扉が開く時

じっと一点を見据えると

何かが見える気がする

何かがスルスルと解けるように

見えない扉が

すぐそこで開いていく


言葉が溢れる

情景が走り始める

見知らぬ誰かに名前がつけられて

見知らぬ場所に名前が生まれ

見知らぬ世界にも

名前が与えられる


扉を閉めることは

いつでも出来るのに

扉を開けることは

願っても祈っても

どうしても自由にならなくて


もどかしく

扉の前で

僕はいつも立ち尽くして

その時が来るまで

視線を注ぎ続ける


きっとそれが僕の

祈りの作法なんだろう

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