第17話

 アパートの前に

『おぎちゃんの家族に私を紹介してもらった。こんな日が来るなんて! 私とおぎちゃんは同性で、しかも私はもう死んでいて、おぎちゃんは生きている。おぎちゃんのお母さんは「なにもお構いできないけど」と言って、お茶を入れて線香を上げてくれた。線香の煙は天井までのぼっていったけど、私はおぎちゃんの看板で地上に縛り付けられている。そのことがなにかおかしかった。「またおいでね」と言ってもらえたし、死んでもまだ祝福してもらえるチャンスがあるなんて思ってなかった』

と書かれた看板が建った。

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看板を建てる 阿部2 @abetwo

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