第12話 春を散らす道行き

果てなく続く青信号の路

踏み外さないよう爪先で鳴らす

催花雨のハナウタの音階を知らない


灯りのない道の隅に咲いて

一夜の花雨に散るから誰も

その花の名前を知らない。


朝も昼も夜も散る、ポケットに

残されたレシートの数だけ

青信号の路を歩いてきた


光暈な道行き、ハレーションだ

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季節を歩く幻想 帆場蔵人 @rocaroca

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