ディープブルー・グー:開口


 それは愛ではないと、誰かが私に言った。けれどそう言うだけで、本当の愛を教えてはくれなかった。

 それは慈悲ではないと、誰かが私に言った。けれどそう言うだけで、本当の慈悲を教えてはくれなかった。


 だから私は私の愛を、私の慈悲を貫き通すことにした。そうするしかなかった。だって本当の愛も本当の慈悲も、それを知っているのは「私」だけだ。


 そして「私」はもう二度と――目覚めることが出来ないのだから。


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