猫様からのプレゼント

葉柚

第1話

我が家には現在二匹の猫様がいらっしゃる。


一匹はキジシロのまーちゃん。

一匹は黒トラのくーちゃん。


どちらも、4才の女の子である。


田舎のため、二匹ともお外と家との出入り自由である。

そんな猫様が実際に持ち帰ってきたお土産がある。

時々、蛙やとかげ、雀、ネズミなどをお土産に持ち帰ってくるがこの日はすごかった。




夏になりかけ、日々暑さが募っていった小雨のふる日の夜のことである。

夜22時にまーちゃんが帰宅した。


「うにゃぁん、うなぁん」


いつもと違う、ちょっとばかり興奮したまーちゃんの鳴き声。

なんかを連れて帰ってきたときの合図。

しかも、興奮するほどの大物らしい。

夜中に何を持ってきたのだかと、暗闇の廊下を電気で照らす。

そこには口に長いクネクネしたものをくわえているまーちゃんがいた。


「へびっ!!」


私たち家族はまーちゃんが蛇を捕まえてきたのかと思った。

廊下にはほの暗い明かりしかなく、シルエットしか見えない。

長さにして30cmくらいの長くてクネクネしているものといったら、蛇しか思い浮かばなかった。

くーちゃんもジッとまーちゃんを見つめている。

蛇とおもわしきものに噛みついているまーちゃん。

毒のある蛇だと怖いとおもい、大好きな煮干しでまーちゃんを釣る。

その隙に父が蛇と思わしきものを捕まえ、電気のもとにさらす。


「うなぎっ!?」


電気に照らしてみると、まーちゃんが連れてきたのは体長30cmくらいの鰻でした。

どこからつれてきたのか。うちの近くに川があるからそこから捕まえてきたのか・・・。

あの、ヌルヌルするうなぎをまーちゃんが一生懸命連れてきました。

ヌルヌルするし、動くしで、つれてくるの大変だったと思うが、よくつれてきたものだ。


生のうなぎの血には毒があると聞いたことがあるので、残念ながらまーちゃんからはうなぎを取り上げる。


「明日、火を通してあげるからね。」


そう言って、まーちゃんとくーちゃんには猫缶を代わりにあげる。

しばらく猫缶を食べていたまーちゃんだが、また外に繰り出していった。

お腹一杯になったくーちゃんは布団で丸くなって休んでいる。


そして、15分後・・・・。


「うなぁんなぁん」


ご機嫌なまーちゃんが帰宅した。

今度は20cmくらいのうなぎを連れて・・・。

そして、私たちの前にポトンと置く。

クネクネ動いているうなぎ2引目。

得意気な顔をして、見つめてくるまーちゃん。

なでなでして、大好きな煮干しを差し出すと、煮干しに飛び付くまーちゃん。


そして満足したようにうなぎを私たちの前に置いて、布団にのり満足そうに毛繕いを始めるまーちゃん。


どうやらこのうなぎは私たちのために捕ってきたうなぎだったようだ。


翌日、父にうなぎを捌いてもらい、火をとおして白焼きにして一匹をまーちゃんとくーちゃん用にして、もう一匹を父と母と私で美味しくいただきました。

まーちゃんが捕まえてきたうなぎ、首のところにまーちゃんの噛んだ痕がありましたが、それ以外は無傷でした。


まーちゃんもくーちゃんも私たちも美味しいうなぎをいただきました。


まーちゃん。

高級なプレゼントをありがとう。

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猫様からのプレゼント 葉柚 @hayu_uduki

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