おっさんと先生

エピローグ

<美香視点>

-2年後 川野辺高校-

「相良先生！」

「あ、鮎川さん、大室さん。卒業おめでとう」

「先生も産休に入るんですよね？何だか寂しいな。先生が学校に居なくなっちゃうの」

「居なくなるって言ってもやめるわけじゃないからいずれ戻ってくるわよ」

洋さんと結婚して早2年。

私と洋さんは相変わらずな日々を送っているわけなんだけど昨年末に待望の妊娠が確認された。自分が母親になるというのも今一つ実感は無いんだけど安定期にも入り区切りの良いこの3月をもって産休に入ることとなった。

「でも先生凄く幸せそうですよね～」

「そ そぉ？」

「いいなぁ私も早く先生みたいにカッコイイ旦那さん欲しいなぁ～」

「何言ってんのよ。瑞樹は栗田君が居るでしょ！大学だって一緒に行くんだし」

「そ それはそうだけどさ・・・小春は・・・その告白とか結局しなかったの？」

「え？なに？大室さん好きな人とかいたの？」

「え～と・・・いいの私は。今の関係も結構気に入ってるから・・・」

「そうなんだ・・・まぁ小春の気持ちの問題だからいいけど・・・小春が告白したら絶対断らないと思うんだけどなぁ」

「え？誰？私も知ってる子？凄く気になる！ねぇ先生無視しないで！！」

「ひ・み・つです♪」

「えぇ～」

う～何だかモヤモヤする・・・

そんな気持ちながら校長先生や諸先輩方に挨拶をして私は愛しの旦那様が待つ家へと帰宅した。

結婚の後、内見をしていた小早川さんの家の近所の戸建てを私と洋さんは購入した。2人の収入でローンを組めばギリギリ何とかと思っていたけど、お義兄さんがご祝儀だって各所を調整してだいぶ値引きしてくれたんだよね。

結果、結構余裕を持ったローンが組めた。

気が早い洋さんやうちの両親は、生まれてくる子供のために早くも子供部屋の準備とか始めてる。生まれる前からこれじゃ生まれてからはどうなるのか・・・

「ただいまぁ～」

「おかえり美香。支度したら出掛けるぞ」

「は～い」

今日は洋さんが年休消化で休みということだったので一緒に外食に行く約束をしていたんだよね。

結婚してお料理は頑張ってるけど"美香も仕事で疲れてるんだから"と外食に連れてってくれたり洋さんが食事を作ってくれたりもしている。

本当イイ旦那さんだな。

私は今幸せです。

これから先も洋さんと生まれてくる子供と一緒に仲良く素敵な家庭を築いていけてらいいな。

-完-

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あとがき

これにて「おっさんと先生」は終了となります。

測ったわけでもないのですが、ちょうど10万文字程度となりました。

当初は11話～12話位で終わらせる予定の話だったのですが、本編7年目の約束とのストーリーリンク等含めここまで話が長くなりました。

PV数やブックマークはそれ程伸びませんでしたが、自分としては楽しく書けたの全然OKです。

この先も他の作品で先生もおっさんも登場しますし時間があればアフターストーリー的なものも書こうかと思いますので、その際はまたよろしくお願いします。

2020/5/31