笑い声の影

笑い声を上げなくなって

少しだけ静かになったね

誰もが黙って

ただ苦痛だけを抱えて

飲み込んで

じっとそこに座っているのが

あなたの望みだったはずなのに

わかりきった未来

悲しさだけがやってきた


もうあなたは言葉を口にしないけど

あなたが口にした言葉は

どこまでも

いつまでも

形を変えて

色を変えて

心を常に揺さぶって

心に影を落とし続ける


誰かが笑う声が

心に冷たく響くんだ

誰が笑っても

誰と笑っていても

笑い声が嫌な響きをするんだ


世界の本当の沈黙だけが

笑い声の影を覆い隠せると

知っているだろう


黒だけが黒を塗り潰せる


白は黒の中では

刃物の輝きと変わらない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る