第4話
「俺の知らないところで会ってるの?」
「えっと…」
そっか。
昔からの仲とはいえ、今は壱夜と付き合ってるんだし私の行動は軽率だったかも…。
そう思っても、もう遅くて。
「ごめ…「今日はここに泊ってきなよ」
謝ろうとした私の言葉に、壱夜はそうかぶせてきた。
「いや、でも…」
「なんで?昔はよく泊まってたじゃん。母さんも喜ぶよ」
でもそれは本当に小さい時の話で…。
それにこれから理央が来るって、今言ったよね…?
「でも急だし…」
「明日休みだし。もっといっぱい勉強教えてあげれるよ」
壱夜は、まるで私の意見は聞く耳ないって感じで。
その冷たい態度とは反対に、壱夜は愛おしそうに私の頭を撫でる。
「でも理央が…「泊まって行きなよ」
有無を言わせない壱夜の言葉は、やっぱりちょっとだけ怖い。
なのに、心臓の音が自分でも分かるくらいドキドキしていた。
壱夜にそんな事言われたら従わない訳にはいかないじゃん…。
理央ごめん、って心で謝りながら、私は黙って頷いた。
.end
【短編】俺の言うこと聞けないの? 咲倉なこ @sakura-nako
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【短編】俺の言うこと聞けないの?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます