海が引いて
耳の底に残る
波の音がいつか消えて
海の匂いが遠ざかっていく
海岸はまるで骨だけになるように
ざらざらした砂だけで
日差しの下で
燃えるようだった
水が欲しいはずなのに
癒しが欲しいはずなのに
そんなものはどこにもない
あるのは足の裏が焼ける感触
肌が焼かれていく
焦りにも似た感覚
どこかにあるはずの
水たまりを探して
砂浜を歩き出す
海がどこかに引いた世界は
いやに静かで
息苦しい
雨を求めて空を見上げても
そこには雲もなかった
抜けるような青空に
海の青さが
重なって見えた
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