これは記憶障害を抱える恭子の悲しい過去の追憶と、浩一との再生の物語。
残りの余命三ヶ月。主婦として懸命に生きるも報われることはなく、誰にも愛されない空っぽな人生を歩む恭子。彼女はかつて自分を見捨てた筈の元恋人──浩一と共に自分の心を満たすものを、そして、自分の幸せな最期を探す旅へと出発する。記憶障害の恭子を描写するストーリー展開の技量が優れていて、とても恭子に共感が持てるような物語となっていると感じた。
恭子には幸せな最期を迎えて欲しい……。思わずそのような気持ちでストーリーにのめり込んでしまう作品です。是非読んでみてください。