おまけ
―――
「涼、ノート貸してくれ。」
「やだね。どうせこの前の仕返しでもするんだろ?」
前に優のノートに『バーカ』と書いた事を思い出して言うと、優は頭をかきながら悪戯っ子のような顔で笑った。
「バレた?」
「バレバレ。」
「あちゃー」
わざとらしく額に手を当てる。俺はそれを見て口パクで『バーカ』と言ってやった。
「ねぇ、涼。」
「ん?あ、奈緒……と希?」
声をかけられて振り向くと奈緒と希が立っていた。
「あのね、涼と優君にはちゃんと言わないとと思って。ほら、二人共大事な親友だし。」
「だから何だよ。早く言えよ。」
俺がそう促すと奈緒は意を決したように言った。
「あのね、あたし希と付き合ってるの。先週から。」
「え!?希と?な、奈緒が?」
「うん。ね?希。」
「あ、あぁ……」
希は照れているのか赤くなっている。
「あはは。照れてる。」
「煩いな!」
「でもさ、いきなりだもんな~馴れ初めを聞かせてくれよ。」
優がひょっこりと俺達の間に入ってくる。
「いやぁ~~恥ずかしいから省略させて頂きます。」
希のボケに一同ずっこけた……
「じゃあ奈緒のどんなところに惚れたんだ?」
俺が立ち上がりながら聞くと、希はますます赤くなって小さい声で答えた。
「天然なところ、かな……」
「いやだ、もう!希ったらぁ~」
「……仲がよろしい事で。」
俺がため息混じりに呟くと優がぴったりくっついてきて言った。
「そんなに羨ましいなら俺らも付き合うか?」
「……は?」
一瞬息が止まる。だけど次の瞬間、かーっと顔も体も熱くなった。
「誰がてめぇみたいなアホと付き合うか!!」
学校中に俺の叫びが谺した。
父さん。俺は今日も元気です。ずっとずっと見ていてくれよな!
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Boyッシュ革命【改稿版】 琳 @horirincomic
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