ディープブルー・グー:潜行


 ようやく、あの男が現れた。


 この日をどれほど待ちわびたことか分からない。幾度となく失意に膝を折り、絶望に打ちのめされた。それでも、あの日に知った奇跡の可能性を、どうしても捨てられず、ついに今日という日を迎えた。


 さあ、復讐の時だ。


 偽りの神の座より、彼女を引きずりおろそう。虚構の文明を白紙にかえし、全ての命をことごとく滅ぼし、永久とわの楽園をこの地に築こう。


 深い深い青ディープ・ブルーの底で、は薄く笑みを浮かべた。


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