つ巨人を放っておけないと考えたマルコらは、マリス狩りを決意する。

 新たな装備と、魔法の作戦でのぞんだ仲間たちだが、強敵との戦闘でマルコとレジーナに落雷が直撃してしまう。

 そのまま仲間は、いやを求め馬車を疾駆させた。チヴィタの蘇生薬を調合した『東のいや』のもとへたどり着く。

 その者は、アルとユージーンの魔法学院アカデミーでの先輩、サニタだった。

 彼の禁断の術により、復活するレジーナ。

 また、危険な状態のマルコも、探究者アルのグリーのちからで再生する。

 レジーナの内面を知り、自らも旅をふり返り励ますマルコ。

 仲間はサニタのもとに滞在。彼がなぜ禁忌の術に手を出したのか、アルは追求した。

 秘密を明かすサニタ。彼は、不幸にも死んだ自分の妻を、復活させようと研究していた。


 サニタに見送られ、さらに東、鉱山の街ニックスマインへ着く仲間たち。そこは、雪壁山脈と雪棚山脈が交わる、アルバテッラの東の果てだった。

 王女とユージーンは、ここで砂漠の国ハラネの使者と合流しマルコたちと別れる予定。ハラネの王子は、なんと西の海でマルコと出会ったキースだ。

 しかし砂漠へ至る山中の道は、妖しい亀裂ができて通れなかった。その調査を依頼されるマルコ。王女とユージーンを残し、仲間5人で山の内部へ入る。

 そこで遭遇したのは、古代こだいひとと「闇のエルフ」アニヤーク。逃げられず戦うはめに。

 マルコのマリスは、グリーを飲み込まされ爆発。

 絶望の中、アカネが「エルフの火」に覚醒して立ち向かう。それでも古代こだいひとはしぶとく、もっと「古い火」なら彼を倒せる、と自ら明かす。

 それを、赤トカゲの魔物、火龍ストラグルは聞き逃さなかった。

 なんとか、その場をしのぐ仲間たち。

 しかし翌日待ち受けていたのは、魔軍により王都が半壊したという悲報だった。




解説:


・グリー

 神の善意の石。第三の民、人間に良い影響を及ぼす。

 アルは、アルバテッラ王立魔法学院アカデミーの探究者。探究者のグリーを杖に仕込んでいる。


・マリス

 神の悪意の石。第三の民、人間に悪い影響を及ぼす。

 アルバテッラには、マリスやグリーが複数存在する。


・マルコが運ぶ『たまご』のマリス

 マルコが腰にしばる袋に入れたマリスは、南の森の狂戦士バーサーカー宮殿跡で発見された。

 2章のアエデスや、エルフが『たまご』と呼ぶ。充分に育てば、悪意の化身『サマエル』が生まれる、と6章でエルフの女王が明かした。

 3章ルスティカと4章の西の海のマリス、5章の古代人のマリス、7章の単眼巨人キュクロプスのマリスを捕食して大きくなった。

 マルコをあるじとみなし、彼にだけ声をかけているもよう。


・暗い袋(アルの杖先のもの、マルコが腰にしばるもの)

 グリーとマリスの力を外部へ及ぼさない魔道具。普段はこの袋をグリーとマリスにかぶせている。

 6章でアルが「ニーグラム・プレトリウム」と呼ぶ。


・エルフ(第一の民)、ドワーフ(第二の民)

 第三の神(人間の神)に由来するグリーとマリスの影響を受けない。「関われない」。


・アルフォンス・キリング

 南のマリスを崇めた狂戦士バーサーカーの子孫。幼くして父母を亡くし、王都の魔法学院アカデミーへ。卒業後、北の探究者ナサニエルの跡を継ぎ、南の探究者となる。

 その10年後にマルコを召喚。異邦人の手で南のマリスを運び出せたが行き場を失い、マルコと共にその置き場を探す。


・バルタザール・コナンドラム

 若ドワーフ。長い引きこもりの鉱山生活で、グリーとマリスを手袋で「穴へ落とした」。取引によりマルコを守る。


・エレノア・ウォーターハウス

 かつてアルに、古代人から救い出された月の巫女みこ。そのメダルは少し欠け、満月の巫女みこではない。


・エルヒノア・アカネ・ロムレス

 長命の古代エルフ。古代の剣コルディス・インテルミッサム(心臓こわし)の持ち主。マルコに剣を返してもらい、彼を守ると誓う。

 7章で古代の人と闇のエルフと遭遇し、最上位の火の精霊『エルフの火』となって目覚めた。


・レジーナ・ロムレス・ウルヴズハート

 アルバテッラ唯一の王位継承権を持つ。兄姉きょうだいがみな早世し、暗殺されたもよう。神の善意、王都グリーの恩恵にしがみつく王にうとまれている。

 ユージーンと共に王都グリーの『発動』をくわだて、マルコらと半壊した王都へ帰還する。


・ユージーン・アリストクラット

 レジーナの付き人で、魔法学院アカデミーの先導者という職。

 西から来る魔軍から王都を守るため、異邦人マルコの協力を得て王都グリーの『発動』をくわだてる。

 半壊した王都へ帰還し、人びとと都を守る計画を進める。

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