最終回・優香と行くプールデート

夏休み真っ只中の8月初頭。俺は優香に誘われ、プールに行くことになった。向かった先は家から電車で30分くらいのところにある、この夏、新しくできたプール。当初は雨が予想されたが、かなり陽が照って、気温も高い。絶好のプール日和だ。そのせいか、オープン前からかなりの客が列を作っていた。俺は「雨予報だったし、ここ小さいプールだから、誰も来んだろうって思っていたわ・・・」とつい、優香に小言を漏らした。優香も「そうだね。人多すぎるし、最悪・・・」と言っていた。




そして、朝10時のオープンに合わせて、2人はそのまま自前の水着を用意し、それぞれの更衣室へと向かった。着替えが終わると、俺はシャワーを浴びプールサイドに向かった。まだそこに優香の姿はない。それもそのはず。男の俺にとっては着替える量が少なく時間もあまりかからない。したがって、俺の方が早く水着に着替えることができるからだ。


このプールについて少し紹介する。規模はあまり大きくなく、流水プールとキッズプール、そしてウォータースライダーがあるくらいだ。そしてこの夏、オープンしたばかりなので綺麗で新しい。


そして程なくして、準備運動をしながら待っていると、水着に着替え、シャワーを浴びたのか、少し濡れた優香が現れた。




「聡太のために、先週新しく買ったんだけど・・・似合ってる?」




可愛い!可愛すぎるぞ!相沢優香あいざわゆうか!しかし、やっぱり優香は読者モデルやってるだけあって、スタイルがいいな。男が寄ってこないか心配だ。




「うん、すごい似合ってる!」


「まあアイドルには敵わないと思うけどね」


「そんなことない!」


「ありがとう。お礼だけは受け取っておくね」


「うん。優香の水着見た時、やっぱり可愛いなって思った。これは本当だぞ」


「そうなの?でも聡太、あたしが好きだって言ってたくせに、アイドルのファンやってるじゃん・・・」


「なんでそうなるの!?俺は優香一筋だって!」


「もういいよ!聡太、女癖悪いと思う!」




なんか優香の気分を損なった気がする。かなりショック。穴があったら入りたい。でもすぐ優香は、「聡太に水着似合ってるって言われて、私、すごい嬉しいけどね」と内心落ち込んでいる俺に言ってくれたが。


優香の生の水着姿を見るのはもちろん初めてだ。雑誌の撮影で水着になったことはあるかもしれないが、あいにく俺は優香がモデル活動をしている女子中高生向けの雑誌に目を向けることはない。


そう俺が考え込んでいるうちに、優香は流水プールに飛び込んでいた。水しぶきが俺にかかる。




「そーたー、早くプール入ろうよー!」


「わかった!これから入る!」




俺は優香にそう言われたので、プールに飛び込む。そして・・・




「そういえば聡太って、私の胸に飛び込まないの?」


「え?別に俺はそんな趣味なんて・・・」


「そうなの?あたし、聡太なら何されても大丈夫なのに・・・」




結局、俺は優香の胸に突っ込んだ。いや、突っ込まれたという方が正しいかもしれない。優香が俺に抱きつき、その影響もあって、俺の顔が優香の胸に入ったのだ。優香の胸は意外とある。一言で言えば・・・苦しい。ただそれだけだった。そして、2人で流水プールをしばらくの間、プカプカしていた。




「そういえばここ、ウォータースライダーあるじゃん。行く?」




俺は優香をウォータースライダーに誘った。優香も「うん!」と言って誘いに乗ってくれた。が・・・




「ちょっと、聡太どこ触ってるの・・・」


「なんかあたしのお尻に変な感触がするんだけど・・・」




まず優香が、そしてすぐ俺がすべり台から降りたのはよかったが、俺の手が優香の胸に、そして俺の下半身が優香のお尻に当たったようだ。優香は「まあ、相手が聡太だからいいんだけどね・・・」と言ってくれたが。




ウォータースライダーには3回乗った。そして思う存分遊んだところで昼食を食べることにした。時刻はもう昼の1時になろうとしていた。そろそろ昼食にしていい時間だ。


昼食はプールサイドにあるレストランで食べることにした。お昼ということもあって、結構混んでいる。結局、1時間ほど待たされ、俺はラーメンを、優香は焼きそばを注文し、食べたのであった。




そして昼食を食べると、俺と優香は流水プールに入った。今度は2人用の浮き輪で仲良くプカプカ。




◇ ◇ ◇




夕方、日も西に傾いてきたので、俺と優香はプールを出て、シャワーを浴びた後、着替えをするために一度別れた。俺が着替えを終えるとほどなくして、優香も戻ってきた。




「クシュン!」


「優香、風邪でもひいたか?」


「いやいや、熱ないし風邪ではないと思う・・・でも、楽しかったよ!」


「そうだな。俺も楽しかった」


「そう言われるとあたしもやっぱり嬉しいかな・・・今日、聡太を誘った甲斐があった。あたし、聡太が彼氏でよかったなって思った。ずーっと一緒にいようね!聡太♡」


「優香・・・」




帰り道、優香は俺に最高の笑顔を見せてくれたのは言うまでもない。

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もしかしてギャルって、俺が想像しているより優しいのかもしれない 青獅子 @bluelion

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