終わりに向かう45日目から365日目

人に会う事を決意した俺は、この力の制御を1週間ほどかけて終えると大学に行った。そこは門の他にも机や椅子などを使ったバリケードがあった。俺は外から何とかコミュニケーションをとり人がいることを知った。


俺が思っていたよりも大学には多くの人が生きていて、そのことが嬉しくて、そして助け合う人達を見て自分の事しか考えていなかった自分がなんだか情けなくって。


それを境に俺はその人達のために色々と出来ることをした。



食べ物や生活必需品を届けたり、野菜の種や肥料など農園を作るためのものを集めたり、ゾンビを少しずつ減らしたり、他にも色々あるが、自分なりに頑張っていたと思う。


人より頑丈になった事で多くの仕事をこなすことのできる俺は様々な場所に出向いた。


すると学校や病院や住宅街などで生きている人達を見つけた。


そこには健二の姿もあった。


健二は俺と別れてから色々苦労したらしい。だがその事を誇らしげに語る顔を見て、罪悪感が少し薄れるのを感じた。



その後も俺は連絡係として様々な場所で生きる人達と話をして、これからどうすべかなどを話し合った。


多くの人がいれば様々な意見が出て現状をどうにかしようと皆が頑張っていた。


人は少しずつ減ったりはしたが、それでも少しずつではあるが、成果は現れていた。






一年目は少しずつではあるが好転し始めていた。まだ誰もが生きるのを諦めてはいなかった。



だが2年目でそれはがらりと変わってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界に行く前のお話 ショウ @kinggainner

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