オイディプス王
概要
ギリシア悲劇において最も鮮烈と名高い戯曲。
運命という円環の理、必然の定めに囚われた結果、二重のタブーを犯してしまう男オイディプスを描いた作品である。
その構成力の緻密さ、悲劇的な末路から今現在でも多くの人に愛されており、かのシェイクスピアに勝るとも劣らない人気を博している。
あらすじ
スフィンクスに苦しめられていた町を救い、その後王として迎え入れられたオイディプス。しかし町には今再び危機が迫っていた。
オイディプスは授かった神託に従って前王ライオス王殺しの犯人を捜すために尽力するも、その過程で自身の呪われた出生と向き合うことになる……
オススメポイント
悲劇を語る上では外すことのできない作品であり、運命の強制力の強さや人の無力さをオイディプスを通して思い知らせてくれる物語。
結末を知っていても尚同情せずにはいられないオイディプスの不遇とその先の決意が見どころと言えるだろう。戯曲であるため、彼の悲壮さがより深く激しく伝わってくるのも魅力の一つだ。
またこの作品はいわゆる三幕八場構成で出来ており、その美しい展開方法は一つの教科書として参考するのにちょうどいい。長編小説を書こうと考えている諸賢には、是非とも一度この物語を解体してみてほしいところだ。
今年の10冊 宮蛍 @ff15
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