・設定公開+用語紹介

 お疲れ様です。熊吉です。


 イリス=オリヴィエ戦記ですが、いかがでしょうか。

 熊吉なりに、自分にはどんなことが書けるのか、自分にしか書けない物語は何かを考えながら進めておりますが、楽しんでいただけているでしょうか。


 ブックマーク、フォロワー様も増え、新たに評価もいただけており、熊吉はその度に喜んでおりますが、隣の芝生は青い、ということわざもありますように、次々と書籍化されていく他者様の作品を羨ましく思いもしております。

 また、そういったレベルの人気作品が獲得している、何万という評価ポイントの大きさには、差を感じずにはいられません。


 熊吉なりの事情もあって、正直、焦りもしていますが、熊吉作品を評価、応援、ブックマーク、フォローしてくださった方々のために、精一杯、面白い作品をこれからも作り上げていきたいと思っております。


 また、投稿開始はいつになるか未定ですが、新作品の準備も行っております。こちらはイリス=オリヴィエ戦記の様なガチガチの戦記物ではなく、読書好きなら誰でも読んだことがある様な、剣と魔法のファンタジーものとするつもりです。こてこてですが、熊吉も、10代だった頃に大好きだったジャンルなので、一度は書いてみたいのです。

 ロードス島戦記とか、フォーチュンクエストとか、比較的最近では、ウィッチャー何かが好きです。


 流行りの能力者とかチートとかは無しで行くつもりです。人気作品を見るとそういうのがある作品ばかりですが、熊吉にはああいう面白い能力を考える力は無いみたいなので……。魔法の呪文とかも全然思いつかないので、投稿にはまだ時間がかかりそうです。

 これは、イリス=オリヴィエ戦記がほぼ書き終わりを迎える頃か、熊吉の体力があれば、並行して投稿を開始できればと考えております。現在はまだ構想の段階で、登場キャラも固まっているのは1人か2人くらいなので、プロットの作成にも取りかかれていない状態です。タイトルすら決まっていません。


 イリス=オリヴィエ戦記は、きちんと書き上げます。

 熊吉が現在用意しているプロットに変更が無ければ、現在はちょうど、物語の半分まで来たところです。


 これからも引き続きイリス=オリヴィエ戦記を楽しんでいただければ、これ以上ない幸いです。

 熊吉をこれからも、よろしくお願いいたします。


 以下、設定公開になります。説明不足かなと思った用語についても、いくらか紹介してみたいと思います。

 用語紹介はやや専門性の高い内容となりますが、読んでいただけると、当時の航空機を知る上でお役に立つと思います。


・新登場した機体説明


:F3696「ベルラン」A型


 ようやく量産にこぎつけた、王立空軍の最新鋭戦闘機です。

 エンジンからの振動や熱などの影響で、当初装備する予定だったモーターカノンの完成の見込みが立たなかったため、12.7ミリ機関砲を片翼2門ずつ、合計で4門装備して実戦配備されることとなりました。

 量産に着手したものの、連邦が強力な四発爆撃機「シタデル」を投入してきたこともあり、前線から火力強化の強い要望が寄せられた為、量産はB型へと移行し、完成していたA型も全てB型へ改修となり、ミーレスたちの部隊にもA型から改修されB型となった機体が配備されます。

 試作型では未対応だった爆装も可能となっています。


 本当は、主翼の武装を強化したりすると、翼の容積の関係で収まりきらず、翼の再設計をしたりしないといけなくなるので、この強化はちょっとご都合主義であったりもします。

 しかし、作中の時代は、現実でも7.7ミリじゃあんまり役に立たない時代に相当する時期に入って来ているし、こっちの方が強いからいいや、と思っています。たまたま翼形を変えなくても装備できたっていうこともあり得ますし。


 ・搭載エンジン 液冷倒立V型12気筒「グレナディエ」M21 機械式一段二速過給機 キャブレーター方式 1300馬力

 ・最大水平速度 毎時590キロメートル 高度5000メートル

 ・燃料搭載量 巡航600キロメートル+戦闘30分+離着陸40分+予備30分

 ・武装 20ミリモーターカノン(開発中、装備予定)×1、12.7ミリ機関砲(主翼)×4

 ・爆装 50キロ爆弾×2

 ・防弾 操縦席後方防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、操縦席前方防弾ガラス、燃料タンク半自動消火装置、消火器×1


