嘆くこと
嘆く
その言葉を初めて知るまで
僕の中に
何かを嘆くような気持ちは
少しもなかった
嘲笑う
その言葉も
僕の中に嘲るという感情を芽生えさせた
言葉を知らなければ
心は綺麗なままでいられるか
言葉が連れてくる
何かの輪郭が
心の中で無理やりに場所を得て
心自体に新しい側面を作る
愛する
その言葉を知っても
僕の中には愛は生まれなかった
生まれながらに
心には人を愛する形が
刻まれているのかもしれない
これから
様々な言葉が目の前を横切って
その度に心は仕分けされて
細分化され
感情が豊かな人間に
僕はなるのか
定義されない感情は
どこへ流れていくのだろう
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