伝染霊

街の止処

円時計を振返る

婦人像、

塩の花殻

新聞紙に埋もれたる理想雌雄像

失踪者達

凡ゆる峻巌

城壁へ

蔓延‐跋扈する伝染病

そを叛現実と喚鳴す


円柱舞踏俳優‐這跳

市街劇、公衆投影

その

最たる狂操病

両翼鐘を

溺れつつ遊泳せんとする 

相個関係、

つまり監守獄舎

死蛾の墨、一般救済

抑留流刑地

つかのまを窒息房にあかむらさきを添い擬えて

悪魔釘、

這う葛藤‐巡巡たる飢饉町に


空に継母

地には戸籍

塵裁断機

海峡橋梁に染む遺伝腑その

無関係、

常軌、路傍へ逸す

螽斯その吐瀉階段にて

避雷針拉がれて鉤針となり

知らざれば逞しくもうつくしき葯球花紡錘附録、


既に過ぎゆく晩葬のミモザを

花崗岩に梳りつつ

今際を痴る

幽霊機械

その現実に唾棄を催し

起源無く未踏無き

オルガンが鐙を

漕ぎ舫う海底帆船かつて伝染病に爛るもこぞのことならず


由縁を死語もかたるすべなし

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