:F3696「ベルラン」B型


 前線の部隊からの強い要望と、100通もの脅迫まがいの要望書の束が開発部に送られてきたことにより、急きょ、開発、量産化されたA型の武装強化型です。

 本来であれば、こういった改良型の機体を量産配備するためには、生産体制の変更などで手間がかかり、また、手続きなども問題となる(一度発注した機体はそのまま作るのが普通で、発注数ができてないのに打ち切るとかはあまりやらないようです。性能的に見劣りし始めた時期になっても零戦二一型とかが生産されているのは、発注された数を生産していたためらしいです)のですが、基本的にはA型と同じで、改修するだけで済むのでスムーズにA型からB型に量産体制が移行できたという設定になっています。


 改修で済ますために、装備する12.7ミリ機関砲を2門降ろし、そのスペースに、翼下にはみ出す形で20ミリ機関砲を装備するという方法を取り、結果として最高速度が低下しています。その最高速度の低下は、20ミリ機関砲のはみ出している部分に整流用のカバーを装着することで、通常のA型からマイナス18キロメートルに抑えられたという設定です。(つけてない状態だと30キロくらい低下したという設定です。Bf109シリーズで20ミリ機関砲を主翼に無理やり装着した型とかの性能低下を参考にしています)


 作中では、主人公たちが、エメロードⅡBで経験した苦戦の末にようやく手にした、連邦や帝国と性能で対等に並んで戦える新鋭機という位置づけです。


 この機体が装備している20ミリ機関砲ですが、元々が王立軍の軽戦車に装備されて対戦車戦闘も行う予定のものであったことから、銃身が長く、初速が高くて貫通力と命中率に優れるという設定になっています。

 これは、半分は、火力強化のために都合のいい武装がたまたま存在したという理由づけのためにでっちあげた設定でもあります。もの自体が存在しても数がなければ、王国にとって期待の新鋭機であるベルランの改造には使いづらいからです。軽戦車用ということで元から量産されていたという設定があれば、新鋭機の量産機の改修用として使える数があってもおかしくは無く、より「自然な」感じにできたと思います。


 史実だと、零戦は20ミリ機銃を装備していましたが、それでも、連邦のシタデルの元となっているB17相手に苦戦しています。零戦の20ミリ機銃は軽量化のために初速が我慢されて開発されたものなので、命中させるのにコツが必要で、貫通力も低かったものと思われます。(ちなみに、この問題は長砲身で威力の高い二号銃が開発されたことで概ね解消されています)

 こういった面からも、「軽戦車用の機関砲を流用した」という設定はうまくできたと思っています。


 しかし、そうすると、装備予定だった機関砲が失われた軽戦車の大群が出来上がってしまうのですが、そっちの扱いはどうしましょう?


 ・搭載エンジン 液冷倒立V型12気筒「グレナディエ」M21 機械式一段二速過給機 キャブレーター方式 1300馬力

 ・最大水平速度 毎時572キロメートル 高度5000メートル

 ・燃料搭載量 巡航600キロメートル+戦闘30分+離着陸40分+予備30分

 ・武装 20ミリモーターカノン(開発中、装備予定)×1、20ミリ機関砲(主翼)×2、12.7ミリ機関砲(主翼)×2

 ・爆装 50キロ爆弾×2

 ・防弾 操縦席後方防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、操縦席前方防弾ガラス、燃料タンク半自動消火装置、消火器×1


:S3693「プラティーク」(仏語で「便利」)

 誕暦3690年航空整備方針によって計画され、3693年に初飛行した多用途機です。

 作中では、301Aの誘導機や、人員の移動などのために使われている裏方の機体です。単発単葉三座の機体で、不整地でも容易に離着陸できるよう、脚部は旧式だけど頑丈な固定脚になっています。

 脇役なので細かいところまで決めていないのですが、作中で使われているのはエンジンをパワーアップした改良型です。ここでは自分で作った設定にある初期生産型のカタログスペックを掲載します。改良型の方は特に決めてないので……。

