検眼表

天球が割れた髑髏に鬩ぐ鈍色の向日葵を提げて亡父が消えた小ランブールの検眼表に

根幹は延命を出鱈目に翰紙へ躓きながら消火栓の慈愛に削げ落ちた丹の黴窓に過ぎない

杜甫の心臓を切裂き斜方体の葡萄畑に歪像を証拠検分するかのごとく建築死体をコラージュに耽る埃の死、

それは何時何処より来たのか、或は埃の死を知らずに薪に復は精製燃料に硬貨を価する精神現象としての憑霊さえも、

物語より零れた給水塔にはシャムの嬰児を孕む羊膜が線維質な化粧の事実を宣べ、

咽喉一把が呵成に雪花へ咆哮し、蛇の花束をつまはじきにする松実は教会建築に発砲された一撃の哀悼であった、

地球が孵るのはいつだろうか、硝石の哂い、硫黄の禽籠に忙しなく闊歩する紳士達の胸像よ、

毒の花を鷲掴みにした、醗酵をした諸腕よ、化石化をした血にも翼が肋骨の様に通っている、

そしてその権威奴隷の品格を敢て咎めはしないだろう、麻酔針もそして呼鈴調律係も、

兄弟そして姉妹達へ泥濘より取られた執政委員共の融け崩れた一級市民としての威厳を遺憾無く執行をするだろう

蝋梅階章は熔融した軍靴の一車両に二つと無き埃の死を篩に拠り降らしめて

天球記憶に待合室の水母を孕んだティタノスの巨廃墟銅球を

踏み躙りそして攫う

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痴人教育 鷹枕可 @takuramakan

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