 とにかく、作中で登場しているプラティークは、以下のスペックよりも若干高性能です。


 操縦士の他に、航法通信士が1名、銃手が1名の3名で飛行します。専門の航法通信士が乗っているので、戦闘機部隊の誘導や、長距離通信の中継などで重宝しています。


 実を言いますと、熊吉はこの機体で、現代で言うところの空中管制機の役割をやっちゃおうかなと思っていたのですが、モチーフにしている時代の技術的な面と、機体の規模的な面で無理っぽいので断念しました。

 やるならもっと大きな機体で、レーダーも積んで、オペレーターも何人も乗ってないと無理ゲーっぽいです。

 クラリス中尉が美声設定なのは、こういう役割をプラティークにさせた時に、ガンダムで言うセイラさん的な感じで活躍してもらうためだったのですが、残念ながら死に設定となりつつあります。


 ・搭載エンジン 液冷V型12気筒「ジンニア」M11 機械式一段一速過給機 キャブレーター方式 900馬力

 ・最大水平速度 毎時407キロメートル 高度3000メートル

 ・燃料搭載量 巡航700キロメートル+戦闘30分+離着陸40分+予備30分

 ・武装 7.7ミリ機関銃(機首)×2、同主翼×4、同銃座×1

 ・爆装 50キロ爆弾×2、または250キロ爆弾×1

 ・防弾 操縦席後方防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、銃座部防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、操縦席前方防弾ガラス、燃料タンク半自動消火装置、消火器×1


:B3695「ウルス」(仏語で「熊」)


 誕暦3693航空整備方針によって開発された、双発の爆撃機です。

 登場当時は、戦闘機の主力が複葉機ばかりだったこともあり、「爆撃機は戦闘機よりも速い」「戦闘機など不要」と言われた、高速爆撃機でしたが、登場以来数年の内に次々と新型戦闘機が誕生したため、飛行性能で見劣りするものとなってしまいました。

 元々が戦闘機を上回る高速爆撃機を作り、敵飛行場などに対し敵戦闘機を振り切りながら積極的に攻撃して航空撃滅戦を戦うための機体で、日本の九七式重爆撃機などを参考に設定を作りました。

 搭乗員は7名で、操縦士が正副で2名、航法兼通信士が1名、機関士が1名、他、防御銃座に着く3名となっています。爆撃を実施する際は、操縦士の内の片方が照準を担当することになります。


 装備するエンジンは1500馬力となっていますが、これは、後から調べ直してみると、この機体の初飛行時点(史実で言う西暦1935年前後)としてはやたらと高性能なので、もっと馬力の小さい初期型が存在したという設定を差し込もうかどうしようかと思案中です。


 派生型として輸送機型や、爆撃機編隊の防御火力向上を目的としたガンシップなどがあります。


 作中でベイカー大尉が使用していた機体は、本来の搭載量を大幅に上回る重量の特殊爆弾を搭載するために、全ての銃座から武装を外し、機体に装備されていた装甲鈑など、外しても飛行と爆撃に問題が無い装備は全て外した状態で出撃しています。

 特殊爆弾は、熊吉の設定では3トン程度です。


 ・搭載エンジン 空冷星型14気筒「アリストロシュ」M11 機械式一段二速過給機 キャブレーター方式 1500馬力

 ・最大水平速度 毎時467キロメートル 高度4000メートル

 ・燃料搭載量 巡航1000キロメートル+戦闘30分+離着陸40分+予備30分

 ・武装 7.7ミリ連装機関銃(前方銃座)×1、12.7ミリ連装機関砲(胴体上部銃座、後方銃座)×2

 ・爆装 50キロ爆弾×20、250キロ爆弾×4、1000キロ爆弾または魚雷×1

 ・防弾 操縦席後方防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、銃座部防弾鋼鈑(対12.7ミリ機関砲弾相当)、燃料タンク半自動消火装置、消火器複数


・用語紹介


 熊吉は当たり前の様に使っていても、一般の方にはあまり馴染みが無いと思われる用語について、いくつかご紹介いたします。

 今回は、主にエンジン回りの用語についてとなります。


:「過給機」

 過給機とは車でいうターボのことで、空気を圧縮してエンジンへと送り込むための装置です。

 どうしてそんなものが必要かと言えば、エンジンでより大きな力を発揮させようと思うと燃料をより濃くして燃焼させたいのですが、そのためには燃料の量に見合った空気(酸素)が必要になるためです。空気中に存在する酸素は燃料を濃くして燃やすためにはどうしても不足するので、過給機で圧縮し、燃料を完全に燃焼させるために必要な量の酸素を供給する必要があるためです。

 また、酸素濃度は高空に行けば行くほど薄くなるので、酸素の薄い高空でも十分な酸素の量をエンジンへ供給するために、過給機は重要な存在です。


:「機械式過給機」

 機械式過給機と言うのは、エンジンの動力の一部を利用して過給機を作動させる方式の装置です。エンジンの動力の一部を利用するため、エンジンパワーの全てを効率よくプロペラに伝達できないという欠点があります。

 一般的に、当時の航空機の過給機は遠心力を利用して圧縮する方式が主流で、作中に登場するものも全て遠心式の過給機です。


:「排気タービン過給機」

 作中では未登場ですが、排気タービン過給機は機械式過給機の、エンジンから動力を取って動作するという欠点を解消したものになります。

 エンジンからは大量の排気ガスが発生し、その排気ガスは排気管を通して噴出されるのですが、その排気ガスが排気管を通っていく勢いから過給機を動作させる動力を取り出すものです。

 これにより、従来の機械式過給機よりも、エンジンの動力を効率よくプロペラに伝達できる様になり、航空機の性能が向上しました。

 史実では、日本軍が開発にてこずり、排気タービンを開発できたアメリカ軍の航空機に対し、性能で劣勢に立たされる一因となったことで有名だと思います。


:「一段一速」「一段二速」「二段二速」

 これは過給機の能力面の用語です。二段二速は作中ではまだ未登場ですが、その内二段二速過給機を装備した機体も登場します。

 紹介と言いつつ、専門的な用語なので熊吉の理解も十分ではないかもしれませんが、一段とか二段というのは過給機で空気を圧縮する回数、一速とか二速というのは、過給機で空気を圧縮するために遠心力を生じさせる時、その速度を変える事で圧縮力を変えられる、ということらしいです。

 一段よりも二段階で空気を圧縮する方がより空気を濃くしてエンジンに供給することができ、エンジンで燃やす燃料もより濃くできるので出力が上がります。

 また、高空に行くのに従って空気の濃度は低下するので、過給機で空気を圧縮するために使う遠心力を一速だけにすると、高度が上がると空気を十分に圧縮してエンジンに最適な濃度で酸素を送れなくなるので、高空に行くほど性能がどんどん低下します。二速過給機では高空に行くと二速目に切り替えより強い遠心力を生じさせて空気を圧縮できるので、高空での性能低下を抑えることができます。

 熊吉の設定上で、一段一速過給機の機体の最高速度が高度3000とかになっているのに対し、一段二速過給機の機体が高度5000とかでの速度を最高速度としているのは、この辺の機構による違いを反映したものです。


:「キャブレーター」

 もしかすると、バイクなどが好きな読者様は聞き覚えがある単語かも知れません。

 これは、空気と、燃料とを混合し、エンジンに混合気として送り込むための装置です。

 燃料を燃やすためには空気が必要で、燃料と空気をうまくミックスさせることでもっともよく燃え、効率よく出力に変えることができます。

 燃料の質などの影響で、うまくミックスできないと、エンジン内での異常燃焼の原因となったりします。この燃料の質なんかも、大戦後期に日本軍機の性能が連合軍機に劣る様になった一因ともなっています。


:「直噴式」

 キャブレーターに対し、燃料を直接エンジンのシリンダー内に噴射する方式のことです。

 車関係に詳しい知人に聞いただけなので熊吉はよく理解できていないのですが、何と言うか、キャブレーター式に比べて、「エンジンの出力を自由に、細かくコントロールしやすい」というメリットがあるらしいです。ただし、これはエンジンの制御技術が発達した現代での話なので、当時のエンジンではどうだったかまでは分かりません。

 DB601という、ドイツの主力戦闘機であるBf109などに搭載されたエンジンが、この方式を採用しているものとしては有名です。


 イリス=オリヴィエ戦記での主役機であるベルランは、この、DB601を元ネタとしたエンジンを使用しています。

 しかし、王国では質のいい燃料噴射ポンプが生産できなかったため、使い慣れたキャブレーター式に変更した、という設定になっています。

 DB601相当のエンジンを帝国とライセンス契約して輸入し、王国独自の方式に改めて改良したエンジンが、ベルランに装備されている「グレナディエ(ザクロ)」エンジンとなります。


:「インタークーラー」

 当時の航空機のエンジンは過給機で圧縮した空気をエンジンへ送り込んでいるのですが、圧縮された空気というのは熱を持ちます。

 熱を持ったままの空気をエンジンに送り込むと、エンジンのオーバーヒートやシリンダー内での異常燃焼の原因になるため、加圧された空気を冷却するための機構が必要となってきます。また、この装置のおかげで、エンジンの効率も上昇させることができます。

 そのためのクーラーがインタークーラーと呼ばれるものです。


 他にも、エンジンオイルの冷却用のオイルクーラーや、エンジン冷却液の放熱用のラジエーターなどがあります。


 熊吉は作中の描写において、機体の前方、機首下方に取り付けられている吸気口をインタークーラー用としていましたが、調べ直してみたところ、オイルクーラー用の吸気口であるとするのが正しい様でした。このため、作中の描写の修正を実施いたしました。

 読者様には大変ご迷惑をおかけいたしました。改めてお詫びを申し上げます。


 日本の「彗星」艦上爆撃機や、イギリスのホーカー・タイフーン、作中で連邦軍の戦闘機「ジョー」として登場するアメリカのP40などが、機首に大きな吸気口を持っているのは、これらのクーラーを一つにまとめて機体の前方投影面積を減少させ、高速力の発揮を狙っているからだったりします。


 こういったクーラー類の配置は、「できれば空気抵抗を減らしたい、だけど空気をちゃんと当てないと冷えない」ということで、各国ともいろいろ工夫をしていますので、当時の戦闘機を見る上でこの点にも着目していただけると、より楽しんでいただけるのではないかと思います。


:その他「機関銃と機関砲と機銃」


 イリス=オリヴィエ戦記の中では、王立空軍が装備する射撃装備のことを、7.7ミリ口径を機関銃、12.7ミリ口径より大きなものを機関砲と呼称しています。

 これは、日本陸軍式の呼び方を真似したものです。

 機関銃と機関砲の分け方ですが、どうやら、弾丸の中に炸薬などを仕込む余地があるか無いか、の様であります。

 なお、機銃というのは日本海軍での呼び方で、口径による区別はありません。7.7ミリだろうと20ミリだろうと25ミリだろうと、日本海軍ではみんな機銃と呼んでいます。戦艦大和などに装備されていたのは「25ミリ三連装機銃」であり、零戦に装備されていたのは「20ミリ機銃」であります。

 余談になりますが、こういったことから、「機銃掃射」するのは海軍機で、陸軍機は「地上銃撃」と言ったりするそうです。


 作中で陸軍式の表現となっているのは、熊吉が「機関砲」という言葉を使いたかったためです。


・最後に


 熊吉にここまでお付き合いいただいた方。

 興味を持っていただき、ありがとうございます。

 熊吉の理解も完全では無いかもしれないので、間違った内容等あるかもしれませんが、当時の航空機について少しでも知っていただけたら幸いです。


 そして、おめでとうございます!


 ここまで読んでくださった読者様は、元々興味ないよと言う方でも、既に立派なミリオタの端くれでございます。

 そんなつもりは無い、という方ばかりでしょうが、一般の方と言うのは、機械式過給機とか排気タービンがどんなものかとか、知らないのが普通なのであります。

(作者注 ※同じミリオタでも、エンジンにさほど興味の無い人はあんまり知らなかったりする知識でもあります)


 皆様は、深い深い沼の淵に、記念すべき第一歩を踏み出されたのでございます。


 ミリタリー分野は趣味としては肩身の狭い分野でもあり、少しでも世間様のご理解を広めたいというのが、熊吉の秘かな願望であります。


 これからも、熊吉が持っているミリタリー関連の知識をフル活用して、イリス=オリヴィエ戦記を続けていくつもりでございます。「ぶーん、ぶーん」と、ちゃんと飛行機が飛んでいる感じを少しでもリアルに表現できればと思います。


 少しでも興味を持っていただいた読者様方、何卒、熊吉を今後ともよろしくお願いいたします。

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